kotlin(コトリン)って聞いたことありますか?
ネイティブアプリを開発する際は、主にiOSやAndroidが競争市場になってきます。iOSのほうではSwiftが登場したことで、アプリ開発が今までよりもシンプルになりました。
そしてAndroidのほうでは、「Kotlin」が登場したことで開発環境が大きく変わりました。Kotlinは順調にシェアを伸ばしており、今後どんどん存在感が増していくでしょう。
今回はKotlinとは何か、そしてJAVAとの比較やメリット・デメリットまでご紹介していきます。「なぜJAVAよりKotlinのほうが便利と言われているのか知りたい」という方は、ぜひチェックしてください。
1.Kotlinとは?
Kotlinとは、チェコ共和国に拠点を置くソフトウェア開発企業JetBrains(ジェットブレインズ)が開発したプログラミング言語です。JVM(JAVA仮想マシン)にコードをコンパイルさせることで、利用します。
ジェットブレインズは、Androidでのネイティブアプリ開発のための言語としてKotlinを発表しました。従来AndroidではJAVAが主流の開発言語として使われていましたが、記述のややこしさなどから煩わしく思う開発者もいました。
Kotlinでは、JAVAより分かりやすくシンプルにコード記述ができます。他にもJAVAでデメリットとなっていた点を解決しており、開発者の人気を集めています。
実際Googleの調査では、Android向けアプリ開発者の半分以上がKotlinを使ってアプリ開発していることが分かっています。そういった状況からGoogleもKotlinを重要視しており、2019年5月にはAndroidアプリデベロッパーの推奨言語としてKotlinを採用しました。
2.KotlinとJAVAはどっちが優れている?
Kotlinはその性質上、JAVAと比較されやすいです。
コードの書きやすさや正確性などの点では、KotlinのほうがJAVAと比較して分があります。またGoogleが推奨していることから、今後はKotlinはAndroidアプリ開発者にとって必須のスキルになってくるでしょう。
ただしKotlinは、JAVAの役割をそのまま代行できる言語ではありません。KotlinはあくまでAndroidアプリ開発向けの言語であり、Androidアプリに限らずさまざまな場面で利用されているJAVAと比べて汎用性は低いです。
結局のところどちらが優れているか比較するのは、あまり意味がありません。
なぜならKotlinはJAVAに「置き換わる」ものではなく、むしろ「相互補完して連携できるもの」として設計されているため、比較対象とは言えないからです。
アプリ開発者がKotlinを使う際は、上手くJAVAとも連携させながらどうプログラミングを行っていくのかをよく考えるのが重要なポイントとなってきます。この連携がうまくいくと今までよりもっとシンプルに、かつスピーディーにアプリ開発を行うことができるのです。
次の章で詳しく触れていきます。
3.Kotlinのメリットとは?
ここからは、Kotlinのメリットをご紹介していきます。
JAVAと連携しやすい
先ほども言いましたが、KotlinはJAVAとの連携が可能です。
たとえば、Kotlinから直接JAVAコードを呼び出せます。コードを呼び出せるので、当然、既存のJAVAで制作されたライブラリやフレームワークなども呼び出して使用することができます。また逆に、JAVAからKotlinコードを呼び出したりもできます。
新しい言語を覚える際は、スイッチングコスト(今まで使っていた言語が使えなくなるかもしれない、など)が大きな課題になってきます。しかし最初からJAVAとの連携を考えて設計されたKotlinならば、JAVAの知識や技術を無駄にせずにアプリ開発が可能です。
記述がシンプルで簡単になる
Kotlinは、JAVAに比べてコード記述をシンプルにできます。
たとえば文字を出力する際は、
・JAVA:System.out.println(“one”);・・・記述が長い、セミコロンが必要
・Kotlin:println(“string”)・・・記述が短い、セミコロンが不要
となり、明らかにKotlinのほうがすぐ書けますし分かりやすいです。他にも変数指定の際に型を明示する必要がないなど、KotlinにはJAVAよりもコードを書きやすい仕組みが揃っています。
エラーが起こりにくい
上記のように、Kotlinでは処理命令をシンプルにコード記述できます。ですからコードが分かりやすく、間違いがないかなどのチェックも簡単です。またそれだけではなく、プログラムエラーが起こらないように工夫されています。
たとえばKotlinでは、NULL安全という仕組みが導入されています。変数に無理やりNULLを入れようとすると、コンパイルエラーとなり処理が行われません。これによりNULLによって処理エラーが起き、大きなトラブルになる危険性を未然に防いでいます。
このようにKotlinは、もともとエラーが起こらないように設計されているのです。
4.Kotlinのデメリットとは?
Kotlinのデメリットは、次の通りです。
JAVAより参考になるデータが少ない
Kotlinは、JAVAよりも歴史の短い言語です。そのため参考になるデータは、JAVAよりも少なくなります。
簡単なトラブル程度であれば日本語サイトで情報収集できるかもしれませんが、難しいトラブルに直面した場合は英語版サイトまで含めて、詳しく内容を調べないといけない可能性があります。
しかし、GoogleがAndroidアプリデベロッパーの推奨言語として採用してから普及率は上がっていると言えるため、徐々にその心配もなくなっていくことになるかもしれません。
利用場面がまだまだ少ない
Kotlinは人気が出ているとは言え、まだ普及途上です。
求人サイトなどで見てみるとKotlin単独で仕事募集している企業は少なく、Kotlinだけ覚えるというのはあまりおすすめできません。アプリ開発などに携わる場合はKotlinに限らず、他の言語も扱えるようにしておくと安心です。
5.まとめ
今回はKotlinとは何か、そしてJAVAとの関係性やメリット・デメリットを
解説してきました。
KotlinでAndroidアプリを開発すれば、
・既存のJAVAのライブラリやフレームワークをそのまま呼び出して使用すること
・コード記述をシンプルに、エラーを減少させること
ができます。
結果的に開発時間を短縮し、スムーズにアプリリリースや管理などができるようになるでしょう。
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