LTV気にしてますか?
マーケティング担当者としてアプリ運営している方なら、LTVという指標をみたことがあると思います。しかし、具体的にどのようなメリットがあるのか分からない方も多いのではないでしょうか。
ビジネスとして利益を上げたいなら、LTVについて詳しく知り、それをマーケティングに活かすべきです。そこで今回は、LTVの概要や活用方法を紹介します。具体的な計算方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。
LTVとはユーザーがそのアプリに対し、どれくらいの収益をもたらすのかを示した指標のことです。正式名称は「Life Time Value」といい、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。
例えば毎月1万円を課金するユーザーが、1年間アプリを利用した場合のLTVは、
- 1万円×12カ月=12万円
となります。
しかし、実際の計算はこれほど単純ではないことが多く、広告収入・プラットフォーム・国や地域・流入チャネルごとに、算出手法も異なるため計算過程も複雑になりがちです。
LTVは、課金制か月額料金制かなどさまざまな要素によって最適な算出方法が異なります。
自社サービスの特性・アプリの種類・経営戦略・期間などを考慮して、最適な方法を見つけましょう。ここでは、月額会員制の動画アプリと課金制のゲームアプリのLTVを算出する方法の一例をそれぞれ紹介します。
月額会員制の動画アプリ(サブスクリプションアプリ)
月額会員制の動画アプリのLTVは、以下のような形式で求めることができます。
- ・LTV=1ユーザーあたりの平均収益÷アプリの離脱率
月額料金を1,000円、アプリの離脱率を10%とすると、LTVは1000円÷0.1=1万円となります。
課金制のゲームアプリ
課金制のゲームアプリでは、以下のような形式で求めることができます。
- ・LTV=(ユーザーの課金総額+総広告収入額)÷累計ダウンロード数
1年間におけるユーザーの課金総額を1,000万円、ゲームプレイ時の広告収入の総額を500万円、累計ダウンロード数を10万とすると、LTVは(1,000万円+500万円)÷10万=150円となります。
このようにLTVの算出にはそのアプリの特性を捉えることがとても重要です。
アプリを継続的に使用しているか、また課金や購入が継続的であるか、などもLTVを計算する上で要素だと言えるでしょう。
アプリの特性を捉え、さまざまな要素を踏まえた上で算出されたLTVはより現実的で信用度に高いものになるのです。
LTVの計算に大きく関わるバイラリティとは
バイラリティとは、SNSや口コミなどが拡散されることです。
バイラリティを全く考慮しない場合は、最も誤差の少ないLTVを計算できますが現実問題としてより正確なLTVの計算には必要不可欠になってくる物です。
次の章でLTVの活用場面についてがわかるとより重要性を感じるでしょう。
LTVが活用できる場面
LTVは1ユーザーあたりの見込み収益を表すので、そのアプリにどれくらいの広告費をかけられるのかを推測する指標になります。
例えばLTVが500円なら、1ユーザーあたりにかけられる広告費がそれを上回っては採算が取れなくなってしまうので広告にかけられる値段は500円未満ということになります。
LTVの計算の際に、より現実的な数字を算出することを意識すると、それに伴って広告費もより信用度の高い数字になってくるのです。
大事なのはLTVではなく利益をだすこと
LTVが高いと、新規ユーザーを獲得しさえすれば利益が出ると思いがちです。しかしどれだけLTVが高くても、開発費・インストール代・税金などのコストがそれを上回れば赤字になってしまいます。
さまざまな要因を考慮し、最終的にどれだけの利益を得られるのかを重視することがとても重要なのです。
LTVはユーザーがアプリの利用期間中に、どれくらいの収益を上げるのかを示してくれます。そのため、1ユーザーあたりの獲得コストの把握に活用可能です。ただし大事なのは利益を出すことなので、高い値を出すことに固執してはいけません。
LTVは高い値を目指すのではなく、正確な利益を計算するのに活用しましょう。どのように利益計算するかは、サービスの特性や経営戦略などをみて決めます。メリットをしっかり把握して、自社サービスの利益向上に役立ててください。