アプリの7日後、30日後のアクティブ率を上げるためにはどうする?

アプリのアクティブ率は重要!

アプリ市場においてはインストール率よりもアクティブ率のほうが重要です。

いくらリワード広告などを活用してインストール数を稼いでも、アプリストアではあまりプラスにはなりません。またアクティブ率が低くなるとマネタイズできるユーザーが減少する分収益が減少してしまいます。アプリで収益を稼ぐためにはアプリの長期継続利用につなげないといけません。

今回はアプリの継続率に課題を感じている方に向けて、アクティブ率を高めるためのコツを解説していきます。

アプリのアクティブ率をあげよう

1.アプリのアクティブ率をあげたい!

アプリ業界にいると絶えず付きまとうのは、「アクティブ率がなかなか高くならない」という悩みです。

たとえばCPI広告などを活用すれば、ユーザーとの最初のタッチポイントとしてアプリのインストールや起動は達成されるでしょう。しかしその後ユーザーがアプリに興味を持ち続けてくれるとは限らず、中にはリワード目的だけの継続利用が難しいユーザーも混じっています。

結果的にCPI広告といった手法だけに頼っていると、時間が経過するほどアプリのアクティブ率が低下する可能性が高まってしまうのがネックです。

アプリを継続して使ってもらうにはCPI広告だけでなく、エンゲージメントを成果達成として測定を行うCPE広告なども活用する必要があるでしょう。また分析方法も工夫して、継続率を上昇させるには何が必要なのかを把握しておく必要があります。

アプリを継続して使ってもらうには

2.まずはリテンション分析を!

アプリのアクティブ率を増加させるためには、「リテンション分析」が重要です。

リテンションとは「維持」といった意味があり、マーケティング領域では「既存顧客を維持するための分析手法」をリテンション分析と呼びます。リテンション分析を活用できるようになると、次のようなメリットがあります。

1ユーザー当たりの生涯価値「LTV」を把握しよう!

リテンション分析においては

・1ユーザー当りの平均単価(ARPU)
・アクティブユーザー(xAU)
・1ユーザー当りの平均継続利用時間

などの指標を用いて計測を行います。まずはARPUとxAUなどの指標を掛け合わせることで、LTV(顧客の生涯価値)を可視化する事がポイントです。

リテンション分析では、特にアプリの継続率を数値化しながらユーザーの平均継続利用時間を追うことが重要になってきます。アクティブユーザーを追うとアクティブユーザーを短期的に増加させる施策は打てますが、1人のアクティブユーザーを長期的に維持してLTVを増加させていく施策を打つのが難しくなります。

ユーザーの平均継続利用時間を可視化した上でLTVもトラッキングできるようになると、LTVを改善して長期的に収益を改善できる施策を打ちやすくなるでしょう。

ユーザー獲得に掛かるコストを確実に最適化できる

インストールベースでユーザー獲得に掛かったコストを算出してしまうと、施策に失敗してしまう恐れがあります。

たとえば

・メディアA:費用が20万円、インストールを達成した獲得ユーザーが200人
・メディアB:費用が20万円、インストールを達成した獲得ユーザーが100人

だとすると、BのほうがAより顧客獲得単価は2倍になり非効率に見えます。

しかし

・メディアAは平均利用期間が1ヶ月、毎月の平均ARPUは500円
・メディアBは平均利用期間が4ヶ月、毎月の平均ARPUは500円

となると話は変わってくるのがポイントです。

メディアBのLTVはメディアAのLTVの4倍になります。
すると顧客獲得単価が2倍発生しても収益は4倍得られるので、全体の売上はBのほうが2倍有利です。

アプリマーケティングでは視野が狭くなり、少ない指標しか確認せずに間違った改善施策を立ててしまう危険性があります。しかしリテンション分析により細かい部分まで指標を可視化することで、正しい施策を確実に実行しやすくなります。

独自の指標を用いながら効果測定ができるようになる

アプリによっては、DAUやWAUといったよく使われているxAU指標が計測に適していない可能性があります。

・平日か休日か
・季節は夏か春か
・短期的なプロモーションを行ったか

といったような要因でアクティブユーザーはぶれてしまうからです。

たとえばSNSの一つとしてユニークな路線を突き進んでいる「Pinterest」では、サインアップ後1週間以内に再利用を行ったユーザーを「1d7s」として計測しています。1d7sを新規サインアップ数で割って初期の起動率を計測できるようにするためです。

他にもさまざまな独自指標で計測を行っているアプリ提供企業があります。リテンション分析を活用すれば独自の指標を見出して、さらなるアプリ効果改善に活かせるようになるでしょう。

アプリのアクティブ率向上のためにリテンション分析を

3.プッシュ通知を活用する

Pintarestが1d7sで求めているように、7日や30日といった初期の起動率計測はアプリの継続率改善のために必要です。特にゲームアプリでは初期の起動率改善およびその後の継続的利用につなげるため、プッシュ通知を頻繁に配信しています。

プッシュ通知を活用する際は、まずユーザーの状態に合わせたパーソナライズな通知を行う工夫をしましょう。

たとえば

・初回起動からしばらく経過しているユーザーには基本機能紹介やキャンペーン通知をする
・毎日起動している熱心なユーザーには使い込んでいる方向けの便利機能やコツなどを紹介

と配信内容を変えてみるのがポイントです。

また配信頻度をフリークエンシーとして計測して、効果測定するのも重要です。たとえば配信数を1日2回から5回にしてアプリ離脱率が高まったら、配信数を2回に戻す必要があるでしょう。フリークエンシーが多いとユーザーに嫌われる危険性が高まるので、実際に配信しながら嫌がられない最適な配信数を把握していく必要があります。

プッシュ通知を有効的に使用しアプリのアクティブ率を向上

4.マルチCPEリワード広告を配信する

長期的なユーザー利用へつなげていくためには、マルチCPEリワード広告を配信するのも有効です。マルチCPEリワード広告では複数のエンゲージメントを設定して効果を測定可能です。

・ステップごとの遷移率を確認して最適な掲載メディアを決められる
・継続率急増につながるマジックポイントを特定して有効な施策を打てる

といったメリットがあります。

従来の1つしかエンゲージメントを設定できなかったCPE広告よりもステップを連携させた細かい測定ができるので、より効果的な広告を配信しやすくなります。

アプリのアクティブ率向上のためにマルチCPEリワード広告を活用

5.まとめ

今回はアプリのアクティブ率を上げるために必要なポイントを解説してきました。

アクティブ率を上げたい場合はまずリテンション分析を行いましょう。LTVまで含めて細かい分析を行うことで、単にアクティブ率を増やすだけでなく長期的にユーザーが課金してくれるような施策も打ちやすくなります。

またプッシュ通知やマルチCPEリワード広告といった手法で継続率を伸ばす方法も有効です。ぜひ適切な施策を実行して確実なアクティブ率向上へつなげてみましょう。