チャットボットってなに?
ビジネスでは、現在「チャットボット」が一つのトレンドになっています。ユーザーの問い合わせ内容に自動で回答を行い会話形式で問題解決を図るチャットボットは、24時間365日働けるカスタマーサポートのような扱いで人気を得ています。
そんな中、広告業界でも「チャットボット広告」が登場しています。従来の広告にチャットボットが組み合わさることで、今までよりもユーザーに沿った効果的な広告配信が可能になっています。
今回は広告手法に関して知りたい方や、悩んでいる方向けにチャットボット広告とは何か、そしてそのタイプや活用のメリットをご紹介していきます。
1.チャットボット広告とは?
チャットボット広告とは、チャットボットが搭載された広告を指します。クリックやタップを行うとチャットが自動で立ち上がり、会話形式で質問を行っていきます。質問に応じてチャットボットがプログラム処理を行い、適切な回答を行います。「LINE」アプリのトーク画面を思い浮かべると、分かりやすいでしょう。
最近では、「AI(人工知能)」搭載の高度なチャットボットも登場しています。すでに「LINE広告」や「Facebook広告」などSNSで導入が進んでいるほか、バナー広告にもチャットボットを活用する動きが広まっています。
チャットボット広告には、次のタイプがあります。
辞書登録型
辞書登録型は、提供側があらかじめキーワードとそれに対する回答を登録しておく形式です。たとえばECサイト形式のチャットボット広告があり、その中でユーザーが「バッグ」というキーワードを入力したとします。チャットボットはバッグというキーワードに応じて、おすすめのバッグ商品などをユーザーに紹介します。
実装に関してコストが抑えられ、キーワードに応じてしっかりした回答ができるのが特徴です。その代わりキーワードに関係ない会話には回答しきれないので、「申し訳ありませんが回答できません」などの回答登録も必要になってきます。
選択肢型
選択肢型は、あらかじめ提供側がチャットボットに登録した選択肢をユーザーが選ぶことで会話が進んでいくチャットボット形式です。たとえば化粧品メーカーでは、ユーザー側から肌のどんな部分に問題があるかを取得したい場合があります。チャットボット広告の選択肢型で肌の画像を表示すれば、選択された部位に応じた化粧品提案が可能になります。
選択するだけなのでスムーズに回答が進められる他、選択肢に画像などのリッチデータを活用することで視覚的にも内容が分かりやすくなるのが特徴です。ただしユーザーが選択した内容に応じて、上手く誘導ができるように会話を組み立てていけるかがカギになります。
自由会話型
自由会話型は、ユーザーの会話内容をチャットボットが認識して回答を行うタイプです。AIにより会話内容を学習するので、運用してデータが蓄積されればされるほど適切な回答ができるようになります。たとえばユーザーの回答内容に応じて、自発的に商品やサービスを検索して提示することなども可能です。
ユーザーのさまざまな会話に回答できますが、他タイプよりコストが掛かり学習にもある程度時間が必要なのがデメリットです。
ハイブリッド型
ハイブリッド型は、今までご紹介したタイプを組み合わせてチャットボットを構築します。
その場に応じたタイプを使い分けて、よりスムーズに会話が進むように流れを作り出せます。チャットボットサービスを使えば、簡単にハイブリッド型のチャットボットを作成できます。
3.チャットボット広告のメリットとは?
チャットボット広告を活用すると、次のようなメリットがあります。
・ユーザーに広告内容を合わせられる
・会話形式でユーザーから自然に情報を引き出せる
・プッシュ通知でリターゲティングも可能
ユーザーに広告内容を合わせられる
従来の広告は、表示されればそれで終わりです。ですからユーザーのニーズに合わず、離脱していくケースも少なくありません。
チャットボット広告は、会話を進めていくたびユーザーに広告内容をパーソナライズできます。これによりユーザーの悩みや関心を顕在化し、最適なコンテンツを提示できます。
このようにチャットボット広告は、会話形式で潜在顧客を顕在顧客へとステップアップさせやすいメリットがあります。
会話形式でユーザーから自然に情報を引き出せる
従来の広告でも、ユーザーのデータを取得可能ではありました。しかし取得できるデータには限りがあり、ユーザーが実際にどんな悩みを持っているのかなどを細かく把握するには難しい面もありました。
しかしチャットボット広告では、会話形式で自然にユーザーから情報を引き出せます。これによりより深い内容をユーザーから聞き出し、マーケティング施策に活かせるようになります。
プッシュ通知でリターゲティングも可能
チャットボット広告は、会話が終わったら内容がそこで切れるわけではありません。プッシュ通知を組み合わせた、リターゲティングも可能です。
例えば気に入るバッグがその場になかった場合、後日チャットボットから通知で希望に合ったバッグ商品を通知してもらえます。他にも、ユーザーデータに応じたイベントやクーポン情報配信も可能です。
4.まとめ
今回は、チャットボット広告とは何か、そしてそのタイプやメリットなどについてご紹介してきました。
LINE広告やFacebook広告でも利用可能なチャットボット広告は、ユーザーとの相互会話が可能な新しい広告です。会話形式で情報を聞き出せれば、より緻密で確実なマーケティングが可能となります。チャットボット広告を提供しているサービスはまだ多くありませんが、ビジネスで活用の場が広がっているので広告のシェアも伸びていくでしょう。
ぜひチャットボット広告を戦略に組み込み、マーケティングを成功させてみてください。