ユーザーの検索キーワードをベースとしてターゲティングを行い、適切な広告を提示できるリスティング広告は優秀な宣伝手法です。ただしキーワードを選ぶ難しさがあり、初心者だと
- キーワードの選び方がそもそも分からない
- キーワードを調整してコストを調整したいができない
といった課題に直面する可能性があります。
そこで今回はリスティング広告におけるキーワード選定のコツや、選定の際に活用したいおすすめのツールをご紹介していきます。
Cookie規制とリスティング広告の関係性とは?詳しくはこちらをチェック
1.リスティング広告ではキーワード選定が重要!
バナー広告などに使われているCookieは、ユーザーが使っているWebブラウザーから情報を取得、それを基にマッチングする広告を表示する技術です。しかしCookieによるターゲティングはプライバシーの問題に引っ掛かっており、日本やアメリカ、ヨーロッパなどで規制の動きが進んでいます。
GoogleがCookieに代わるターゲティングの仕組みを開発中といったように代替策が出てきてはいますが、そういった方法が定着するには時間が掛かります。そこで従来からあるリスティング広告で安全にターゲティングを行う方法に注目が集まっているのがポイントです。
ただしリスティング広告では運用型広告として、自社でキーワードを選んで設定する難しさがあります。プラットフォームからサポートは受けられますが、「常に最適化して広告配信したい」という希望がある場合は、自社でキーワードを設定するスキルが必要です。
キーワードを適切に設定できていないと
- 上手くデータを収集できない
- マッチングタイプの設定を間違えてターゲットユーザー以外へ配信される
- 広告予算が余計に膨らむ
といったデメリットが出てきてしまうでしょう。
2.リスティング広告でキーワード選定を行うコツ!一致方法の選択も重要
ここからは早速、リスティング広告でキーワードを選定するコツを詳しくご紹介していきます。
メインキーワードを決定する
まずはリスティング広告の中心となるメインキーワードを決定します。宣伝において絶対に設定しないといけないキーワードです。
メインキーワードについては
- 必ずユーザーが検索条件に含める
- 宣伝したい自社の商品・サービスと強い関連性がある
- 検索ボリュームがそこそこ多い
といった点から選んでみましょう。
たとえば「ARサービスを提供するためにリスティング広告で宣伝したい」という場合は、「ARサービス」がメインキーワードです。
関連キーワードをツールで洗い出す
次にメインキーワードといっしょに調べられるであろう関連キーワードを設定していきます。
メインキーワードのみだと競合と争うのは難しいです。1語のキーワードは大企業や有名なサービスなどがほぼ広告を独占しているからです。ネームバリューが小さい中小企業がメインキーワードのみでいきなり争うのは得策ではありません。そこで関連キーワードを設定することで市場を差別化して、ニッチではあるが競合性の少ない場所で最初は戦っていきましょう。
関連キーワードを考え付くのが難しい場合は、まずツールでメインキーワードの関連語句をリストで表示して洗い出してみてください。同音異義語といった関係ないフレーズも引っ掛かりますが、そういったキーワードを省きながら候補となるキーワードを見つけていけるので効率よくキーワード選定が可能です。
たとえばあるツールで「AR サービス」と検索すると、
- AR サービス 一覧
- AR サービスマニュアル
- AR VR サービス
といったキーワードが引っ掛かります。このことからユーザーは
- ARのサービスをまとめて知りたい
- ARのサービスの使い方を理解したい
- ARとVR両方を知りたい
といった需要があることが分かるでしょう。
またGoogleのサジェスト機能も便利です。入力中のキーワードと関連性があり、検索ボリュームの多いキーワードなどが文字入力途中にリスト表示する機能になっています。たとえば「AR iOS」と検索すると、
- AR iOS apps
- AR iOS games
- AR iOS tutorial
といったキーワードが表示されます。
キーワードの一致タイプを選択する
リスティング広告のターゲティングを調整する際には、一致タイプの概念を知って活用する必要があります。一致タイプとは「広告を表示する検索キーワードの許容範囲を設定するためのタイプ」です。主に
- フレーズ一致
- 完全一致
- 部分一致
といった種類が用意されています。
「フレーズ一致」は「設定したキーワードが含まれており、検索順番が設定どおりの場合にリスティング広告を表示するタイプ」です。たとえば「AR サービス 最新」の場合は
- AR サービス 最新情報
- AR サービス 新しい
といったキーワードで広告が表示されます。表記ゆれや別キーワードが含まれている場合でも表示されますが、キーワードの順番が「サービス AR」というように違うと表示されません。
メインキーワードが必ず一番左に入力されるといった自信がある場合はおすすめできるタイプです。
「完全一致」は「検索されたキーワードが設定したキーワードと完全に同じと判断できるときに、リスティング広告を表示するタイプ」です。
たとえば「AR サービス おすすめ」の場合は
- AR おすすめ サービス
- 拡張現実 サービス おすすめ
といったキーワードでリスティング広告を表示可能です。表記ゆれや同義語が入った場合もヒットしますし、語順が違っても構いません。ただし「AR サービス 人気」のように、検索意図がキーワードと一致しないと判断されると表示されません。
キーワードの最適な組み合わせが分かっていれば積極的に活用したい方法ですが、露出が減ってデータが収集しにくくなるので初心者がいきなり使うのは危険です。
「部分一致」は「設定したキーワードと検索されたキーワードにある程度類似性がある場合に表示を行うタイプ」です。上記2タイプと比較すると基準が緩いのが特徴になっています。
たとえば「AR サービス 」を設定している場合は、
- 拡張現実 最新
- AR 2021年
といったように「サービス」が入っていなくても自動でリスティング広告を表示できます。もちろん表記ゆれや語順は問いません。広い見込み客へ広告を表示できるのがメリットですが、反面関連性のないユーザーにまで広告が表示されるのがデメリットです。
最初は部分一致でターゲットユーザーのニーズをつかんで、徐々にキーワードを絞りながら他の一致タイプを設定していく方法がおすすめになります。
除外すべきキーワードを選択する
キーワード選定においては
- 競合他社のサービス名を含んでいるキーワード
- 故障といったよろしくないキーワード
- 同音異義語でそもそも関連性がないキーワード
などがツール上で混ざり合います。こういったキーワードを見つけて設定から除外していくのも重要です。
たとえば「ARサービスをユーザーへ提供したい」のに
- iPhoneで使えるARのサービスを作る方法
- Androidスマホで使える他社のARサービス
などがキーワード意図に含まれていると意味がありません。設定しないようにチェックを忘れないでください。
3.リスティング広告でキーワード選定したいときに使えるツール!
ここからはおすすめのリスティング広告キーワード選定ツールをご紹介していきます。
キーワードプランナー
Google公式のキーワード選定ツールです。Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できますが、現在はアカウントの二段階認証を設定しないと利用できません。Google広告へ出稿すると細かい検索ボリュームなどを確認できるようになります。
- 類似キーワード
- 月間の検索ボリューム
- 入札単価
などを把握できるので、どのキーワードを入れて勝負すれば効率がよいのか瞬時に判断できるのがポイントです。また入札単価といった項目を無視すればSEO対策のキーワード選定にも使えます。
ラッコキーワード
リスティング広告を複数のメディアで展開する際に使えるツールです。無料でも利用可能であり、有料プランにすると検索ボリュームの詳細把握やサジェスト機能の拡張が可能になっています。
Googleだけでなく
- Yahoo!
- Bing
- 楽天
- Amazon
といった検索関連サービスのキーワードも調べられます。Google上でのデータだけだと「AmazonのECサイトではどのキーワードが一番適切なのか」といった考えが抜けてしまう恐れがありますが、ラッコキーワードだとその心配がありません。
4.まとめ
今回はリスティング広告におけるキーワード選定のコツや、おすすめツールなどをご紹介してきました。
リスティング広告ではキーワードをふるいに掛けながら適切に設定するスキルが求められます。広告プラットフォームで分析しながら、選定ツールを使ってキーワード範囲を上手く調整してみてください。
最初は露出機会を多めにして、余計なキーワードを省く、あるいは足りないキーワードを追加していくのがおすすめです。