「オーディオ広告(デジタル音声広告)」は従来のラジオ広告の邪魔になりにくいという強みを活かしながら、分析を伴った運用ができるといったデジタル技術ならではの強みも備わっている優秀な広告手法です。
Spotify・Radiko・ポッドキャスト、といったデジタル音声メディアで展開されています。
ところで、オーディオ広告についてはさまざまな企業や団体が効果に関するデータを公表しており、オーディオ広告が定量的にはどのくらい効果があるのか具体的に把握可能になっています。
今回はオーディオ広告の効果を数値付きで実感したい方向けに、他広告との組み合わせによる相乗効果も含めて具体的な効果をご紹介していきます。
1.音声広告の知られざる効果をご存知ですか?
調査会社として有名な「ニールセン」は、ラジオ広告も含めた音声広告の効果をデータで公表しています。
具体的にはディスプレイ広告と比較して
・広告の認知度が24%高まる
・購買意欲が2倍ほど向上する
・広告への理解度が28%ほど高まる
といった結果が得られています。
つまり、ディスプレイ広告よりオーディオ系の広告は好まれやすく、各指標にもプラスの効果を与えるのがポイントです。
またAdobe社の調査によると(アメリカ内の18歳以上消費者が対象)
・25%はスマートスピーカーで音声広告に触れている
・39%は他広告よりも音声広告が興味深いと回答
・38%はテレビやSNSなどの媒体の広告よりも音声広告に不快さを感じにくい
といった結果も出ています。( 引用元 : Adobe Blog 2019 )
スマートスピーカーがまだ広がっていない日本国内ではまた違う結果が出るでしょうが、今後スマートスピーカーが広がれば音声広告のタッチポイントとして重要な立ち位置を占める可能性があります。
またアメリカのデータとは言え、音声広告が興味深いと思われ不快さを感じにくいのは日本国内でも同じでしょう。
なお、日本国内で音声広告が現在どう思われているかについては、次の章でデータをご紹介していきます。
2.国内では有料音楽サービスのユーザーも増加中!感じ方も肯定的
「The Infinite Dial」と呼ばれている調査の2021年度版では、アメリカの12歳以上の消費者において
・57%がポッドキャスト利用経験あり
・41%は月間でポッドキャストを聴いている
という結果が公表されています。
ポッドキャストがアメリカ国内においてすでに定着しているのが分かるデータです。
また同調査では車に乗車した際に使った音声コンテンツの比較も公表されており、AMやFMラジオの成長は伸び悩む一方、ポッドキャスト系コンテンツは順調に成長していることも判明しています。( 引用元 : the Infinite Dial 2021 )
今後はさらにポッドキャストで音楽環境を構築するケースが増加していくかもしれません。
国内の音声コンテンツ利用者データについては「ICT総研」の調査が参考になります。
同団体では音楽配信サービスの国内利用者数は2023年度に2,930万人ほどになると予想。さらに無料サービスだけでなく有料サービスの伸びも順調に成長していくと推測しています。( 引用元 : ICT総研 音楽配信サービス利用動向に関する調査 )
ちなみに某新聞社と広告プラットフォームの共同調査によると、音声広告を聴いた際にその商品やサービス名について
・検索したくなる
・好意を感じる
・購入、利用したくなる
といったプラスの感情を持つ方がたくさんいることも判明しています。
受け入れられやすい広告としてオーディオ広告は高いパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
3.複数配信やディスプレイ広告との併用でさらなるリフトアップ
とあるブランドリフト調査においては
・音声広告のみの接触者でも認知約6倍、興味約3倍といった効果がある
・音声広告にもディスプレイ広告にも接触していると認知約8倍などの効果向上が発生
・音声広告に複数触れているとディスプレイ広告クリック率が非接触者比で約1.5倍になる
といった結果が公表されています。
つまり音声広告をディスプレイ広告と併用したり複数配信したりするとより効果が見込めるというのがポイントです。
複数広告を配信しながら相乗効果を見込むと効果がある事例は、オーディオ広告に限りません。
以前は「Facebook」がSNS広告とテレビ広告の相乗効果について公表を行った事例もあります。
特にオーディオ広告はユーザーの邪魔になりにくいメリットがあるので「事前にオーディオ広告で好意を高めた上で、そのまま画像や動画広告へ誘導して無理のないエンゲージメントへつなげる」といった活用法が試せそうです。
もちろん邪魔になりにくい音声広告でも、ユーザーへ興味のない広告を打ってしまったり何度も同じ広告を流すと嫌われる可能性はあります。
他広告と同じように運用しながら効果を見極め、媒体選定も含めて適切な運用を心掛けてみてください。
4.まとめ
今回はオーディオ広告のパフォーマンスについてデータを参考にしながらご紹介してきました。
オーディオ広告は、耳の可処分時間を活用するためにポッドキャスト系サービスの利用者が増加していることからさらに成長を見込める手法となっています。
また好意的に受け取られやすく、他広告との併用や複数回配信によりさらなる効果向上を発揮できるのもポイントです。
オーディオ広告を配信する際は代理店の選定や費用の最適化などの視点も持ちましょう。
デメリットもあるのでぜひ他広告とも併用しながらパフォーマンスを向上させてみてください。