ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いについて!アプリ開発するなら絶対知るべき比較!

システム開発のフレームワーク?

ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いについて!アプリ開発するなら絶対知るべき比較!アプリを開発する上で、どんな設計フレームワークを用いるか決めるのはポイントです。アプリを始めとするシステム開発には

・ウォーターフォール開発
・アジャイル開発

という2大主流フレームワークがあり、それぞれに異なるメリットがあります。アプリ開発に携わっている場合は2つの違いをよく理解し、適した開発手法でアプリを組み立てていくのが重要です。今回はアプリ開発関係者向けに、ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いを分かりやすく解説していきます。

ウォーターフォール開発とは

1.ウォーターフォール開発とは?

ウォーターフォール開発とは、半世紀前ごろから原型のある古い手法です。ウォーターフォールとは英語にすると「waterfall」であり、「滝」を意味します。滝では重力に沿って、上から下に水が落ちていきます。つまり水しぶきなどを除けばあられもない方向に行くことはなく、一方向に流れ続けます。

ウォーターフォール開発も滝のように、上から下に工程を進めていきます。あらかじめ決まった方向に開発が進んでいくので、変な方向に工程が行ってしまう可能性もありません。

ウォーターフォールはその性質から、

・最初に決めた設定から変更が考えられないシステム
・長期間に及ぶ大規模なシステム制作

といったシステム開発によく用いられます。

ウォーターフォール開発は変更が考えられない長期間に及ぶ大規模な開発

2.ウォーターフォール開発の特徴やメリットとは?

ウォーターフォール開発の特徴やメリットは、次の通りです。

・決まった計画通りに製品を作成可能
・製品が安定しやすい
・進捗管理がしやすい

決まった計画通りに製品を作成可能

ウォーターフォールでは、開発工程を次のように分けて考えます。

1.要求定義・・・システム設計や必要リソース量、開発期間などの概要を考える
2.外部設計・・・デザインなどの設計基本を整える
3.内部設計・・・どういったプログラミング言語を使うかなどの詳細設計を考える
4.開発・・・実際にプログラミングを行い、システムを開発していく
5.テスト・・・予定通りにアプリが動くか、バグがないかなどをチェックする
6.運用・・・実際にシステムを納品し、運用を行う

基本的には1→6と、上記でつけた順番でシステム開発が続きます。また別に新しい製品を作る際は、1→6をそのたびに繰り返します。

決まった計画、そして工程通りに製品を作っていくので、コストスケールやリソース量など開発に必要な要素がずれることはありません。ですから当初の予定に合わせて、しっかりシステムを作成できます。

製品が安定しやすい

ウォーターフォールでは開発前にどんなデザインにするか、そしてどんな機能を実装するか、などの細かい内容が決まっています。ですから決まった通りに、システムを開発できます。

開発期間も最初から決まっているため、開発陣はしっかり集中してアプリ開発を進められます。結果的に製品の品質もその場その場で左右されず、計画に沿ったものを確実に制作できます。

進捗管理がしやすい

ウォーターフォールでは、基本あらかじめ決められた以外の工程は発生しません。つまりどの工程でどんなものができるかが分かっているので、可視化しやすいのが特徴です。各工程進捗をしっかり管理しながらシステム開発ができるので、気づかないうちに余計なトラブルが発生した、という可能性も減ります。

ウォーターフォール開発は、特に後で機能を追加するケースも考えられない買い切りのソフトウェアなどが一般的だった昔では当たり前のように使われていた手法でした。

ウォーターフォール開発のメリットとは

3.アジャイル開発とは?

これまでウォーターフォール開発のメリットなどを解説してきましたが、ウォーターフォール開発は決められたとおりに開発する分柔軟性に欠けているのが難点です。

たとえば開発中に新しい機能を追加したいという要求がクライアントから合った場合、すぐには対応できません。最初の要求定義から戻って、開発に齟齬が出ないように調整する必要が出てきます。しかし変更があるたびにステップを前に戻していては余計な時間が掛かりますし、コストもかさみます。

現代では、システム開発における先行きが不透明になりました。たとえば各ベンダーから新技術がどんどん提供されるので、急にシステム開発に使いたくなる可能性もあるでしょう。そのような状況でウォーターフォール開発を行っていると、どうしてもベストな状態でシステム開発ができない場面も増えてきました。

また

・ネイティブアプリ
・サブスクリプションネットサービス

と言ったシステムは、絶えず変化を求められます。ですからユーザーの反応に合わせてその都度バージョンアップをしないと、使いにくさが目立ち大きな顧客損失にもつながってしまいます。そこで登場したのが、「アジャイル開発」です。「アジャイル」とは「機敏」を指し、その名の通りウォーターフォール開発よりも開発プロセスがスピーディーなのが特徴です。そして仕様変更などにも柔軟に対応できます。

アジャイル開発とは

4.アジャイル開発の特徴やメリットとは?

アジャイル開発の特徴やメリットは、次の通りです。

スピーディーにプロダクトを作成できる

アジャイル開発では、次のようにシステムを開発していきます。

1.システムの概要を定義する
2.機能ごとに開発工程を分ける
3.短い期間でテスト、運用などを繰り返す

システムの概要を定義するのは同じですが、変更があるのを念頭に置いているので細かい部分までは決めません。その後実装したい機能ごとに、開発工程を分けていきます。工程を分けたら次は「イテレーション」と呼ばれる短い開発プロセスの中で、設計からテスト、運用を繰り返していきます。イテレーションの期間自体に細かい決まりはありませんが、早ければ一週間程度でアプリができ上がることもあります。

このようにアジャイル開発ではとりあえず機能を作ってリリースを繰り返すので、開発期間自体がウォーターフォール開発よりかなり短くなるのがメリットです。

仕様変更などに対して高い柔軟性を持つ

アジャイル開発は、ウォーターフォールのように工程を細かく縛って決めたとおりに開発する、といった手法ではありません。ですから、極めて柔軟性が高い手法と言えます。たとえば急に新機能Aをアプリに実装しなくてはならない場合は、新しく開発プロジェクトを設けチームを決定し、その中で別途新機能を開発できます。ですから現状作っているアプリを無駄にせずに、その都度機能を追加できます。

また急にリソースが必要になったときも、その都度新しく開発陣を追加したりして臨機応変に開発が可能です。不透明な状況でシステム開発しなければならない場合は、柔軟性が担保されていないと致命的トラブルが起こりかねません。アジャイル開発を用いれば、万が一のときにも名前の通り機敏に対応可能です。

テストなどを繰り返して品質改善が可能

現在のシステム開発では、どれだけリアルタイムでユーザーの声を聞いて機能に反映させるかも重要になっています。しかしウォーターフォール開発だと最初からどういう機能が実装されるか決まっているので、新しいユーザーの声をシステムに反映できないのがネックでした。

アジャイル開発では、短い期間で開発とリリースを繰り返せます。これにより

・B版としてアプリをリリース→コメントなどで意見を聞いてどんな機能が必要かデータ収集する→必要だと思われる機能を再定義して新しく開発する→またアプリをリリースする

といった循環が可能です。

このようにユーザーの声をリアルに収集し本当に必要な機能だけを実装してアプリを提供できるというのは、アジャイル開発の大きなメリットとなります。

アジャイル開発のデメリット

まず細かく決めていないとはいえ方向性をしっかり確認しながら作業しないと、的外れな方向に開発が進んでしまう場合もあります。またコストスケールが分からず、最終的にはクライアントに提示した予算を大幅に上回ってしまった、というトラブルが発生する可能性もあります。

機能がシンプルで機能をわざわざ追加する必要までもないアプリ開発などでは、むしろウォーターフォール開発のほうが適している可能性があります。このようにウォーターフォール開発とアジャイル開発を使い分けながら、アプリなどのシステムを開発していけるかがポイントです。

アジャイル開発にはどのようなメリットがあるのか

5.まとめ

今回はウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いなどを、分かりやすく解説してきました。ウォーターフォール開発もアジャイル開発にも、それぞれメリット、デメリットがあります。アプリ開発に限って言えばアジャイル開発が多く使われますが、ウォーターフォール開発が適している場面もあります。

システム開発の際はウォーターフォール開発とアジャイル開発を比較し、上手く使い分けて開発を行っていきましょう。