ネットショップを始める際に、多くの方が最初に悩むのが「どのECプラットフォームを選べばいいのか?」という点ではないでしょうか。特にShopifyは世界中で使われている人気のカートシステムですが、日本国内のサービスと比べて「月額が高そう」「手数料が複雑そう」といった印象を持つ方も少なくありません。
そこで本記事では、Shopifyの料金体系をわかりやすく解説したうえで、国内主要4サービス(BASE、EC Force、MakeShop、FutureShop)とのランニングコストを徹底比較します。
- 目次
- 1.Shopifyの料金体系
- - 1-1.月額プラン
- - 1-2.決済手数料と取引手数料
- - 1-3.アプリ・テーマなどの追加コスト
- 2.比較対象サービスの概要と料金体系
- - 2-1. BASE
- - 2-2. EC Force
- - 2-3. MakeShop
- - 2-4. FutureShop
- 3.Shopify vs 国産ECプラットフォーム
- - 3-1. 売上規模別:コストシミュレーション
- - 3-2.シュミレーションからわかること
- 4.こんな事業者にはこれ!おすすめプラットフォーム診断
- - 4-1.初期費用をかけたくない初心者
- - 4-2.自社ブランドを育てたいD2C
- - 4-3.定期購入・CRMに強いカートを探している
- - 4-4.海外展開・多言語対応が必要
- 5.Shopifyが割高に見えるのはなぜか?コストに潜む「価値」の考え方
- - 5-1.月額が安くても手数料で損をするケース
- - 5-2.拡張性・カスタマイズ性の“目に見えないコスト差
- 6.まとめ
1.Shopifyの料金体系
Shopifyは、世界中で200万店舗以上が利用しているECプラットフォームで、月額課金制+取引手数料+オプション費用という形で料金が構成されています。
一見すると「割高」に感じる方もいますが、成長に合わせて柔軟にカスタマイズ・拡張できる点で、多くの事業者に選ばれています。
この章では、Shopifyの料金の内訳を3つの観点からわかりやすく解説します。
1-1.月額プラン
2025年5月現在、Shopifyでは以下の3つの主要プランが提供されています。
https://www.shopify.com/jp/pricing
月額料金には、オンラインストア、商品管理、注文管理、顧客情報管理、レポート機能など基本機能が含まれます。
※年間契約を選択すると、月額あたりの費用が割引される場合があります。
1-2.決済手数料と取引手数料
Shopifyの料金で特に注意すべきなのが「決済手数料」と「取引手数料」です。(※1)
[Shopify Paymentsを使用する場合(日本国内向け)]
クレジットカード決済手数料(国内)はプランごとに異なり、以下のようになっています。
Basic→3.55%
Grow→3.3%
Advanced→3.25%
→ Shopify独自の決済サービス「Shopify Payments」を使えば取引手数料は0%になります。
[他社決済(例:PayPalなど)を使用する場合]
Shopify Paymentsを使わない場合、決済手数料に加えて以下の取引手数料が加算されます。
Basic→2.0%
Grow→1.0%
Advanced→0.5%
「ポイント」
Shopify Paymentsを利用すれば追加手数料がかからないため、できる限り導入するのがコスト面で有利です。海外販売時の為替手数料なども考慮する必要があります。
(※1)Shopify https://www.shopify.com/jp/pricing
1-3.アプリ・テーマなどの追加コスト
Shopifyは「アプリで機能を追加する」設計がされており、基本機能に含まれていないツールは有料アプリで補完するケースが多くなります。
[よくある追加コスト項目]
有料テーマ→約27,000円〜52,500円($180〜$350)
マーケティング自動化アプリ→月額 約1,350円〜11,850円 ($9〜$79)
定期購入機能→月額 約2,250円〜7,350円 ($15〜$49)
翻訳・多言語対応→月額 約1,350円〜4,500円 ($9〜$30)
レビュー・口コミ表示→月額 約750円〜4,500円 ($5〜$30)
※1ドル150円計算した時の金額です
※アプリは無料から使えるものも多数ありますが、売上や集客を強化する機能は多くが有料です。
「ポイント」
必要なアプリが増えるほど実質的なランニングコストも上がるため、長期的な運用を見据えて選定しましょう。
あなたのEC成功を後押し!Shopify構築代行業者おすすめ16選についてはこちらの記事もぜひご覧ください!
2.比較対象サービスの概要と料金体系
Shopifyを検討している方の多くは、BASE、MakeShop、FutureShop、EC Forceといった国内の主要ECプラットフォームも比較対象にしているのではないでしょうか?
この章では、Shopifyとよく比較される4つの国産サービスについて、基本情報と料金体系をわかりやすく整理します。
導入判断の材料として、ぜひチェックしてみてください。
2-1. BASE
[サービス概要]
BASEは「誰でも簡単に無料でネットショップが作れる」ことを特徴とする。国内発のECプラットフォームです。主に個人・副業ユーザーや小規模ブランド向けに人気があります。
[料金体系(2025年5月時点)] (※2)
初期費用→無料
月額費用→無料
決済手数料→3.6% + 40円(BASEかんたん決済)
サービス利用料→売上の3%(注文ごとに加算)
「ポイント」
実質の総手数料は約6.6%〜7%程度とされ、固定費ゼロだが売れるごとに大きく引かれるモデルです。
(※2)BASE https://thebase.com/price/
2-2. EC Force
[サービス概要]
EC Forceは、D2Cやサブスクリプションビジネスに強みを持つ、高機能・高価格帯の国産ECプラットフォームです。大手D2Cブランドの利用が多く、マーケティング支援やCRM機能も充実しています。
[料金体系(ヒアリング必要)] (※3)
※参考情報です。
初期費用→約50〜100万円
月額費用→5万円〜10万円前後(規模に応じて変動)
決済手数料→決済代行会社との契約による(約3%前後)
その他→売上連動課金 or 導入支援費用あり
「ポイント」
詳細は要問い合わせ制ですが、月商100万円以上の成長企業向けに設計されています。
(※3) EC Force https://ec-force.com/product_plan
2-3. MakeShop
[サービス概要]
MakeShopはGMOメイクショップ株式会社が提供する老舗ECプラットフォームで、BtoCの中〜大規模ECサイト構築に強みがあります。HTMLカスタマイズも可能で、柔軟な運用ができます。
[料金体系] (※4)
プレミアムショッププラン月額料金→12,100円
初期費用→11,000円
決済手数料→(例) 3.14%(GMOイプシロン利用時)
※独自ドメイン、商品数無制限、メルマガ・SEO・アクセス解析機能など含む
「ポイント」
安定志向の法人や、自社でカスタマイズしたい事業者に人気です。
(※4) MakeShop https://www.makeshop.jp/main/plan/
2-4. FutureShop
[サービス概要]
FutureShopは、中〜大規模EC事業者に人気のクラウド型カートシステムです。デザインの自由度や、OMO(実店舗との連携)・会員ランク制度など、本格的なブランディングやCRM施策に対応しています。
[料金体系](※5)
FutureShop2 スタンダード月額費用→22,000円
初期費用→22,000円
決済手数料→決済会社により異なる(3〜4%程度)
オプション機能(定期購入、LINE連携など)を追加するごとに費用が加算される仕組みです。
「ポイント」
顧客との関係性を重視した運営や、店舗との連携を前提としたEC構築に最適。
(※5) FutureShop https://www.future-shop.jp/price/
あなたのEC成功を後押し!Shopify構築代行業者おすすめ16選についてはこちらの記事もぜひご覧ください!
3.Shopify vs 国産ECプラットフォーム
ECサイトのランニングコストは、「月額料金」や「決済手数料」など表面的な数字だけでは判断できません。サービスごとにコストの構造や機能の範囲が異なるため、トータルで見たときの実質コストが大切です。この章では実際にシュミレーションをして比較していきます。
3-1. 売上規模別:コストシミュレーション
以下に、実際の売上規模に応じた「手数料+月額費用」の総コスト概算をシミュレーション形式で示します。
[条件共通]
・クレジットカード決済100%と仮定
・各サービスの基本プランを使用
・Shopifyは「Shopify Payments」使用(取引手数料0%)
[月商30万円の場合(小規模スタート)]
実質コスト率は以下のようになります。
Shopify→約5.4%
BASE→約6.6%
EC Force→約21.3%
MakeShop→約7.2%
FutureShop→約10.8%
[月商100万円の場合(中規模)]
実質コスト率は以下のようになります。
Shopify→約4.0%
BASE→約6.6%
EC Force→約8.5%
MakeShop→約4.3%
FutureShop→約5.7%
[月商300万円の場合(成長期・本格展開)]
実質コスト率は以下のようになります。
Shopify→約3.6%
BASE→約6.6%
EC Force→約5.7%
MakeShop→約3.5%
FutureShop→約4.2%
3-2.シュミレーションからわかること
BASE
→初期費用ゼロで始めやすいが、売上が伸びると手数料が重くなる
Shopify
→月額こそ低めだが、売上が増えるほど手数料の安さが効いてくる
MakeShop・FutureShop
→中〜大規模に最適化されている
EC Force
→高機能だが、コスト的には売上規模が大きくなってから有利
4.こんな事業者にはこれ!おすすめプラットフォーム診断
「結局、自分のビジネスにはどのECプラットフォームが合っているのか?」
それは売上規模・予算・運営体制・販売スタイルなどによって大きく異なります。
ここでは、4つの代表的な事業者タイプに分けて、それぞれに合うおすすめプラットフォームを診断形式でご紹介します。
4-1.初期費用をかけたくない初心者
おすすめ:BASE または Shopify(ベーシック)
・BASEは完全無料で始められるため、EC初心者や副業レベルの個人に最適。
・売上が出始めると手数料が重くなるため、中長期的な視点ではShopifyベーシックの方が割安になるケースも。
・Shopifyは無料トライアルあり。開始時点で将来の拡張性も視野に入れるなら、より良い選択肢。
こんな方におすすめ↓
・最初は0円で始めたい
・商品点数が少なく、SNS集客をメインに考えている
・ITスキルに自信がないが、簡単に運営したい
4-2.自社ブランドを育てたいD2C
おすすめ:Shopify(スタンダード〜) または EC Force
・自社ブランドを展開し、ブランディングやUXにこだわりたいD2C事業者には、カスタマイズ性の高いShopifyが最適。
・EC ForceはD2C向けに特化しており、定期購入やステップメール、LTV向上の機能が標準搭載。
・Shopifyは、アプリによって定期購入機能やCRMも拡張可能。月額は低めだが、成長と共にアプリ課金が必要に。
こんな方におすすめ↓
・広告運用やSNSで集客し、リピーターを増やしたい
・カートUIやチェックアウトの細部までこだわりたい
・定期購入やクロスセルなどを強化したい
4-3.定期購入・CRMに強いカートを探している
おすすめ:EC Force または FutureShop(オプション追加)
・サブスク型EC(定期便)を軸にしたいなら、定期購入管理機能を標準装備しているEC Forceが圧倒的に有利。
・FutureShopはオプションで定期購入や会員ランク、LINE連携などを追加可能。
・Shopifyでも「Recharge」などのアプリで定期販売は可能だが、UIは英語中心でやや導入難易度が高い。
こんな方におすすめ↓
・健康食品・化粧品・日用品などの定期販売をしたい
・会員制、ランク制などで顧客管理を強化したい
・サブスクリプション事業を中核に据えている
4-4.海外展開・多言語対応が必要
おすすめ:Shopify(特にShopify Plus)
・Shopifyはもともと多言語・多通貨対応を前提に作られたグローバル対応ECプラットフォーム。
・アプリや拡張機能を使えば、海外配送、税制、現地通貨対応などもスムーズ。
・日本国内のプラットフォーム(BASEやMakeShopなど)は越境ECの機能に制限が多く、管理も煩雑。
こんな方におすすめ↓
・海外の顧客に向けて商品を販売したい
・英語、中国語などで商品ページを展開したい
5.Shopifyが割高に見えるのはなぜか?コストに潜む「価値」の考え方
Shopifyの料金体系を見ると、「月額制でアプリも有料、テーマも買い切り…」と、他の無料系サービス(BASEなど)に比べて割高に見えることがあります。しかし、実際には見えにくい部分の価値が多く含まれており、中長期で見るとコストパフォーマンスが高いケースも少なくありません。
この章では、Shopifyが「高く見える」理由と、それでも選ばれる背景にある本質的な価値を解説します。
5-1.月額が安くても手数料で損をするケース
BASEのような「無料プラン」は手軽だが、手数料が高い。BASEは月額0円で始められる代わりに、決済手数料+サービス利用料=約6.6〜7%の手数料が発生。月商が伸びるほど、「売れるたびに大きなコストが差し引かれる」構造になります。
[シミュレーション(月商30万円)]
Shopify(ベーシック)=月額5,850円 + 手数料10,200円 ≒ 16,050円
BASE =手数料のみで約19,800円
→ 月額が有料でも、手数料の差で実質コストはShopifyの方が安くなる場合がある。
「ポイント」
月額0円は魅力的に見えるが、売れるほど損する設計である場合も。中長期で見るなら、固定費があっても手数料が低いサービスの方がコスト効率が良い可能性がある。
5-2.拡張性・カスタマイズ性の“目に見えないコスト差
[Shopifyは「アプリ+テーマ」で拡張する設計]
必要な機能を自分の店舗に合わせて選んで追加できるのが特徴。
例)定期購入、予約販売、海外対応、クーポン管理、レコメンド、レビュー機能など
アプリの月額料金はかかるが、欲しい機能だけにコストを払える=無駄がない
[国産カートは「機能が最初から一括提供」の傾向]
MakeShopやFutureShopなどは、基本機能が豊富だが、全事業者にとっては使わない機能も含まれる。アップグレード・カスタマイズにはエンジニアや制作会社の支援が必要なケースも多い。
[Shopifyの価値はここにある]
・ノーコードで直感的にストアを編集できる
・世界中のECノウハウが詰まったアプリが利用可能
・デザインの自由度が高く、ブランドの世界観を再現しやすい
あなたのEC成功を後押し!Shopify構築代行業者おすすめ16選についてはこちらの記事もぜひご覧ください!
6.まとめ
Shopifyは、月額料金やアプリ費用があるため、一見すると「割高」な印象を持たれがちです。しかし、ランニングコストの構造や拡張性、成長に合わせた柔軟性を総合的に考慮すると、非常に高いコストパフォーマンスを発揮するECプラットフォームです。
この記事では、Shopifyを含む主要な国内ECサービスとの料金比較を通して、それぞれの強み・弱みを明らかにしました。
Shopifyは、世界中で利用されている柔軟で拡張性の高いECプラットフォームですが、
「どのプランを選べばいいのか?」「アプリは何を入れるべきか?」
など、不安を感じることも少なくありません。
そんなときは、Shopify構築支援の実績を持つraboにご相談ください。
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