ASA利用で起こる課題とは?解決方法も解説

「Apple Search Ads(ASA)」はAppleのアプリ広告配信サービスであり、iOSデバイス全般に広告を配信可能です。App Storeを基点にしたアプリ販促に最適になっています。

ただしApple Search Adsでも他広告サービスと同じように、課題が発生する可能性があります。なぜ課題が起こるのかを理解した上で、スムーズに対応できるようにしておくとよいでしょう。

今回はApple Search Adsで発生する課題や運用に失敗しないためのポイントなどを解説していきます。

1.ASAとは?

Apple Search Adsとは、検索広告などを配信できるApple公式の広告プラットフォームです。iPhoneといったiOSデバイスを所有しているユーザーへ、App Storeを通してリーチできるのが特徴になっています。

プランは

  • ほとんどの設定が自動化されているBasic
  • 規模感のある広告をカスタマイズして配信できるAdvanced

の2種類になっており、予算や広告の規模などによって好きなプランを選択可能です。

Apple Search Adsを使えば、誰でも楽に効果のある広告配信が可能になります。ただし広告配信効果が常に最適化されているとは限りません。たとえば突発的な事象の発生により広告効果が上手く出ないケースもあるので、過信は禁物です。

2.成果が出ない?ASAで起こる課題を一挙ご紹介

Apple Search Adsでは次のような課題が発生して、上手く成果が出ない事例もあります。

インプレッションが目標値を達成できない

このケースは「予算が限られているから絞って配信しよう」と考えすぎてしまった場合に発生します。

インプレッションとは広告がユーザーへ表示された回数であり、ユーザーと企業の最初のタッチポイントにもなる指標です。インプレッション数は、基本入札単価を上げて強気の姿勢を見せると増加していきます。ただしその分予算は早く消化されるでしょう。

だからと言って運用を始めたばかりのころから予算消化を嫌がるのはおすすめできません。Apple Search Adsの最適化にはインプレッションといったデータが必要であり、予算を絞るために消化具合を押さえてしまうとデータが集まりにくくなるからです。結局長期的な広告パフォーマンスが悪化して、返って予算が増加してしまう要因にもなりえます。

特にApple Search Adsは競合と比較しても広告枠が少ないため、入札調整は気を付けて行う必要があります。

CPCが上手く下がらない

「CPC」は1人当たりの広告クリック発生に掛かったコストです。CPCが低ければそれだけ低いコストでクリックアクションを獲得できた、ということになります。

Apple Search Adsのターゲティングはキーワードベースです。ユーザーの検索条件に応じて関連のアプリ広告を表示するためCVRが高くなるのがメリットになっています。

ただし入札単価が高過ぎるとCPCが高くなり、せっかくCVRが増加してもコスト効果を打ち消してしまうリスクもあります。入札単価を抑えすぎるのも駄目ですが、急増させてコンバージョンを無理に増やそうという考えもよくありません。

インプレッション数とコンバージョン数を両立させながら上手く単価を下げられるかは、広告運用のスキルも関係してくるでしょう。

リアルタイムな入札調整が難しい

この課題は運用をする企業というよりも、Apple Search Adsの性質によって発生する課題す。

Apple Search Adsでは配信実績レポートの時間帯別記録が、当日ではなく翌日以降に反映されるという性質があります。このため当日に時間帯別の配信パフォーマンスを見たくても実行するのは難しく、突発的なイベントが発生した際のリアルタイム分析および広告への反映ができないというデメリットがあります。

たとえば「当日14時にテレビCMがあり、それによって広告の露出度が上がりそうだ」としても、入札頻度をすぐ時間帯に分けてあげるのが難しいです。

3.最初の投資は大きめに!ASA運用で失敗しないポイント

Apple Search Adsの運用で失敗しないためには、次のポイントを押さえてみましょう。

入札単価を最初は高めにしておく

Apple Search Adsの運用をこれから始めるという場合は、入札単価を最初は高めにしておきましょう。たとえば需要が見込めそうなキーワードに対しては管理画面を操作して数百円単位で入札額の引き上げを行う、といった感じです。

もしインプレッション数増加に対してCVR増加といった効果が見込めなくても、配信の中でApple Search Adsが学習を行い、より最適な配信手法を自動で導き出してくれます。このため運用当初はApple Search Adsの学習に力を入れるようにしてみてください。

入札のコツがつかめた後は、数十円といった単位で細かく調節を行うことも可能になるでしょう。コストの細かい調節は後回し、といった視点を忘れないようにしてみてください。

CPCが低くなるであろう時間帯に配信を行う

CPCが低くなるであろう時間帯に絞って配信を効率よく行うことで、コスト引き下げが簡単になります。

たとえば

  • 11時~12時
  • 20時~21時

といった時間帯はCPCが低くなりやすいタイミングです。

上記時間はいずれも検索クエリが増加しやすく、その分広告在庫数も増えます。結果的に入札の競合性が弱まって低い単価で入札を行いやすくなります。

配信サポートツールを使ってみる

Apple Search Adsには配信をサポートしてくれるツールが存在しています。そういったツールを使うとリアルタイムの入札模様になるでしょう。

たとえば「株式会社サイバーエージェント」の「Apple Search Ads Bid Optimizer」は、時間別のリアルタイムレポートを格納して入札に活用、より細やかな入札調整ができるようになっているツールです。入札設定を1時間単位で設定できるといった特徴もあり、天気の変化といった突発的な事象による広告効果変動にも容易に対応できます。

4.まとめ

今回はApple Search Adsで発生する課題や運用に失敗しないためのポイントなどを解説してきました。

Apple Search Adsではインプレッションが稼げない、またCPCが下がらないといったトラブルが発生する可能性があります。突発的な事象変化によるリアルタイムの単価変更が難しい点も覚えておきましょう。

運用当初は単価を引き上げることを重視するといった点を理解して、対策へつなげてみてください。