WEBサイトか、、アプリか、、
スマートフォンの普及とともにWebブラウザでネットサイトを閲覧する回数が爆発的に増えました。そのいっぽう、タブレット端末の普及も進み、今度はアプリの開発やダウンロードも増えています。
でも、Webサイトとアプリって、どう違うの?と漠然と感じている方も少なくありません。ネット上のビジネスチャンスを活かすため、力を入れるのはWebサイトか、アプリ作りか…。
今回は、ビジネスに活かせるWebサイトとアプリの違いについて、わかりやすく紹介していきます。
1.アプリとWebサイトの違いとは?
Webサイトは、インターネットブラウザで閲覧できる情報サイト
GoogleやYahoo!のキーワード検索によって客を集め、商品やサービスを紹介するのがWebサイトの仕組みと役割です。Webサイトの内容はSNSなどを通じてユーザー間に拡散され、広いターゲットに新規の顧客獲得が見込める点も大きな特徴です。
アプリは、端末ごとにダウンロードが必要な単独のソフト
Webブラウザ上で表示されるサイトと異なり、通信量を抑えてユーザーに快適な速度の情報提供が行えます。ユーザーの訪問・購入情報を元にニーズや売れ行きをビッグデータ等で分析し、新たなビジネス戦略を打ちやすいことも、近年アプリ普及が急速に伸びた理由でもあります。
このように、似たような性格を持ちつつ、大きな違いもあるWebサイトとアプリ。
次に、それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。
2.アプリのメリットやデメリットとは?
アプリとは、アプリケーション(application)の略です。「応用」という意味ですが、これはもともとコンピュータの応用という意味で、コンピュータ上で動くソフトの総称として使われています。
アプリの場合、パソコンやスマホ、タブレットなどの各端末にインストールして使用します。アマゾンや楽天といった買い物のためのEC専用アプリや、コンビニやファーストフードのクーポンなどをダウンロードできる割引アプリなど、用途や目的、客層によって各企業が個別に運用しているアプリがほとんどです。
メリット
・速い
速い端末にダウンロードして利用するので、常時接続が必要なWebサイトと異なり、通信量が少なくて済み、速度も速いのが大きなメリットのひとつです。またアプリを動かしても、通信を伴わなくてよい部分はサクサクと動かすことができるので、ユーザーの体感的な速さはWebサイト閲覧より確実に速い印象を与えるでしょう。
・ホームボタンでユーザーと直結
アプリの場合、ダウンロード後はデスクトップ上のホーム画面にアイコンとして表示されるので、Webブラウザを介した接続よりも感覚的に速くユーザーとつながることができます。ホーム画面からダイレクトにサービスを見るユーザーが増え、Webサイトに比べリピーターが増えるというデータもあります。
・新たなニーズを生み出すビックデータ活用
アプリを使う個々のユーザーの嗜好やニーズ、クリックしたアイテムの種類やトータルの接続時間など、Webサイトのみではなかなか分析できなかった情報を得ることができます。新たな商品戦略やサービス開発にも活かせるビッグデータ等の蓄積が見込めることが最大のメリットです。
デメリット
・コストが高い
WebサイトがHTMLなどの汎用データを使って制作するのに対し、アプリはソフトをまるまる1本作るのと同じです。開発費用は数百万円から数千万円になります。特にビッグデータ活用を考えた場合、ユーザーデータの収集や分析に大きなランニングコストがかかり、アプリを作って「はい終わり」という具合にはいきません。
・インストールの敷居が高い
アプリはユーザーの端末にインストールしてもらうことが大前提ですが、このアプリインストールに最も大きな障壁がそびえていると言っても過言ではありません。アプリのインストールは「面倒くさい」のです。
大手ネットメディアが行ったアンケートでは、スマホユーザーの65%が「アプリのインストールが面倒」という回答をしています。「数十MBもの容量を食うアプリをいくつも入れたくない」「ホーム画面に無駄なアイコンを増やしたくない」など、アプリ利用時の利便性にネガティブな意見がそろっていました。
また信じられないことですが、アプリストアを通じずに流布され、ほんの1クリックでユーザーの同意なしに強制インストールされるような悪質アプリも増えており、アプリインストールに警戒心を強めるユーザーは決して少数ではありません。
・SNS等の拡散力が低い
またアプリは個人と運営企業の縦方向のつながりを強化する半面、ユーザー間の横方向の広がりとつながりを促すことが不得手なツールです。Twitterやフェイスブック等のSNSアプリはユーザー間の横方向の広がり・つながりを目的にしていますが、例えばコンビニや通販などの買い物アプリはユーザー間で情報を共有する目的に向かず、拡散力が控えめです。
続いてWebサイトのメリットとデメリットを見ていきましょう。
3.Webサイトのメリットやデメリットとは?
Webサイトの「Web」は、クモの巣という意味です。インターネット情報網のWorld Wide Web のことで、あらゆる方向に、あらゆる場所に、情報網がつながっているイメージから、この名前がついたと言われています。
Webサイトはインターネット上の閲覧ページ提供サービスのことでさまざまな情報をユーザーに提供することができます。現在ではGoogleやYahoo!といった検索サービスを通じて、キーワード検索をしたユーザーが目的のWebサイトを見つけることが簡単にできるように進歩しました。
メリット
・開発費用・維持費が抑えられる
WebサイトはHTMLなど、汎用データを元に構築できるサービスです。作成の手間はアプリの新規開発に比べはるかに簡単で、費用もかなり安く抑えることができます。また維持費もドメイン代とサーバ代、管理者業務代など、アプリ運用時に比べて、はるかに安価に済みます。
・ネット検索・SNSで情報拡散が見込める
かつてインターネットがなかった時代、人々はテレビや新聞の広告や、身近な人からの口コミの評判で新商品や人気アイテムを知りました。ですが今はSNSです。有名モデルがTwitterで「シャンプーを新しくしたよ!」とつぶやけば、その商品が爆発的に売れたりします。
また有名人のつぶやきではなくても、本当にいい商品を広めたい人々の熱意やユーモアあふれるつぶやきが、思わぬ効果を挙げて大ヒットにつながっているケースもあるのがSNS時代のマーケティングの特徴です。
Webサイトの場合、こうしたSNS拡散を見込めるのが大きなメリットです。
・情報更新が迅速に可能
アプリの場合、最新情報をアップロードしようとしても、新しいボタンの構築とページ追加だのなんだのかんだのと手間が尋常ではありません。しかしWebサイトの場合、お知らせページにリンクを誘導して、はい終わり、です。情報の更新速度で言うなら、アプリよりWebサイトのほうが圧倒的に速いです。
また、SNS等を併用して情報拡散を行えば、最新情報のWebサイト誘導も簡単にできるようになりました。アプリの場合、新情報はスマホの「お知らせ機能」を通じて行うことが多く、これもまたスマホアプリを面倒に思うユーザーの嫌悪感をより一層強めてしまう結果にもなりかねません。
では次にデメリットを見てみましょう。
デメリット
・ビッグデータ時代のユーザー情報が十分に得にくい
Webサイトの場合、「どのサイトから来たか」「どのページが多く見られたか」などのユーザー利用情報を得ることができますが、複数の角度からユーザー情報を入手できるアプリに比べ、新たなビジネス展開に必要な情報の量には圧倒的に少ないのが実情です。特に昨今のビッグデータ分析などに必要な細かな情報は、Webサイト運営のみでは得られないでしょう。
・ディープユーザーの獲得が難しい
アプリの場合、ページ閲覧数は3倍~4.7倍というデータがあります。Webサイトを通じた販売よりも、アプリを通じた販売のほうが上回ると回答する企業も多く、アプリを利用したユーザーに比べ、Webサイトを閲覧したユーザーは、ページを閉じるのも速いようです。
・通信料がかさむ
家庭のような常時接続の環境で見るならWebサイトのほうがいいかもしれませんが、外出先やスマホの電池残量を気にしながら情報検索をする場合、どうしても通信量の少なくて済むアプリのほうに軍配があがります。速度もアプリのほうが速く、Webサイトは通信環境や端末の性能に依存する部分が多く、速度はどうしてもアプリにかないません。
4.まとめ
いかがでしたか。アプリとWebサイトのメリットとデメリットを紹介し、費用や維持コストなど、運用側の都合も考えるべき点などを比較してみました。
アプリとWebサイト、両方ともやればいいじゃん、と思われるかもしれませんが、提供するサービスの内容によって、向き不向きは確実にあります。費用、通信速度、サービスの質など、さまざまな側面から、アプリ向けのサービスとWebサイト向けのサービスをうまく分けて、時には連携させて運用していくのが最善手です。
アプリとWebサイト、それぞれの特徴を活かし、新たな顧客獲得を目指していきましょう。