iOS16等でWEBプッシュ通知がいよいよ解禁!広告への影響などを解説

「PWA」を使ったWEBプッシュ通知送信はAndroidではすでに解禁されていましたが、iOSでは解禁されていませんでした。しかし最近Appleの態度が変わり、WEBプッシュ通知を順次iOS16等で解禁することが発表され話題になっています。

今回はAppleのWEBプッシュ通知解禁のニュースについて解説していきます。WEBプッシュ通知が広告においてどのような効果をもたらしてくれるかもご紹介するので、ぜひご覧ください。

1.WWDCでiOS16等でのWEBプッシュ通知解禁が発表される

Appleデバイスでのプッシュ通知解禁が発表されたのは、2022年6月の「WWDC」です。開発者向け会議であるWWDCではAppleの最新の取組について最新状況が報告されますが、このたびプッシュ通知がAppleデバイスで順次解禁されていくことが発表されて話題になりました。

まずはPCにおいて、2022年度内にMacOS13 VenturaのSafari16でプッシュ通知が解禁されます。そしてその後、2023年にiOSおよびiPadOSで Safariを介したプッシュ通知サポートが解禁される予定です。

あくまで予定であり、こういった大企業のスケジュールは後ほど変更される可能性もあります。それでもAppleが公式に、今まで認めていなかったWEBプッシュ通知を解禁したことには大きな意味があります。

たとえば今までWEBプッシュ通知はAndroidや他の環境では使えていましたが、Appleデバイスではまったく使えなかったので、施策として適用するには難しい面もありました。特にAppleデバイスの多い日本ではWEBプッシュ通知の利用を検討したが取りやめた企業も少なくはないでしょう。今まで導入をためらっていた企業のWEBプッシュ通知利用を後押しするのが、今回のAppleからの解禁発表です。

すでにいくつかのWEBプッシュ通知サポートサービスが登場していますが、こういったツールの需要もiOSなどのWEBプッシュ通知解禁によってさらに上がっていく可能性が高いです。今のうちからどうやってWEBプッシュ通知を活用するか検討しておくとよいでしょう。

ただしユーザーにあらかじめ許可を取るオプトイン方式でONにする必要があるため、活用するためにはスムーズにユーザーへ通知の許可を取る工夫が必要でしょう。

2.iOS16等でWEBプッシュ通知ができるようになる意味とは?広告宣伝にも効果あり

iOS16等でWEBプッシュ通知ができるようになると、次のような効果が見込めるでしょう。

メールより開封率の高い伝達手段が使えるようになる

WEBプッシュ通知を使うと、ユーザーの継続フォローが可能です。ただし従来はWEBサイトを通じてAppleデバイスで通知を送信できなかったので、情報発信者としてはメールで継続フォローをしたりしていました。

ただしメールには開封率の低さがつきまといます。迷惑メールも増え対策に追われているユーザーが増える中、メールでの継続フォローが最適な手段とは限らなくなってきているのがポイントです。

対してWEBプッシュ通知は目立つようにユーザーへ表示・通知されるので、開封率が高いです。メールより確かなタッチポイントを持てるWEBプッシュ通知をAppleデバイス環境でも使えると、コスト削減にもつながりますし従来よりマーケティングの効率が上がります。

本当にWEBプッシュ通知に効果があるのか気になる方は、ぜひiOS16等での解禁後メールでの施策と効果を比較してみてください。その上で開封率やコンバージョン率を確認してWEBプッシュ通知のほうが高ければ、メールからWEBプッシュ通知へシフトしても安心できます。

アプリをわざわざ開発してまでプッシュ通知を導入しなくてもよい

今までAppleデバイスへ対応するために、ネイティブアプリを開発してプッシュ通知を送っていた方もいらっしゃるかもしれません。ただしネイティブアプリを作る方法はお金が掛かりますし、1から開発を行うと審査等もあり面倒です。

WEBプッシュ通知がiOS16等でも解禁されることによって、アプリを開発してまでプッシュ通知へ対応する必要性がなくなります。WEBサイト開発とネイティブアプリの開発とでは、WEBサイト開発のほうがコストを低く抑えやすいです。このためプッシュ通知を介した施策を従来より低コストで行いやすくなるでしょう。

広告としてクーポンや最新セール情報などを配信できる

WEBプッシュ通知はユーザーとのタッチポイントとしても有効です。

たとえばECサイトでは、新規購入のあったユーザーへWEBプッシュ通知で次回購入クーポンを発行することもできます。また最新セール・キャンペーン情報も好きなタイミングで通知できるのがポイントです。

単にサイト上やメールなどで情報を発信するよりも、ユーザーが気付きやすいように伝達できるのがカギになっています。広告の配信頻度やタイミングを調整することで、より適した配信ができるようになるので分析・改善を忘れないようにしておきましょう。

許可を取るのがメールといった手段より簡単

メールといった継続フォロー方法では、メールアドレスを登録してもらうといった作業が必要でした。こういったハードルによって、思った通りにフォローができていないケースもあるでしょう。

対してWEBプッシュ通知だと、訪問済ユーザーへ許可を1回取るだけですぐ通知を送信できるようになります。面倒な情報登録が必要なく、1タップ・クリックで許可取りができるのはメリットです。しかも1タップ・クリックのみでリンク先を開いて情報を見てもらえるので便利です。こういったハードルの低さは、タッチポイントの増加などにつながるでしょう。

3.iOS16等でのWEBプッシュ通知解禁と関連のある、PWAとは?

WEBプッシュ通知の解禁には、PWAも大きく関係しています。PWAとは簡単に説明すると進化したWEBアプリのことです。

従来ネイティブアプリのようなデザインでさまざまな機能を提供していたWebアプリでしたが、プッシュ通知といった端末に直接アクセスしないと使えないような機能は搭載できませんでした。それがPWAでは、専用のJavaScriptのライブラリを活用することでネイティブ機能の呼び出し・利用が可能になっています。

PWAによって開発者はプッシュ通知だけでなく、

  • オフラインでのページ読み込み
  • 読み込み速度上昇
  • ホーム画面へ簡単にアイコンを追加してもらえる

といった機能も使えるようになっています。

管理についてもネイティブアプリと比較すると、JavaScriptファイルやその周辺を操作するだけでよいので楽です。

PWAは完全にネイティブアプリにとって代わるような技術ではありませんが、対応プラットフォームはiOSをはじめ増加しているのでシェアは上がっていくでしょう。最近ではネイティブアプリといっしょにPWAを同時開発できるプラットフォームも登場しているのもポイントです。

PWAについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

4.まとめ

今回はiOS16等でのプッシュ通知解禁についてご紹介してきました。

Appleデバイスでのプッシュ通知解禁によって、PWAはより使いやすいものとなりました。今後はWEBプッシュ通知を含めた幅広い施策で、Appleユーザーにリーチできるようになります。

今のうちからAndroid環境などでWEBプッシュ通知を試してノウハウを蓄積しておくのも有効です。ぜひWEBプッシュ通知を施策へフルに生かしてみてください。