Googleの広告配信プラットフォームである「Google広告」では、アプリを販促する際に使える「Googleアプリキャンペーン(GAC、旧称UAC)」が利用できます。Google保有のコンテンツネットワークをアプリ訴求へ使えるのがメリットです。
Googleアプリキャンペーンでは新規顧客獲得やアクション促進などを狙えますが、他にも「アプリエンゲージメントキャンペーン」というキャンペーン形態で休眠顧客にまでリーチできます。ただし通常のGoogleアプリキャンペーンとは利用手順が異なったりと注意点もあるので事前に理解しておくと安心です。
今回はGoogleアプリキャンペーンのアプリエンゲージメントキャンペーンの概要、そして利用メリットや実際の設定方法などを解説していきます。
1.GACのアプリエンゲージメント キャンペーンとは?
Googleアプリキャンペーンのアプリエンゲージメントキャンペーンとは、休眠顧客へ広告を届けられるリテンション配信の1種です。広告をクリックするとアプリの指定ページへ飛ぶので、すでにアプリをインストールしているがしばらく使っていない、といったユーザーを再びアプリへ誘導して利用へつなげられるのが特徴です。
アプリの休眠顧客はすでにアプリをインストールしており、認知は済んでいる段階です。マーケティングでは一般的に「既存顧客を再びコンバージョンさせるのに必要なコストは、新規顧客獲得に必要なコストの5分の1で済む(1:5の法則)」といった法則があり、休眠顧客へアプローチができると効率よく売上向上などへつなげられます。しかし従来は休眠顧客の管理やアプローチが難しく、取りこぼしも発生していました。
機械学習といった手法の活用により、現在では休眠顧客の掘り起こしなども簡単になっています。Googleアプリキャンペーンでもアプリエンゲージメントキャンペーンを利用することで、休眠顧客を減らしてアプリの利用継続へつなげたりできます。
2.GACのアプリエンゲージメントキャンペーンメリットとは?
Googleアプリキャンペーンでアプリエンゲージメントキャンペーンを導入すると、次のようなメリットがあります。
新規顧客獲得だけよりも効率的
アプリエンゲージメントキャンペーンを利用すると、今までリーチが難しかった休眠顧客にも確実にリーチできるようになります。機械学習により配信は自動最適化されるので、「休眠顧客の定義を考えて該当するユーザーを探し、管理しながら広告発信する」といった手間をいちいち掛ける必要がありません。
これによって新規顧客獲得だけに労力を割くよりも広告コストを下げながら、顧客の離脱率を低下させて収益へつなげることが可能です。アプリに対して顧客が完全に興味をなくしてしまいアンインストールされる前に、ぜひアプリエンゲージメントキャンペーンを活用して掘り起こしを行ってみてください。
さまざまな休眠顧客へリテンション施策を実行できる
休眠顧客になる理由は、
- すでにリピーターであったが環境変化でしばらく使っていない
- とりあえずインストールしてみただけで起動が面倒になって放置
といったようにさまざまです。要はすでに自社への寄与率が高い顧客からそうでない顧客まで、段階は違ってきます。
アプリエンゲージメントキャンペーンでは休眠顧客の段階に応じた広告を効率よく配信することが可能です。これによりリピーターをリテンションさせてアップセルやクロスセルを狙う、アプリを起動していない顧客を誘導して最終的にリピーター化させる、といった手法が実現できるでしょう。
複数のコンテンツでタッチポイントを持てる
通常のアプリキャンペーンと同様に、アプリエンゲージメントキャンペーンでも
- Google検索エンジン
- Google Play
- YouTube
といったGoogleコンテンツネットワークへ広告を配信可能です。
媒体が1つだけに限られているとターゲットユーザー数が限定されて、効果を最大化できないリスクがあります。しかしアプリエンゲージメントキャンペーンでは複数の大規模媒体へ広告が掲載され、リテンションができるので幅広い休眠顧客の掘り起こしが可能です。
3.ディープリンクなどが必要!GACのアプリエンゲージメントキャンペーン設定方法
ここからはアプリエンゲージメントキャンペーンの設定方法を解説していきます。
まず設定前に、
- ディープリンクがあるか
- コンバージョンをトラッキングできるようにタグを設定しているか
- プライバシー ポリシーを掲載したりと規約を順守しているか
- インストール数を 25万以上獲得しているか
といった条件をクリアする必要があります。
ディープリンクとは「広告をクリックした際に、アプリの指定ページを直接起動できるようにするためのリンク」です。ユーザーがインストール済みのアプリを、広告から起動させて訴求するために必要になっています。
後ほどの手順でディープリンクを選択する作業があるので、事前に用意して設定を行ってみてください。
- 管理画面で「キャンペーン」メニューをクリックする
- プラスボタンをクリック後、「+ 新しいキャンペーンを作成」を選択
- 「アプリのプロモーション」メニューで目標を選択、アプリのキャンペーンタイプをクリックする
- キャンペーンのサブタイプで「アプリ エンゲージメント」を指定
- アプリプラットフォームを選択
- アプリ名などを入力してリストからリテンションに使いたいアプリを選択
- 「続行」をクリック後キャンペーンの名前や地域、言語、予算などを選択
- 目標となるユーザー行動を選択後、目標 CPAを決めて入力
- キャンペーンの期間を入力※省略可能
- 「詳細設定を表示」でカスタマイズされた広告を作成する※省略可能
- 「保存して次へ」を選択
- 「広告グループ」の名前を変更※省略可能
- ディープリンク一覧が表示されるので選択
- 広告の見出し、説明文を入力後、画像や動画を選択
- オーディエンス内容を選択
- 「保存して次へ」を選択
手順が済めば、無事Web上でアプリエンゲージメントキャンペーンを運用できる準備が完了します。
4.まとめ
今回はGoogleアプリキャンペーンで掲載できるアプリ広告の1種、アプリエンゲージメントキャンペーンを解説してきました。
アプリエンゲージメントキャンペーンはすでにアプリをインストールしているが何かしらの理由で使っていない、休眠顧客の掘り起こしに使えます。設定を別途行う必要はありますが、コスト削減などに役立てられるのでぜひ活用を検討してみてください。
活用が難しいと感じた場合は代理店に相談してサポートを依頼する方法も検討してみてください。