ペイド広告にASOが関係ある?データを絡めながら施策のコツも解説

「ペイド広告」は有料広告のことであり、アプリを宣伝する際にも用いられます。そしてペイド広告は単独で使うのではなくASO対策と連携させることで、相乗効果によりアプリ評価を上げられるのも特徴です。

ただしペイド広告を上手くASO評価へとつなげるには、注意点を理解しておく必要があります。今回はペイド広告のASOとの関係性をデータで解説しながら、連携を成功させるコツを解説していきます。

1.ペイド広告、ASOとはそもそも何か?

ペイド広告は有料広告のことであり、アプリストアで出稿する広告などを指しています。ペイド広告はお金を払うので一見ASO対策と関係ないように見えますが、実際には間接的にダウンロード数の継続的な増加やアプリブランド力向上などのASO効果へかかわってきます。

またASOとはアプリストアにおいてプロダクトページを最適化することで、キーワードで検索上位といった効果を狙う概念です。ASOについては無料で実行できることから取り組む企業が多く、継続的に効果を得られるのが特徴となっています。

2.ペイド広告とASOはどう関係している?データ付きで説明

ペイド広告とASOの施策については、それぞれ関連してくる部分があります。そこで単独で各施策を運用するのではなく連携できるように工夫することで、アプリのプロダクトページをペイド広告が補完できるような体制を作れると相乗効果を得られるでしょう。

仮にASOで完ぺきな対応ができており、自社で設定したキーワードでアプリが1位にランクインしたとしても、ペイド広告のパフォーマンスが悪ければゆくゆく競合へ順位を抜かれるリスクがある点にも注意しておいてください。こういった状況を回避するにはペイド広告の露出を調整しながらブランドを維持できるキャンペーンを実施して、競合に差を付けられないように分析を怠らない工夫が必要です。

オーガニックとペイド広告のアップリフト関係性とは

マーケティング業界では、施策の導入といった関与によってどのくらい効果が得られるのかを「アップリフト」という言葉で表現することがあります。ちなみにアップリフトを基にユーザーをセグメントして、マーケティング効率を計測する手法を「アップリフトモデリング」と呼ぶのもポイントです。

マーケティングツールで有名な「Adjust」では、自然検索(オーガニック)の検索経由でのインストールとペイド広告経由でのインストールパフォーマンス関連性について、棒グラフを使いながら公表しています。そこではペイド広告といった箇所でアプリインストールを行うユーザーが多いと、ランキング順位が上がるスピードも速くなることが分かりました。またアプリの可視性が確保されているとダウンロード数が増加、結果的にランキングの順位が上昇するという循環につながることも明かされています。

ASO対策やペイド広告出稿を総合的に行いアプリの可視性を上げる

ダウンロード数が増加する

という循環を作り出すことが、アプリパフォーマンスを継続的に向上させるためのカギとなります。

ペイド広告がないとスピーディーな評価上昇にはつながらない

以前の成熟していないアプリ市場では、オーガニックな対策だけでも十分スピーディーにアプリパフォーマンスを成長させることが可能でした。しかし競合が増加して対策が多様化している現在では、オーガニックな対策だけを推進しても簡単にはランキング上昇などの効果を得られなくなっています。

開発者はアプリ成長のために、ペイド広告へ多額のコストを掛けています。ユーザー数を10万人、100万人といったように成長させるためには、オーガニックだけでは施策を加速させにくい点をまず覚えておきましょう。

そしてペイド広告でアプリの露出量を増やしながらキャンペーンを計測、コストを調整することで最適な効果をASOで得られるようにするのがポイントです。

3.ASOを意識しながらペイド広告を成功させるためにはどうしたらよいか?

ASOを意識しながらペイド広告を成功させるためのポイントを、ここからはご紹介していきます。

ペイド広告のサービスについて理解をする

ペイド広告のサービスは提供企業ごとに特性もさまざまであり、そういった特徴を理解しながら活用できるようにするのがまずポイントになってきます。

たとえば

  • Googleアプリキャンペーン
  • Meta
  • Apple Search Ads

などのペイド広告サービスは、自社が直接提供しているメディアあるいは提携している信頼性の高いネットワークへ広告を配信するのが特徴です。

こういったサービスでは認知度の高い主要なネットワークを通じて広告配信ができるため、広い範囲のユーザーを見込み顧客として設定できます。またターゲティングオプションを細かく設定することで無駄な配信を避けられるのも特徴です。ちなみに最近のプラットフォームでは、小規模のアプリだとAIによって設定を自動化して配信を簡略化する動きも広まっています。

対して

  • Unity Ads
  • Vungle
  • AppLovin

といったサービスは、アプリ広告主と掲載メディアを仲介するのが主な役割となる「アドネットワークサービス」です。

アドネットワークはApple Search Adsといった前述したサービスと比較すると、より多様な提携メディアへ自動的に広告配信できるのがメリットになっています。このため短期間で大量のインストールを獲得したい方にはおすすめです。

その代わり現在ではブランド信頼性低下が起こりかねないメディアにも掲載される事例が増えており、信頼できるアドネットワークを探して登録する重要性が増しています。アクティブ率を継続して成長させられる方法を考えながら、ブランド毀損が起こらないよう注意して出稿してみてください。

広告のパフォーマンスを継続的に計測する

ペイド広告でアプリを宣伝した後は、データを蓄積しながらそのパフォーマンスを継続的に計測するのが重要になってきます。

具体的には必要な機能を備えた計測・分析プラットフォームを導入してアプリを登録します。そして蓄積されたデータをグラフや数値などで確認して、あらかじめ設定したアトリビューションといった項目で思った通りの成果が得られているのか判断するのがポイントです。

計測の際は、動画広告やSNS広告などどのタッチポイントを起点としてインストールが行われたのかを計測してみてください。そして初回起動後のアクションや継続率、離脱率などを可視化することでアプリの課題を洗い出してみましょう。洗い出した課題を基にコスト最適化といった成果が得られれば、無駄なコストを掛けずに最大限の効果をペイド広告で獲得可能です。

ペイド広告において陥りがちなミスを把握する

ペイド広告においては、運用工程で次のようなミスに陥りがちです。

  • 目標設定値が実現不可能なものである
  • 予算をあらかじめ適切に設定できていない
  • 地域といった条件を検討しながらクリエイティブを出し分けていない
  • マーケティングツールを有効に導入・活用できていない

アプリリリースから効果が出るまでには、半年や1年といった期間が掛かります。こういった状況を想定しないで目標を設定するのは危険です。

また予算についても効果が得られる程度余裕を持って用意しておき、施策へ活用するのがポイントになってきます。地域といった条件でABテストを行いクリエイティブを適正化するのも忘れないでください。

マーケティングツールをなるべく導入・有効活用して無駄を減らすことも重要です。

4.まとめ

今回はペイド広告のASOとの関係性をデータで解説しながら、連携を成功させるコツを解説してきました。

ペイド広告をASO施策に入れ込みながら相乗効果を得ることで、ダウンロード数を増やしながらランキングを上昇させる、というよいサイクルを作ることができます。ただしペイド広告を有効活用する際はサービスをよく選定した上で、分析項目を基に課題を洗い出してコストまで最適化する工程を忘れないようにしましょう。

ぜひペイド広告を上手く使い、アプリパフォーマンスを最大化させてみてください。