TikTokが現在、EC分野へ力を入れているのをご存じでしょうか。
たとえば最近ではShopifyと提携を行い、スムーズにTikTokの広告からShopifyへと消費者を誘導できるようになっています。TikTokではTikTok売れといった現象も発生しており、EC関係者にとっては魅力あるツールとなっています。
またWordPressのプラグインである「オープンカート(OpenCart)」とも提携して、さらにEC機能を拡充しているのもポイントです。今回はTikTokがオープンカートの提携に関するニュースや、オープンカートの概要などについて解説していきます。
1.TikTokとオープンカートが提携して話題に!
2022年7月11日に、TikTok公式からオープンカートとの提携が発表されました。
オープンカートはショッピングカートシステムの1つです。ショッピングカートシステムはECサイト上に商品のカート保管や、決済処理などの機能を搭載するために必要な機能となっています。
TikTokでは今回の提携によって、「あらゆる規模の企業やブランドがTikTokならではの購買文化を活用できるようになり、TikTokの熱心なコミュニティにリーチ可能なキャンペーン作成が可能になる」としています。
TikTokには一定のユーザー同士の集まり(コミュニティ)があり、それがベースとなって情報が拡散される仕組みができあがっています。競合となるSNSと比較しても拡散力は高く、その力がTikTok売れという、TikTok内での情報拡散がきっかけとなる商品の爆発的な売上増加につながっているのもポイントです。
「TikTok Marketing Science Global Retail Path To Purchase Study 2021」の情報によると、3人に1人のTikTokユーザーがアプリ内の商品をすぐに購入した経験があるということです。またTikTokユーザーが身近な人へアプリ上で見た商品を伝えておすすめする可能性は、競合よりも50%以上高いというデータも出ています。
今回の提携によってTikTok内で商品を見たユーザーは、そこから商品を選定して購入するのがより簡単になりました。提携による利便性の実現は、
- TikTokの最新のPixelを1クリックでインストール可能
- 既存の商品カタログを1クリックで同期可能
- オープンカートのダッシュボードから広告作成を一括して実行可能
といった施策によって可能となっています。
2.そもそもオープンカートとは何?多機能なWordPressプラグイン
オープンカートとはそもそも、WordPress上で利用ができる拡張機能、プラグインの一種です。EC向けのショッピングカートシステムとして提供されているオープンカートには次のような特徴があります。
オープンソースで開発されている
オープンソースなので、自由にカスタマイズしながら利用できます。ただしスキルが必要です。
公式ドキュメントあり
公式ドキュメントを確認しながら導入ができます。ただし英語なので読めないとドキュメントの利便性が低下します。
カテゴリ数・商品数・メーカー数無制限
自由にカテゴリを設定しながら商品登録ができるので、自店舗に合わせた商品掲載が可能です。さらに商品数も無制限なので、自由に登録したい分だけ商品を用意してEC上で販売が可能になっています。
また登録できるメーカー数も無制限です。制約が少ないので自由にECを提供可能です
多言語・多通貨対応
越境ECを提供する場合は、多言語や多通貨へ対応したプラットフォームが必要です。最初から多言語・多通貨対応を謳っているオープンカートでは、安心して越境ECを実現できるメリットがあります。
プラットフォーム選びを間違えると多言語・多通貨対応が難しくなるので、越境ECも見越してサイトを作る場合はオープンカートを検討してみてください。
商品へのレビュー機能も利用可能
ECサイトとして基本的に必要な、商品へのレビュー表示や星表示なども可能です。
UGCとして口コミは重要ですが、商品へレビュー情報を表示したり評価平均を星で表示したりすることで商品購入時の参考情報をユーザーへ提示可能になっています。ただし風評被害には注意しましょう。
ダウンロード形式にも対応
データを商品として販売する場合、ダウンロード機能を搭載しないと販売ができません。もしデータを商材として販売する予定がある場合は、オープンカートのダウンロード形式対応機能を使ってみてください。
多様な販売形式へ対応しているのもオープンカートの強みです。
画像の自動リサイズ
登録した画像が適したサイズへ自動変更されるので便利です。サイト作りに慣れていない場合は特に役立つ機能となっています。
複数の税制度へ対応
複数の税制度へ対応しているので、柔軟に法律にも対応可能です。
関連商品の表示
関連商品をレコメンドで表示する機能も搭載されています。大規模なECサイトで利用されている機能が手軽に使えるのも、オープンカートのメリットです。
重量基準の送料変更にも対応
物販の場合、重量を基に送料を算出する必要があります。オープンカートではそういった重量基準の送料変更へも対応しているので、間違って送料を提示してしまう心配が減ります。
割引クーポンの発行
クーポンはリピーター創出にも効果がある手法です。オープンカートではクーポンの発行機能も搭載されているので、マーケティングの促進にも役立ちます。
額面や利用期限などは相手の購買への熱意やリピーター度合いなどで調整するのが重要です。
SEO対策
ECサイトとしてのSEO対策も、オープンカート上で実行できます。SEOにも力を入れるとサイト自体に力が付いて上位へ掲載されやすくなりますし、購買にもよい影響があります。
SEO対策がオープンカートだけで不十分な場合は、他にもSEOに特化したプラグインがあるので、そちらをいっしょに使ってみてください。
バックアップ&リストアツールが利用できる
万が一ECサイトが破損したりしても、バックアップ&リストアツールで回復ができます。事前にバックアップを取っておいてインシデントへ備えておくと安心です。
拡張機能の追加
オープンカートでは拡張機能を追加して機能を強化することもできます。SNSや決済などさまざまなジャンルから強化したい機能を選んでインストール可能です。
印刷用インボイス
インボイスの印刷も、オープンカートを使えば簡単にできます。
売上レポートの表示
マーケティング分析に必須の売上レポートの表示も簡単です。施策通りに売上が成長しているか確認して、次へつなげてみてください。
エラーログの表示
エラーが起こった際の内容を、エラーログとして保管・確認できます。エンジニア担当者が確認すれば問題解決へスムーズに当たれるので便利です。
3.オープンカート以外でも提携先が増加中!TikTokが目指しているものとは
TikTokはShopify以外にも
- Salesforce
- チケット販売会社
- BASE
といったサービスと提携を行っています。
こういったECにかかわる分析やデジタルコンテンツ販売などを行っている企業と提携することで、総合的にEC機能を強化しようとしているのがうかがえます。実際BASEやShopifyを利用している方は以前よりもTikTokと結びつきを強めながら、積極的なマーケティングができるようになりました。
今後どのようなEC機能が強化されるのかチェックすると、サービス導入の際に役立つかもしれません。ぜひ最新情報を自分でもチェックしてみてください。
4.まとめ
今回はTikTokとオープンカートの提携について解説してきました。
オープンカートは多機能なショッピングカートシステムですが、このたびTikTokと提携したことで販売面を従来より強化できるようになりました。ぜひTikTok広告なども活用してEC施策を強化してみてください。
またTikTokの提携に関する最新ニュースも継続してチェックしておきましょう。