TikTokは広告主へ向けて、「TikTok広告」の機能拡充を図っています。その取組の1つとして、最近「TikTokショッピング広告」が発表されました。
TikTokショッピング広告を使うと、ECの商品をTikTok内で宣伝してスムーズに購買にまでつなげられます。今回はTikTokショッピング広告とは何か、そのフォーマットなどを解説していきます。
1.テスト運用が開始!TikTokショッピング広告とは?
TikTokショッピング広告とは、プロダクト販売に使える新しい広告形式です。ECサイト内の商品を3つのフォーマットを使って宣伝できるのが特徴です。
TikTokは本格的な展開に当たり、まずはTikTokショッピング広告のテスト提供を行っています。TikTokショッピング広告には次のようなポイントがあります。
- TikTok広告マネージャーから「プロダクト販売」という目的を介して、各フォーマットへアクセス可能
- 商品カタログのスケールを拡大しながらトレンドを取り込んで、TikTokでのプレースメントを増加させられる
- 高度なターゲティングやクリエイティブ自動作成などを通じて、コンバージョン見込みの高い顧客へリーチ可能
- TikTokショップの出店者がパフォーマンスを最大化できる
近年TikTokは動画内での商品紹介がきっかけでいわゆる「TikTok売れ」が起こったりと、購買を促進できるメディアとして広告業界から注目されています。今回のTikTokショッピング広告はそんなTikTokを宣伝媒体として上手く活用したい、EC業界に携わる方にとっては朗報です。
2.TikTokショッピング広告の3つのフォーマットとは?
TikTokショッピング広告には、次の3つのフォーマットがあります。
ビデオショッピング広告
通常のTikTok動画と同じ形式で広告を発信できます。具体的には動画フィード内に商品紹介用の動画を流し、購買を促進する仕組みです。
ネイティブ形式なのでユーザーからは動画を視聴していても嫌がられにくい特徴があります。広告感が強いとわざわざブロックするような方も増えている中、なるべく嫌がられないように動画広告でタッチポイントを持つのは重要です。
また動画といっしょに、紹介している商品の購入ボタンも表示できるようになっています。CTAボタンを動画の上から表示することで、紹介されている商品を気に入ったユーザーがスムーズに動画から商品購入ページへ移動できるのもメリットです。
カタログリスティング広告
商品の一覧をカタログ表示する形式の広告です。ビデオショッピング広告と違い、TikTok用の動画を作成する必要はありません。すでに所有しているカタログデータをTikTokと連携させて表示できるようにすれば配信が可能です。
カタログ一覧をユーザーが表示すると、各商品の画像や値段、ブランドなどを確認できます。そして各商品のリストをタップすると、商品詳細やカート追加ボタンなどを表示することが可能です。
カタログリスティング広告は現在、米国に拠点を置いている方、あるいは米国をターゲットとしている広告主の方のみがテストで使えるようになっています。日本でも使えるようになれば、Instagramのコレクション広告のようにユーザーへカタログ形式のビジュアルで訴求することが可能です。注目商品をまとめて広告表示したい方にはおすすめの広告フォーマットになっています。
ライブショッピング広告
ライブショッピング広告は、最近注目が高まりつつあるライブコマースに関係する広告です。TikTokライブにて紹介している商品の紹介一覧を表示して、購買を促進できる広告フォーマットです。
ライブコマースは、コロナ禍でユーザーに魅力的な宣伝を行う方式として注目されています。商品開発者やタレントなどがユーザーの興味を引きながら詳しく商品紹介を行い、その場で購入意欲が高まるように宣伝するのが特徴です。対面での営業が難しくなった今、オンラインで顔を見せながら商品の魅力を紹介できる点などがメリットになっています。
残念ながらライブショッピング広告は、現在日本で利用できません。利用できるのはインドネシア、マレーシアといった、TikTokショップ機能が利用できる地域に限られています。しかし今後日本で解禁されれば、大きな戦力として活躍してくれるでしょう。
3.運用パートナーも増加中!TikTokはショッピング広告等の追加で何を狙う
ここからはTikTokの最近の動きや、今後どうなっていくかなどを解説していきます。
パートナーを増やして宣伝力を強化!あの大手ECサービスなどが協力企業に
最近のTikTokは、EC機能を強化するためにさまざまなサービスとパートナーシップを結んでいます。
たとえば今回ご紹介したTikTokショッピング広告の公式発表では、
- Smartly.io:アプリの広告・キャンペーン
- Productsup:カタログフィード
というように、新しく認定パートナーが追加されたことも発表されています。
またEC業界では
- Shopify
- BigCommerce
- WooCommerce
- Ecwid
といったサービスともすでにパートナーシップを締結しているのもポイントです。
ShopifyとTikTokのパートナーシップ締結に関しては、日本でもニュースとなりました。Shopifyからアプリを追加して設定を行うことで、簡単にTikTok→Shopifyの誘導経路を作成できるようになって利便性が増しています。
またWordPressのプラグイン「オープンカート」とも連携、こちらもShopifyと同じくTikTok広告との連携機能などが追加されて便利になりました。
若い世代を中心に利用者が増えているTikTokですが、今後サービスが継続して成熟していけば中年層といったさらに上の層もターゲットにしやすくなります。それに合わせてまた新しくパートナーが追加になって、さらにEC機能が拡充される可能性もあるでしょう。
今後のTikTok広告はどうなる?
TikTokショッピング広告は、まだ一般提供が開始されていません。今からテスターを集めて運用データを収集、改善や本格リリースへ向けての調整などを行うのでしょう。
またビデオショッピング広告は日本でもテストが可能ですが、残り2つのフォーマットに関しては日本では原則提供されていません。今後2フォーマットの需要が見込めれば、テストで使えるようになるあるいは一般提供開始時に日本でも利用が解禁されると思います。ただし現時点で米国やマレーシアなどに拠点を置いている方などは、ビデオショッピング広告以外のフォーマットも利用できるのでぜひ使ってみてください。
TikTokは今後も広告やショッピング機能を強化して、多機能なSNSプラットフォームとなっていくでしょう。ただしそれでユーザビリティが失われると、今の勢いが落ちてしまうリスクもあります。広告業界に身を置いている方はぜひ今後のTikTokの活動を追いながら、今後の展望を考えて広告配信に参考にされてみてはいかがでしょうか。
4.まとめ
今回はTikTokのショッピング広告についてご紹介してきました。
ショッピング広告は今のところテスト展開であり、日本では3つのフォーマットのうち2つは使えません。今後提供が解禁されると、日本の方もショッピング広告についてよりフィードバックしやすくなります。
TikTokの成長はめざましく、広告やショッピング機能も追加されてさらに便利になっています。ぜひTikTokもSNSマーケティングの一角に加えてみてください。