AppStore 審査基準とは?対策方法をご紹介

AppStoreでは審査に通らないと、アプリを掲載することができません。この審査がくせものであり、Google Playよりも基準が厳しいと評判のAppStoreでは、審査基準を細かく確認してアプリへ反映させる必要があります。

またリジェクトされた際も原因を早く特定することで、アプリリリースが想定よりも遅れてしまうリスクを避けられるでしょう。今回はAppStoreで審査を受ける方法や基準、リジェクトされた場合の対応方法などをご紹介していきます。

※ASO対策の注意点を知りたい方はこちらから

1.AppStoreで審査を受ける方法とは?

まずはAppStoreで審査を受ける際の準備方法を、簡単に説明していきます。

1.Apple Developer Programへ登録する

まずは開発者向けのiOSアプリ管理サービス、「Apple Developer Program」へ登録します。登録に関しては初期費用と年額費用が発生するので注意しましょう。

  1. Apple Developer Programで登録ボタンを押す
  2. Apple IDでログインして規約を確認
  3. 氏名・電話番号など基本情報を入力
  4. メンバーシップを購入する

といった手順で登録を完了させられます。

2.Certificateを作成する

次に開発元である証明をアプリ内で行うための、「Certificate」を作成していきます。

  1. MacPCで証明書をリクエストする
  2. メールアドレスといった証明情報を入力
  3. 保存してアカウントの証明書を完成させる
  4. Apple Developer Programで「Certificate, Identifiers & Profiles」のページを開く
  5. アカウント証明書をアップロードする
  6. Apple Developmentの証明書を手元にダウンロードする

まずアカウント証明書を作って認証できるようにした後、Certificateを発行するのがポイントです。

3.Apple IDを作成・発行する

次に識別子情報として、「Apple ID」を作成していきます。

  1. 「Certificate, Identifiers & Profiles」で「Identifiers」を選択
  2. App IDsを選んで「Continue」を押す
  3. 「Description」と「Bundle ID」を入力する
  4. 「Register」を押して作成を終わらせる

Certificateの発行と比較すると手順がシンプルで分かりやすいです。

4.Provisioning Profileを作成する

次にCertificateとApple IDを使いながら、「Provisioning Profile」と呼ばれる開発元情報を記載したファイルを作成していきます。開発用・配布用で2種類が存在しています。

  1. 「Certificate, Identifiers & Profiles」で「Profiles」を選ぶ
  2. 開発用では「Development」の「iOS App Development」、製品用では「Distribution」の「App Store」またはテストする場合「Ad Hoc」をそれぞれ選択
  3. App IDを選択する
  4. Certificateを選んで「Continue」を押す
  5. 「Generate」を押せば完了

5.App Store Connectへ情報を入力する

最後に審査情報を登録するため、「App Store Connect」のページを開きます。

  1. デベロッパーアカウントでApp Store Connectページへ入る
  2. 「マイApp」でアプリ情報を入力
  3. 審査情報を入力
  4. 審査へ提出して結果を待つ

「審査待ち」→「審査中」→「審査終了」となればリリースが実施されます。

2.AppStoreでの審査基準とは?1つ1つご紹介します

ここからはAppStoreの公式情報を基に、審査基準の概要をご紹介していきます。

安全性

安全性とは

  • ユーザーが不快に思う、あるいは見せるのに適切でないコンテンツを掲載しない
  • デバイスが破損するといった物理的被害が発生しないようにする

ということです。

たとえばSNSアプリでは、ブロックや不適切コンテンツの報告機能などを搭載しないと規約違反になります。ちなみにリリース後もコンテンツを提供しているうちに、ユーザー操作によってアプリが不適切な内容へ変わってしまうリスクがあるので注意しておきましょう。

パフォーマンス

AppStoreではアプリが最新版であり、完全な機能を備えている状態かどうかをパフォーマンス性として評価します。

  • 未完成のページやバグを残している
  • URLが機能していない

といったケースでは審査がリジェクトされます。リジェクト原因として多い要因の1つなので、じっくりチェックする必要があるでしょう。

また、プライバシー情報といったメタデータも正確に伝えないとリジェクトされるので注意しておいてください。

ビジネスモデル

アプリで利益を得るビジネスモデルについても、料金体系や購入方法などを明確に説明する必要があります。

  • アプリ内課金
  • サブスクリプション契約
  • アプリでの広告

といった要素で収益を得るモデルを搭載している場合は、仕組み・課金の詳しい体系などを分かりやすくアプリ内で説明しておきましょう。高額な金額設定もNGです。

デザイン

  • 画像の見た目
  • フォントのサイズ
  • その他機能性

といった観点で、デザインもチェックされます。

  • 画像が分かりにくい
  • フォントサイズが小さい
  • 機能が呼び出しにくい

といった点がアプリに存在していると、審査に通らない可能性が高くなりますし使ってもらえないアプリとなるリスクもあります。開発段階でしっかりレイアウト等を作り込んでおきましょう。

法的事項

日本だけではなく複数の国へのアプリ提供を考えている場合は、より注意して法的事項を確認する必要があります。プライバシー保護を重要視しているAppleですから、情報を適切に管理して利用しないとリジェクト要因となる点には注意してみてください。

データを指定の目的以外では使わないといったルールがあるので、事前に確認して法律面で問題のないアプリを提供してみましょう。

3.もしAppStoreで審査をリジェクトされた場合は?対応する際のポイント

AppStoreでもし審査をリジェクトされた場合は、次の点を確認してみてください。

よくあるリジェクト要因を調査する

まずはよくあるリジェクト要因とその対策方法を理解しておきましょう。

  • デバイスによってはアプリが動作しない→なるべく複数環境で検証してバグをなくす
  • ページのリンクが切れている→逐一リンク内容が正しいかどうかチェックする

といった要因・対策方法を知っておくことで、スムーズなアプリアップデートにもつなげることができます。

新しい審査基準が増えていないか確認する

AppStoreでは新しい審査基準が増えることがあります。以前の基準では問題なくても審査基準が追加されたことで、リジェクトされる可能性もあるでしょう。

たとえば6月30日以降、「アカウント作成できるアプリでは、必ず退会機能を設置して情報を削除する機能を提供する必要がある」ことが明言されました。参照先もある場合は、それも削除できるように仕様を変更する必要があるので注意しましょう。制作を楽にするためにアプリプラットフォームを使っている場合はアカウントの管理方法を事前に確認して、消し方の手順を事前に確認しておくと安心です。

4.まとめ

今回はAppStoreの審査基準やリジェクトへの対応方法をご紹介してきました。

AppStoreで審査を受けるには、まず手順に沿ってアプリを手続きへ掛ける必要があります。また審査中にリジェクトを受けた場合は、よくある要因や新しい基準などを確認してスムーズに対応できるようにするとよいでしょう。

AppStoreでのリリースが遅れないように、なるべく一発で審査へ通過する準備をしておくことも重要です。