最近よく聞くIoTとは?広告にはどんな影響がある?

IoTとは?広告へはどう影響する?

IoTって最近よく聞くけど…

インターネットの普及は、広告の手法を大きく変えました。新聞やテレビといったツールを活用したマスメディア的広告ではなく、一人一人に合わせた広告を配信することができるようになり多様な広告手法が取れるようになりました。

そして「IoT」の登場により、広告手法がさらに変化していくことが予想されます。現実のデータをその場で活用して、広告の提案に活かせるようになるでしょう。

今回はIoTと広告の関係性について知りたい方に向けて、IoTの概要やできるようになること、そして広告にどう影響していくのかを解説していきます。

最近よく聞くIoTって何?

1.IoTって何?

IoTとは「モノのインターネット」と訳されます。もう少し詳しく説明すると、「今までインターネットに接続していなかった身の回りのものをインターネット接続できるようにして、世の中の利便性を高めていくための技術」です。

IoTにはセンサーと通信用のチップが必要です。まずセンサーにより各種現実のデータを収集して、インターネット通信を活用しながら処理を行います。

IoT機器(スマートデバイス)により収集するデータは異なります。たとえばスマートエアコンであれば室内温度や湿度といったデータを収集しますし、スマートウォッチであれば心拍数や消費カロリーなどを収集してユーザーへフィードバックするのがポイントです。

ちなみにIoTは「AI(人工知能)」と強く連携しています。収集したデータをAIで解析してユーザーに処理結果を返すプロセスが、今後より一般的になっていくでしょう。

IoTはモノのインターネット。

2.IoTでできるようになることとは?

IoTにより次のようなことが可能になります。

機器の遠隔操作ができる

今までエアコンや照明といった機器は、自宅で赤外線リモコンを使用して操作をしていました。しかし外出中に操作はできないので、たとえば家電をつけっぱなしにしていた、家電を帰宅前につけられない、といった課題が発生します。

上記の課題を解決してユーザーにニーズを叶えるのがIoTです。
IoT機能搭載の家電はインターネット経由で遠隔操作ができるため、たとえばスマホアプリを活用して

・外出先でOFFにする
・帰宅15分前にONにする

といった操作も可能です。

また「台風が来たとき自宅のカーテンを遠隔で閉める」といったように、防災分野での活用も期待されています。

状況をリアルタイムで把握、管理ができる

IoTにより現実世界のデータがその場で可視化されます。
現在のIoTでは機器本体やスマホアプリなどの画面で、

・空気がどのくらい濁っているか
・十分な睡眠が取れているか
・どの場所が現在渋滞しているか

といったデータをグラフ付きで確認できるようになっています。把握したデータを基にすれば、感覚に頼らない確実な改善が可能です。

またIoTを搭載しているモノによっては、音声でアドバイスをしてくれたり自動で改善を行ってくれたりする場合があります。

IoTデバイス同士で連携ができる

IoTデバイス同士は連携ができるのも大きな特徴です。
データを共有しながら連携して操作を行うことで、高度な処理が実現します。

たとえば自動運転の分野では、

・信号機のデータを自動車が受信して自動的に速度調整を行う
・道路の渋滞具合を基に自動で最適なルートを走行する

といった連携により無人での走行も可能になるかもしれません。無人走行については中国やアメリカなどが実証実験を続けています。

IoTで何ができるようになる?

3.IoTは広告にどう影響する?

IoTが広告に活用されるようになると、次のようなことが一般的になってくる可能性があります。

屋外広告にパーソナライズした内容を発信する

現在は動的に広告内容を変更できる「DOOH(デジタル屋外広告)」に注目が集まっています。そしてIoTを活用すれば、DOOHを通してリアルタイムでその場にいるユーザーに対してパーソナライズな広告を発信可能です。

たとえばIoTが進むと、各場所に設置されているカメラによりユーザーのデータを収集できるようになるでしょう。

1.デジタルサイネージに設置したスポットで、カメラによってユーザーの顔を確認する
2.性別や年代などを把握して、キャラクターが適切なセリフで話しかけてくる
といった広告が既にテストされています。

この場合、カメラの精度が上がってユーザーのデータをより適切に感知できるようになれば、さらにパーソナライズされた広告を発信しやすくなるでしょう。

在庫切れを自動で感知しておすすめの商品を提示する

IoTと広告が連携すると、より生活に密着した広告配信が可能になります。

たとえば冷蔵庫の牛乳が切れた際、

1.スマート冷蔵庫が在庫切れを自動で感知する
2.ユーザーに在庫が切れたことを知らせてすぐ注文するか尋ねる
3.すでに収集したデータを基におすすめの関連商品を提示して購入につなげる

といった広告手法も取れるようになるでしょう。

「在庫が切れたから購入しないといけない」というコンバージョンにつながりやすい最適なタイミングで、最適な提案ができるようになるのがポイントです。現実の状況をデータ化できるIoTは無理のない広告提案を可能にするでしょう。

ユーザーの走行ルートに応じて、自動でクーポンを配信する

自動運転により自動車がコネクテッドカー(インターネットに接続できる車)化すれば、周辺のセンサーとリアルタイムで連携ができます。実店舗にとってはこれが好機になる可能性があります。

たとえばもう少しで自社のスーパーを通過しそうなターゲットユーザーに、

・1日限定指定商品無料クーポンを配布する
・今日のセール商品目玉を紹介する

といったこともできるようになるでしょう。既にスマホと店舗に設置したセンサーを連携させての広告配信は実験も行われているため、難しい技術ではないはずです。IoTは広告にどう影響するか

4.まとめ

今回はIoTとは何か、そしてできることや広告業界に与える影響などをご紹介してきました。

IoTによりリアルタイムで現実のデータを収集して、広告の提案に活かせるようになるでしょう。ただし広告にIoTを活用する際は、個人情報を特定できないように加工するといった工夫も必要です。

また将来的にはIoTだけでなくVRやAR5Gといった各ITも広告にかかわってくるようになるかもしれません。将来的に活用して、広告配信ができるよう今のうちにきちんと理解を深めておきましょう。