Apple Search Ads(ASA)は、App Store上に広告を出して訴求ができる優秀な広告サービスです。日本国内では「iPhone」「iPad」といったAppleデバイスを所持したユーザーが多いので、自社のアプリを訴求して認知やインストールなどを獲得するのに最適になっています。
今回はApple Search Adsを成功させるコツが知りたい方向けに、成功事例を挟みながら、そこから見えてくる運用における成功のポイントを解説していきます。
1.ディスプレイ広告も配信可能に!ASAとは
Apple Search Adsとは、Apple公式が提供しているiOSデバイス向けの広告サービスです。iOSを搭載しているデバイスで使われるApp Store上に、自社アプリの広告を出稿することが可能になっています。
App Storeでは数えきれないほどのユーザーが目的に合ったアプリを探しています。Apple Search Adsにおいては
- App Storeでの検索結果に対してキーワードベースで広告を表示
- App Storeの検索タブに対してユーザー属性ベースで広告を表示
という2種類の方法を使い分けながら訴求が可能になっているのがポイントです。
検索タブ上で検索前のユーザーに対して表示される広告を、「Search tab広告」と呼びます。従来はキーワードベースでのターゲティングしかできませんでしたが、Search tab広告が加わったことでディスプレイ広告的にもApple Search Adsを活用できるようになり、さまざまな段階のユーザーとタッチポイントを持てるようになりました。
Apple Search Adsの使い方やSearch tab広告については、以下の記事でそれぞれご紹介しているので参考にしてみてください。
>> Apple Search Ads の始め方とは?管理画面ログインや登録の仕方を運用代理店が教えます。
>> 【要チェック】Apple Search Adsに新しい配信面、現る
2.ASAはECやゲーム分野などで成功事例が豊富!
Apple Search Adsの運用を成功させるには(特に設定する項目が多いSearch Ads Advanceを使う場合は)コツがあります。そこでここからは運用面で参考になる、Apple Search Adsの成功事例を分野別にご紹介していきます。
EC分野:コストを削減して収益とLTV向上を達成
韓国でECアプリを展開している「ABLY」では、新規顧客の獲得に課題を感じていました。顧客の興味は多岐に渡り、また競合他社が多い中自社ECサービスの地位を確保しながら見込み客へアプリを見つけてもらう必要があったからです。
そこでApple Search Adsを導入、アプリと関連性の高いキーワードをベースに新規顧客を惹きつけることに成功しました。具体的にはApple Search Adsの検索マッチおよび部分一致といった機能を活用して検索語句を洗い出し、顧客獲得機会見込みの高いキーワードに関して完全一致に変更することで高いパフォーマンスを獲得しています。
また
- オーディエンスを絞り込まないことで幅広いユーザーとタッチポイントを持つ
- Apple Search Adsのデータを基に韓国以外にも販路を拡大
といった成果も出しています。
ゲーム分野:全世界での収益拡大に成功
ゲーム開発企業である「Mobirix社」は、自社ゲームアプリ「Bricks Breaker Quest」のマーケティングに課題を抱えていました。同ゲームアプリのローンチ後、高いROASを維持しながら世界中のユーザーにアプリをインストール、プレイしてもらえるように戦略を実行していく必要があったからです。
そこでiOSユーザーに広告訴求しやすいApple Search Adsを導入、Apple Search Adsのみに投資するという大胆な戦略を実行しています。各市場に関してテストを行いパフォーマンスを分析、最適な戦略を実行するための方法を学習することでマーケティング効率の向上を実現しました。
また
- 部分一致と検索マッチを混ぜて出稿してから重要な検索ワードを把握する
- 重要なワードを完全一致で追加してROASを向上させる
- 広告パフォーマンスを追跡しながら入札額バランスを調整、インプレッション最大化などを実現
といった効果も出ています。
フィットネス:熱心な顧客を自社アプリへ惹きつけることに成功
動画でヨガのトレーニングができる「Daily Yoga」アプリ開発チームは、サブスクリプションサービスとして登録者の獲得数を増加させる必要性を感じていました。地域によって戦略をローカライズしながら参入をスムーズに行い、良質なコンバージョンを獲得するにはApp Storeの潜在ユーザーの意図を把握する必要があります。
そこでApple Search Adsにおいて検索マッチ機能を活用、各市場の関連ワードを洗い出してオーディエンスのリーチへ成功しました。また自社と似たアプリへ興味を持つユーザーとタッチポイントを持つことにも成功しています。
また
- キーワードのタップやコンバージョン率を分析、入札額を最適化
- Apple Search Adsの情報を活用してマーケティング戦略検討へ役立てる
といった効果も得られました。
3.予算調整も重要!ASAの成功事例から見えてくるコツとは
Apple Search Adsの成功事例を見てみると、次のような点が運用において重要だと分かります。
キーワード検索関連機能を活用する
Apple Search Adsにおいては
- 検索内容が完全に一致した際に表示する「完全一致」
- 類似キーワードやスペルミスなどでも表示する「部分一致」
という2種類の検索機能を使い分ける必要があります。
Apple公式では「成果向上のために両方の検索機能を使った広告出稿を行うこと」を推奨しています。実際今回の事例も両方の検索機能を活用しながら、目的達成のために重要なキーワードを絞り込んでいました。
まずは部分一致を多めにして露出数を増やし、それから重要なキーワードに関しては完全一致へ変更してバランスを整えるといった手法が有効でしょう。
オーディエンスを最初から絞り込み過ぎない
今回の成功事例では、「あえてオーディエンスを細かく設定せずにキーワードでターゲティングを行う」という手法も取られていました。
オーディエンスの絞り込みは効率のよい広告表示へつながりますが、絞り込み過ぎると母数の減少が発生するリスクも抱えています。そもそもキーワードベースで広告表示する機会が多いApple Search Adsでは、適切なキーワード設定ができれば効率よくリーチが達成できるはずです。
そこで最初はオーディエンスをあえて絞り込まず、データが蓄積されてから絞り込みを決めるといった手法が有効です。
Apple Search Adsの情報を活用する
Apple Search Adsでは、広告運用や設定に役立つさまざまな情報を発信しています。今回の成功事例でもApple Search Adsの情報を活用しながらマーケティングを行っていました。
Apple Search Adsを活用して販路を成長させるためにも、提供される情報は最大限に利用していきましょう。
4.まとめ
今回はApple Search Adsの運用における成功事例をご紹介してきました。
Apple Search Adsを運用する場合は、検索機能や提供される情報などを活用して広告を発信する必要があります。Basicプランでの利用の場合は設定できる項目が少ないので関係が薄いかもしれませんが、
- 最初からAdvancedプランでの運用を考えている
- 後でAdvancedへ切り替える可能性がある
といった方はぜひ今回の記事を見直してみてください。
ちなみにGoogleでアプリ広告の発信を行う際は別途「Googleアプリキャンペーン(GAC)」を利用する必要があるので注意しましょう。