普段あなたは、アプリストアのレビューを気にしていますか?
アプリストアのレビューは「UCG(ユーザー発信コンテンツ)」として重要であり、ASO的観点でも気にする必要があります。気にして対策を行うことで、
- インストール数を増加させられる
- 広告費用を適正化する
といったメリットを得られるでしょう。
今回はアプリストアレビューがなぜ重要なのか、改善に関する対策法も交えて解説を行っていきます。
1.ダウンロードの決め手にもなる!アプリストアレビューの重要性
アプリストアレビューがアプリの成長にとって重要だと言えるのは、次のような理由があるからです。
レビューを見てからインストールしている人は約40%
「セガゲームススタイル研究所」は、2016年にアプリストレビューの影響性に関して調査を行っています。
15歳から69歳の男女合計2,818名へ、「アプリをダウンロードする際何を参考にしているか」質問してみたところ、
1位 ストア上での評価 39.1%
2位 ストア上でのレビュー・書き込み内容 38.7%
3位 友人・知人・家族の評判・クチコミ 37.6%
4位 ストア上でのアプリ説明文 36.3%
5位 ストア上での順位・ランキング 35.6%
という結果が出ました。
1位~3位までが、すべて口コミに関係しているものです。特に1位と2位については「まず星評価等を見てから、実際の書き込み内容を見て判断する」という流れができていそうな関連性を感じさせます。
1位も2位も40%ほどの回答を得ており、アプリストアレビューがいかに重要なものかを分からせてくれるデータになっているのがポイントです。
星評価とダウンロード率には正の相関関係がある
ある要素がどんどんプラス値になると、もう1つの要素もどんどんプラス値になる状況を「正の相関関係」と呼びます。
そしてアプリストアレビューにも、正の相関関係が成り立つという根拠になるデータがあります。
「Apptentive」のデータによると、星評価とダウンロード率は
- 星1→星3:3.4倍アップ
- 星2→星4:5.4倍アップ
- 星3→星5:1.97倍アップ
というように、星評価が上がるにつれてダウンロード率が向上する結果になっているのがポイントです。
星評価の向上が著しいほどダウンロード率も改善される結果となっており、よいレビューを増やして評判がよくなるとアプリのダウンロード数がよくなることが予想できます。つまり広告出稿費といったコストも、オーガニックなダウンロード数向上により節約できることになるでしょう。
AppStoreやGoogle Playが星評価等を重要視している
アプリを配布するための
- AppStore
- GooglePlay
といったストアも、星評価等を重要視しています。
たとえばiOSやiPhone向けアプリストアプラットフォームのAppStoreは、2018年のiOS11.3アップデートへ伴いレビューの並び替え機能が追加されています。よいレビューと悪いレビューを、ユーザーが選り分けながら参考にしやすい仕様になりました。
またGooglePlayでは、開発者のレビュー返信機能があります。開発者が適切な対応を返信によって取ることで、ユーザーのロイヤリティ向上やトラブル回避などへつなげられる仕組みです。他にも2019年5月の「Google I/O会議」で、直近のアプリ評価が平均値により影響する方式へレビューの仕組みを変更すると発表しました。昔のレビューより今のレビュー評価のほうが全体の評価へ影響することで、最新の評判を確認しやすいのがポイントです。
2.アプリストアレビューは改善できる!対策法をレクチャー
ストアレビューがASO的にも重要だと分かったところで、次は改善のためにできる対策法を解説していきます。
ポジティブなアプリストアレビューが付くように工夫を行う
満足度の高い体験をアプリによって提供できれば、ストアレビューでよい評判が付く可能性は高まります。ただアプリへよい感情を覚えてもレビューをためらう方もいらっしゃるので、気持ちよくレビューという手間をかけることを後押しできる施策が必要です。
対策としては
- 分析で長時間使ってくれているようなヘビーユーザーへメールで評価を依頼する
- ロイヤリティの高そうなユーザーへアプリポップアップで評価を依頼する
- 常に機能改善を目指して良アプリにしておく
といった方法が考えられます。
よいレビューを書いてくれる人を選定した上で、適した方法を使いアプローチをとってみましょう。またよいレビューをしてくれる人の割合が根本的に増えるように、機能改善を常に目指すのは最低限の努力です。
ネガティブなレビューが増えたらすぐさま改善を行う
・クラッシュした
・フリーズして動かない
・アプリを使用したいが登録自体ができなかった
といったバグは致命的です。アプリの体験を著しく阻害して、離脱する方や悪いレビューをする方を増やしてしまう原因になってしまうでしょう。
また
- アプリのUIボタンが小さくて押しにくい
- 問い合わせフォームから送信がしにくい
といった、アプリ自体は使えるけど操作感に関して問題があるようなレビューも要注意です。
開発者としては上記のようなネガティブ寄りのレビューを複数受け取った場合、早急にニーズ通りに改善、よいアプリへしていく義務があります。ただし改善したつもりが、返って悪いアプリになってしまうケースもあるので注意しましょう。レビューを基にしたユーザーファーストな改善なのかを確認してから、変更に着手してみてください。
返信を怠らない
- レビューへの返信を放置して悪いレビューが増える
- レビューへの返信を怠らず悪いレビューが減る
といった状況では、当然後者のほうが好ましいです。
風評被害のようなレビューは削除依頼をアプリストア側に申請する必要がありますが、多くのレビューはアプリに何か問題がある、だから改善してくれ、というような内容のはずです。中には具体的な解決方法まで提示してくれている人もいます。
もしネガティブなレビューが付いても、批判的な内容は書かないようにしましょう。対応すべき内容の場合は「このように問題があり申し訳ありません、原因は次の点にあるのでこのように改善します」というように具体的な返信を返せば、批判的に思う方も少なくなるでしょう。当然返信通りに改善して内容を公表する姿勢も重要です。
レビューは変更できます。つまり改善されればよいレビューに変更される可能性もあるのです。悪いレビューを放置するとそれに注目が集まって、さらに悪いレビューが増えるリスクにつながるので注意しましょう。
3.開発者はアプリストアレビューを読んでいない?改善のために確認をしよう
アプリストアレビューは重要ですが、残念ながら開発者すべてが重要性を認識しているわけではありません。
Dropbox Designでは、Dropboxアプリへ送信されたレビューを分析、その価値について考察を行っています。同調査によるとユーザーはレビューによって思いや意見を伝えたいと感じており、アプリを改善するためのアイデアもレビューには多数含まれているとしました。そしてレビューを吟味しながら改善点を見つけるのが重要だと結論付けています。
しかし同時に、アプリレビューをほとんど、あるいはまったく読んで確認していない開発者が37%になるという驚きの結果も明らかになりました。アプリレビューを読んで分析ツールで確認、施策につなげることで成功した事例もある中、開発者の37%がレビューを参考にできていないというのは大きな問題に感じます。
また誠実な返信を行うことで評判を悪くしない、よくするといった効果も得られるので、レビューを放置するのは役立つ情報があるのに無駄にしているのと同じ状況です。もし今の時点でレビューを確認できていないのならば、開発の参考にするためにも分析する時間を確保しておきましょう。
4.まとめ
今回はアプリストレビューの重要性や具体的なレビュー改善方法をご紹介してきました。
アプリストアレビュー改善によって、ASO的にもよい結果が得られてダウンロード数向上などへつながります。重要な情報としてレビューを持ち腐れにしないようにしてみてください。
もしアプリストアレビューの分析や改善ができない、という方は、弊社へお任せください。貴社のプロダクト内容を理解した上でリサーチ、改善案を提示させていただきます。