ASO改善につながるKPIとは?1つ1つ解説

アプリ検索エンジン最適化(ASO)は、適した方法で行うべきです。ASOに関するKPIにはいろいろあるので、ぜひ重要なものをよく確認して施策の評価へ活用できるようにしておいてください。

主にダウンロード数などは代表的な指標として有名ですが、他にも検索知名度といった指標を活用してアプリのパフォーマンスを計測できるようになっておきましょう。今回はASOで使われるKPIの種類や施策の注意点を解説していきます。

1.ASOで使われるKPIとは何?

KPIとは「重要業績評価指標」の略称です。業務プロジェクトなどにおける目標を達成できているかどうかを、複数の指標に応じて評価・課題を洗い出す際に活用されます。

KPIを利用するのはアプリ業界に限った話ではありませんが、業界によってどの指標を確認すべきかは変わってきます。このためASOでよく使われるKPIを重点的に把握することで、効率のよいアプリ分析・施策の立案などへつなげられるようにしていきましょう。

2.ASO改善で使うべきKPIとは?

ASO改善で使うべきKPIは、次の通りです。

オーガニックのコンバージョン率

まずアプリを検索結果やおすすめなどで見つけたユーザーへ、どれくらいコンバージョンできるかがポイントです。

表示された回数や頻度に関してインストールされる割合が高ければ、その評判はApp StoreやGoogle Playなどへ伝わります。そしておすすめなどで表示される可能性が高まったりとよい効果が得られるでしょう。一方でコンバージョン率が悪く表示回数が多いのにもかかわらずインストールされていない場合、アプリストアでは優良な情報だけを表示できるように調整するためアプリのランキングを上昇させたり、おすすめに表示したりしなくなるでしょう。

またさまざまな方法でアプリとユーザーのタッチポイントを作っている場合は、タッチポイントごとにコンバージョン率を比較して施策を調整するのも重要です。

キーワードの検索におけるランキング

キーワードの検索におけるランキングは、アプリの見つけやすさやキーワード選定の正確性などを判断する際に重要です。

競合と差別化できており、検索ボリュームも大きいキーワードを選定してアプリへ入れ込んでいれば、ダウンロードされる可能性も当然高まります。特に自然検索経由でのダウンロードを増やしたい場合にはキーワード内容についてよく考える必要があるでしょう。

事例として、ランクインさせたいキーワードをプロダクトページの文章へ全体の5%以下になるように入れ込む方法があります。キーワード内容や入れ込みの割合などが適切かどうか、ABテストやアプリストアの検索補助機能などを確認して評価を行えるようにすると安心です。

検索の知名度

アプリの潜在的なインプレッション度合いや、ポテンシャルの発揮具合などを確認するために重要な指標です。

  • キーワード
  • カテゴリーランキング
  • 実際の評価・レビュー

などのパフォーマンスを総合的に材料として評価を下すべきです。

競合・類似アプリと比較して検索知名度がどれくらい成長しているか把握することで、アプリのランキングでの立場や検索知名度をダウンロード増加へつなげる方法などを理解できるのもメリットになっています。

ダウンロードの速度

ダウンロードの速度と単に説明すると分かりにくいかもしれませんが、「指定の期間内にアプリがダウンロードされた回数」と言い換えると理解ができると思います。

ダウンロードの速度を計測することによって、対象期間内にどのくらいの密度でダウンロードが行われたのかを判断できるようになります。これによってダウンロード速度とランキング上昇にどれだけ関連性があるのか、といった判断ができるようになるでしょう。

最終的には毎日のように一定のダウンロードを獲得できる、ダウンロード速度が安定しているアプリを目指すのが望ましいです。

ユーザーレビュー

ユーザーレビューは心理面でアプリがよい評価を受けているか判断するための材料になります。他の指標と組み合わせることで適切にアプリのパフォーマンスが把握できるようになるのがメリットです。

アプリストアは、ユーザーレビューや評価をランキングを決定するシグナルとして利用しています。当然ユーザーが実際にダウンロードするか判断する際に、アプリのレビューや評価をUGCとして利用する点でも重要です。

よいレビューを受けるためには、アプリ内の機能やメール送信などを通じてインセンティブをプレゼントするようにして、ロイヤルカスタマーが増えるように工夫するのが重要になってきます。また悪いレビューに関しても現在のアプリの課題解決へと活用できるので、必要な場合はレビュアーと対話しながら改善を行っていきましょう。

ちなみに「NPS」を活用すると、0~10の段階でユーザーがどれくらいアプリへ満足しているのか判断が可能です。ユーザーレビューと併せて心理データを分析材料にできるように、NPSの収集も検討してみてください。

3.ASO改善を実行する際に心掛けるべきこととは?

ここからはASO改善を実行する際に、何を心掛けるべきなのかを解説していきます。

関連性の高いキーワードを利用する

競合アプリの人気度や潜在ユーザーのニーズなどを洗い出すことで、自社アプリと関連性の高いキーワードを見つけてプロダクトページなどへ入れ込むのは重要です。

ただし含められるキーワードには限りがあるので、検索数が多いものと少ないものをバランスよく振り分けられるようにできると、アプリのパフォーマンスが安定します。ロングテールキーワードなどを使い、競合と差別化するのも忘れないでください。

タイトルや説明文を最適化する

タイトルを最適化できると、ダウンロード数が15%増加するといったデータも公表されています。重要なキーワードを中心に構成された、覚えやすい簡潔な内容にするとよいでしょう。

説明文ではタイトルの補足も入れながら、アプリの特徴を簡潔に説明できるようにしておきます。

  • 解決できる問題
  • 人気の機能
  • 競合と違う点

などをまとめて説明できるようにすると説得力が向上します。

ユーザーレビューの概要なども説明文に入れ込めると、より効果的な文章となるのもポイントです。

スクリーンショットやアプリの画像をキャッチーにする

アプリのプロダクトページにおいて詳細な説明文を読んでくれるユーザーは少ないです。このため最初に表示される内容として、スクリーンショットといったアピール性の高い画像データをキャッチーで最適なものに調整するのも重要です。

鮮明で見やすいというだけでなく、

  • 好奇心をそそれるように注目されるようなイラストを入れる
  • 見ただけでアプリの概要が分かるような配置・情報にする

といった項目に該当するような画像を掲載することでダウンロード数向上も狙えます。

スクリーンショットについてはあまり多過ぎるとすべて閲覧してもらえず効果が落ちる可能性もあるので、ABテストも行いながら適切な画像枚数になるように調整してみましょう。

動画も活用してみる

スクリーンショットだけでなく動画でもアピールができると、より効果的にアプリの宣伝が可能です。プロダクトページに動画を入れ込むのが当たり前になりつつあるので、今のうちにノウハウを蓄積しておくべきです。

見ただけで内容が分かる、それでいて競合と差別化できる情報を入れ込んだ動画を作ってみましょう。ちなみに掲載できる動画の秒数や内容などは事前にアプリストアのガイドラインを確認して、調整できるようにしておくと安心です。

クリエイティブを検証して最適化する工程を継続する

アプリのプロダクトページを最適化した後も、継続的に改善ができるようクリエイティブを検証する体制を整備するのもポイントになってきます。App StoreやGoogle PlayといったアプリストアごとにABテストで調整できる内容、あるいは調整すべき内容は異なってくるので注意が必要です。

細かい画像や文章を変更するだけでも、アプリのパフォーマンスが変わってきます。このためなるべく多くのパターンを検証できるように、指定期間に応じた自動配信やセグメントに応じた出し分けなどの機能が使えるツールを導入・活用すべきです。

4.まとめ

今回はASOで使われるKPIの種類や施策の注意点を解説してきました。

ASO対策においては、インストール数だけでなく検索知名度やダウンロード速度といった点でも指標を確認して分析する必要があります。また文章や画像などのクリエイティブを検証しながら調整することで、パフォーマンスは改善されていくでしょう。

ぜひ今回ご紹介したKPIを分析へ活用しながら、検証等の施策を実行してみてください。