デザインの刷新=バナーがキレイになるだけ、そんな常識を覆すのが、2025 夏リリースの Shopify Horizon。
新ブロック構造とAI生成がもたらす高速ページ制作に、販促直結の機能が連動し、「作る→売る→測る」を Shopify 本体だけで完結させます。
本記事では、Horizonがマーケティング施策にどう効くのか、Editions Summer ’25で追加されたマーケティング機能を丸ごと整理、ステージ別の使い分けロードマップなどを一気に解説。この記事を読み終えれば、追加アプリに頼らず売上を伸ばす具体手順と優先順位がクリアになります。
- 目次
- 1.Horizon × Marketing──デザイン刷新が販促をどう変えるか
- 2.マーケティング新機能一覧
- - 2-1.チェックアウト直前の転換率向上機能
- - 2-2.高度なセグメンテーションの新境地
- - 2-3.AI が後押しするリーチ拡大
- - 2-4.メール&オートメーション刷新
- 3.マーケティング フェーズ別 活用ロードマップ
- - 3-1.立ち上げ期(月商〜300万円)
- - 3-2.成長期(年商1億円前後)
- - 3-3.拡大型(年商数十億円)
- 4.マーケティング戦略的ヒント:機能を仕組みに落とす5つのコツ
- - 4-1.割引関数を活かした階層的キャンペーン設計
- - 4-2.セグメントを静的ID化してBI連携を簡単に
- - 4-3.メール送信中キャンセル+A/Bで事故ゼロ運用
- - 4-4.Sidekick提案→Flow自動化のワークフロー例
- - 4-5.CollabsモバイルをKPI報酬と紐づけてUGC量産
- 5.まとめ
1.Horizon × Marketing──デザイン刷新が販促をどう変えるか
2025 夏のHorizonは、従来の「テーマ=固定レイアウト」から「ブロックを好きに組み替え、AI で即生成」へと Shopify ストアの構築体験を一新しました。
「ヒーローバナー・レビュー・クロスセルなどのセクションを階層構造でドラッグ&ドロップ。HTML や Liquid を触らずにランディングページ級の構成が数分で完成。」
「AIブロック/テーマ生成を使えば「ブランドカラーは深緑、ナチュラルで温かい雰囲気」と打つだけで、配色・フォント・画像を含むページが自動で下書きされ、編集は上書き修正だけ。」
「新しいテーマエディタはホバープレビュー・ブロック検索・右クリックコピーなど UI が刷新され、運用担当者でも10 分で告知ページを公開できる俊敏さを実現。」
このデザイン基盤の進化がマーケティングに与える具体的インパクトは大きく3つあります。
1.CVR 直結の体験改善
Horizonテーマはモバイル初速を最適化し、遅延ロードによってファーストビュー2秒未満を標準化。速度はSEOと直結し、広告流入の離脱も抑制可能です。
2.販促オペレーションの省力化
エディタ強化で「新商品のローンチ LP」「季節セール LP」をノーコードで量産。加えてカート画面にディスカウント入力欄を追加できる新UIにより、クーポン導線が 1 クリック分短縮され、転換率向上が見込めます。
3.AI×データで試して学ぶ高速ループ
Sidekickがページ分析をもとにセクション配置や画像生成を提案し、公開後はShopifyQLでセグメント別成果を即確認。
つまり 「作る→試す→数字を見る→改善」 を Shopify 本体だけで回せるため、マーケ担当者は施策のサイクルを劇的に短縮できます。
Horizon は見た目を整えるテーマではなく、売上につなげるマーケティング基盤へと進化しました。デザイン刷新=クリエイティブ強化にとどまらず、スピード・CVR・AI 活用 の三位一体で販促施策そのものを加速させる。それが Horizon × Marketing の核心です。
Shopify構築完全ガイド|スキル・準備・設定方法を徹底解説!についてはこちらの記事もぜひご覧ください!
2.マーケティング新機能一覧
この章では今回のアップデートで発表されたマーケティングに関わる新機能を紹介していきます。
2-1.チェックアウト直前の転換率向上機能
[新機能①]
カートでのクーポン入力欄
➡︎Horizon テーマでは、決済前のカート画面に直接「割引コード入力」ブロックを配置可能。
➡︎クーポン導線を1ステップ短縮し、離脱を防止。早期導入ストアでは CVR+1.2〜1.8pt の速報も。
[新機能②]
One Discount for Multiple Savings
➡︎ひとつのクーポンまたは自動割引で「商品の値引き+送料無料」など複数条件を同時適用。
➡︎「送料無料クーポンと10%OFFを2回入力」の煩わしさを解消し、平均注文額アップ。
「ポイント」
どちらも Horizon を有効化すれば追加アプリなしで利用可能。セール期に「コード+送料無料」をまとめるだけで、クーポン入力率・客単価を同時に伸ばせる。
2-2.高度なセグメンテーションの新境地
[新機能①]
ShopifyQL Segment 2.0
➡︎キーボードショートカット・日付フィルター・列の可視化など編集UIを刷新。
➡︎購入 90 日以内&メルマガ登録済みなど複合条件をノーコードで高速作成。
[新機能②]
テンプレート & アドレスセグメント
➡︎「休眠客呼び戻し」「VIP」ほか即利用テンプレと、住所入力だけで作れる地理セグメントを追加。
➡︎イベント会場から 2 km 圏内だけに SMS といったパワフルな地域ターゲティングが標準機能に。
「ポイント」
作ったセグメントはIDが固定化されるため、広告連携やBIツール側でも再利用しやすい。
2-3.AI が後押しするリーチ拡大
[新機能①]
Knowledge Base App for AI Shopping
➡︎ストアのポリシーやFAQからAI向け回答ファイルを自動生成、カスタマイズも可能。
➡︎ChatGPTなど外部AIが自社商品の情報を誤回答するリスクを低減し、AI経由トラフィックを取りこぼさない。
[新機能②]
Sidekick 2.0
➡︎20 言語+音声入力対応。施策提案→セクション配置→画像生成まで対話で完結。
➡︎「リピート率を上げたい」と話しかけるだけで、A/B テストやメール案を自動生成。
[新機能③]
Collabs モバイルアプリ
➡︎クリエイター側が売上・報酬をスマホで確認しやすく。
➡︎影響力のあるパートナーを獲得しやすくなり、UGC量産と成果報酬管理を省力化。
2-4.メール&オートメーション刷新
[新機能①]
テンプレート検索&フィルター
➡︎目的別・イベント別に絞り込み、クリック2回で下書き生成。
➡︎新人でも即・季節メールが送れる。
[新機能②]
送信中キャンセル
➡︎メール配信をスタート後でも停止→修正→再送が可能。
[新機能③]
フッターデザイン自由化
➡︎余白・カラー・リンク配置をコード不要で調整。
➡︎無料プランでもブランドらしいメルマガが完成。
[新機能④]
Campaigns ダッシュボード
➡︎UTM 付きリンク・QR・SNSシェアを一元管理し、チャネル横断 ROAS を可視化。
➡︎何が売上を作ったか” を管理画面だけで証明でき、広告費最適化が容易。
Shopify構築完全ガイド|スキル・準備・設定方法を徹底解説!についてはこちらの記事もぜひご覧ください!
3.マーケティング フェーズ別 活用ロードマップ
マーケティング施策は今の売上規模に合わせてレバーを変えることでコスパが一気に跳ね上がります。本章では、Shopify Summer ’25 Horizon がもたらした最新機能を各フェーズごとに紹介していきます。
3-1.立ち上げ期(月商〜300万円)
「まず買ってもらう体験を作り、リピーターのタネをまく」
[Horizon テーマ+AI ブロック生成]
➡︎お店の見た目を1日で整える(テンプレートを選んで画像や色を入れるだけ。コーディング不要。)
[高速チェックアウト]
➡︎カゴ落ちを減らす(チェックアウト画面が最短2秒速くなる+クーポンを1か所入力でOK。)
[Flow の無料テンプレ]
➡︎「買い忘れメール」を自動で送る(商品を入れたまま帰った人に、数時間後にリマインドメール。)
[Sidekick]
➡︎お店の診断をAIに頼む(「今週どこからお客さんが来た?」と Sidekick に聞くとグラフで回答。)
3-2.成長期(年商1億円前後)
「リピーターを増やし、広告費をムダなく使う。」
[AIセグメント]
➡︎お得意様リストを自動作成(クリックだけで「直近90日で1万円以上買った人」のようなリストを作れる。)
[リーチ拡大エージェント+Sidekick]
➡︎広告のリーチ拡大をおまかせ(商品情報を外部ショッピングアプリへ自動配信。Sidekick が効果の低い広告を止める提案も。)
[新メールオートメーション]
➡︎メール & SMS をステップ配信(「初回購入→7日後レビュー依頼→30日後おすすめ商品」という流れをドラッグ&ドロップで作成。)
[Horizon レポートウィジェット]
➡︎売上ダッシュボードで健康チェック(ダッシュボードでCACやLTVを確認。悪化するとアラート。)
3-3.拡大型(年商数十億円)
「海外展開と業務自動化で利益を守りながら伸ばす。」
[マルチエンティティ管理]
➡︎海外ストア運営を1画面で(国ごとの通貨・税率・在庫を自動切替。)
[割引関数]
➡︎段階割引キャンペーン(「3個で5%OFF、5個で10%OFF」を GUI で設定。利益率を守る。)
[Sidekick × Flow 連携]
➡︎在庫・価格を自動テコ入れ(売上や在庫がしきい値を下回ると、Sidekick が Flow を起動して値下げ・補充を実行。)
[Collabs モバイル]
➡︎UGC を量産して信頼獲得(Collabs アプリでインフルエンサーに成果報酬を設定し、商品体験動画を増やす。)
[静的IDセグメント+BI コネクタ]
➡︎経営数字を一望 (各国ストアの売上・粗利を BI ダッシュボードにリアルタイム連携。)
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4.マーケティング戦略的ヒント:機能を仕組みに落とす5つのコツ
便利な新機能も、「どこで・どう組み込むか」が決まらなければ宝の持ち腐れです。ここでは Horizon Summer ’25 のツール群を 毎日の運用に落とし込む5つのコツを紹介します。どれも設定は10分〜30分程度。仕組みにしてしまえば、売上が2倍になっても3倍になっても、同じ手間で回り続けます。
4-1.割引関数を活かした階層的キャンペーン設計
「狙い: 値引き幅を細かくコントロールしながら客単価を引き上げる。」
1.段階を決める
例)3個購入→5 %OFF / 5個→10 %OFF / 10個→15 %OFF
2.割引関数を設定
管理画面 → 「ディスカウント」→ 「数量割引」→ 割引関数を選択。
3.バナーで「次の段」を見せる
カートに2個入れたら「あと1個で5 %OFF!」を自動表示。
ポイント:割引率を商品 A=最大10 %、商品 B=最大5 % など商品別に変えられるため、粗利管理が楽になります。
4-2.セグメントを静的ID化してBI連携を簡単に
「狙い: Shopify 内の顧客グループを外部ダッシュボードと “同じ名前” で追えるようにする。」
1.AIセグメントで母集団を作成
例)「直近90日・購入額1万円以上」。
2.静的IDを付与
「セグメントID:vip_90d_10k」など一意の名前に固定。
3.BIコネクタで送信
Data → Connections → BigQuery などと紐付け、IDごとに売上推移を可視化。
ポイント:後で条件を変えても ID はそのまま なのでレポートが壊れません。
4-3.メール送信中キャンセル+A/Bで事故ゼロ運用
「狙い: 誤配信・スパム判定・クリック率悪化を事前に食い止める。」
1.A/B を前提に送信予約
件名・本文を2パターン用意。
2.リアルタイム計測をオン
送信後15分で開封・クリック率をチェック。
3.自動キャンセルを設定
劣勢パターンが●●%を下回ったら残り送信を止めるルールを有効化。
ポイント:誤字やリンク切れに気付いた場合も「キャンセル→修正→再送」がワンクリックで済みます。
4-4.Sidekick提案→Flow自動化のワークフロー例
「狙い:数字が落ちたら自動で対処を作り、人為的な見落としゼロに。」
・7日移動平均CVR -20 %
「CVR下落を検知しました」 ①最安値競合をAPI取得 ②価格を▲5 %自動調整 即座にCVR回復
・在庫30点以下
「在庫が少なくなっています」 サプライヤーに PO (発注書)メール 欠品を防止
・広告ROAS < 1.5
「効果の低い広告があります」 キャンペーン停止+別クリエイティブのテスト開始 広告費ムダ打ち防止
4-5.CollabsモバイルをKPI報酬と紐づけてUGC量産
「狙い: インフルエンサーの投稿を “成果報酬型” にして、広告代わりの UGC を増やす。」
1.KPI を決める
投稿数・クリック数・売上など。
2.Collabs でオファー作成
例)「売上の10 %を報酬、追加で1投稿300円」。
3.自動承認と支払い
Stripe 連携で月末に自動振込。
ポイント:コミッション率を動的に変えれば、繁忙期に投稿ボリュームを加速させるターボとして機能します。
Shopify構築完全ガイド|スキル・準備・設定方法を徹底解説!についてはこちらの記事もぜひご覧ください!
5.まとめ
Horizon Summer ’25 で追加された新機能は、少人数でも売上を伸ばせるしくみを用意しています。
まずは管理画面で未設定の機能を確認し、現在の売上フェーズ(立ち上げ・成長・拡大)に合わせて優先度を決定。割引関数やカゴ落ちメールなどすぐ数字に効くものから一つ導入し、成果が見えたら Flow で自動化して次の施策に時間を回しましょう。
ポイントは「小さく試し、効果が出たら仕組みに固定する」の循環。これを繰り返せば、機能追加のたびに運用コストを増やすことなく、売上と利益だけを積み上げられます。
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