効率よく広告を管理・活用!Google 広告スクリプトの使い方をわかりやすく解説

Google広告を運用する際は、入札調整など雑多な作業が発生します。少しでも効率化したい方は「Google 広告スクリプト(Google Ads Scripts)」を利用してみてください。

Google 広告スクリプトでは各作業を自動化できる他、独自のタグを入力することでさらに機能を拡張することができます。今回はGoogle広告スクリプトとは何か、その具体的な活用事例や実際の使い方などをまとめて解説していきます。

1.JavaScriptベースで開発可能!Google 広告スクリプトとは

Google広告スクリプトとは旧称を「アドワーズ スクリプト(AdwordsScript)」と呼びます。アドワーズ スクリプトから数えると2012年から提供されており、意外と息の長いサービスとなっています。

Google広告スクリプトでは管理画面からJavaScriptでタグを実行することで、さまざまな処理を自動化、作業効率化へつなげられるようになっているのがポイントです。

  • 定型的な広告作業を自動化したい
  • 手動で行うある作業に時間が掛かり過ぎている

といった場合は活用したほうが効果的です。

  • 実行スケジュールを自由に設定可能
  • Google ドキュメントといったツールと連携可能
  • MCCアカウントでも使用可能

と機能も多く、使い方を覚えればいろいろな場面で応用して使えるのがメリットになっています。

ただし扱いには基礎的ではありますが、JavaScriptの知識・スキルが必要です。たとえばオリジナルのタグを使うケースでは理解しないで入力・実行した場合エラーが出る可能性も0ではありません。

  • JavaScriptがどういった順番で起動するのか
  • 構文の基本的な意味はどうなっているのか
  • よく使う構文はどれか

といった知識は最低限身に付けておき、入力方法も覚えて実践できるとよりGoogle広告スクリプトを役立てられるでしょう。

2.何ができる?Google 広告スクリプトの具体的な活用事例

Google広告スクリプトは、具体的に次のようなケースで活用できます。

アカウント異常検出

  • キーワードのパフォーマンスが急に悪化する
  • 広告配信において上手く配信されないエラーが出た

といった異常が発生した場合、管理画面を見てから気付くと対応が遅れる可能性があります。

そこでGoogle広告スクリプトによって「特定の異常が検知されたら、担当者宛てにメールを送信する」といった設定を行います。すると異常が検知されたらすぐ感知して対応を行えるようになるのがメリットです。

壊れたリンクをチェック

広告のLPリンクなどが意図せぬ理由で切れてしまうケースがあります。404エラーといった状況になって離脱が起きれば損失になります。

そこでGoogle広告スクリプトにおいて壊れたリンクをスプレッドシートに書き出してすぐ確認できるコードを組みます。すると対応しないといけないリンクを一覧から確認、正常にアクセスできるようにすぐ調整可能です。

品質スコアをチェック

広告の品質スコアについては管理画面からも確認できますが、「特定の指標だけを素早く確認したい」といったニーズもあるかと思います。そこでGoogle広告スクリプトを利用してみましょう。

定期的に必要な指標だけを抜き出し、簡単に可視化できるスクリプトもGoogle広告スクリプトでは組むことができます。

入札単価を変更

コンバージョンに関係するデータ等があれば、それをGoogle広告スクリプトで連携させて入札単価へ反映させられます。

たとえば1,000 回以上インプレッションを得られたキーワードだけを抽出、クリックの入札単価を20%引き上げる、といったコードを実行することが可能です。またインプレッションが得られなかったキーワードの入札単価を10%だけ引き下げるといったことも可能であり、必要な対応に合わせてコードを組めば利便性が増すでしょう。

キーワードの停止・解除

キーワードの停止や解除も、Google広告スクリプトによって自動化できます。

たとえば広告枠の減少が確認された場合、それが解消するまでキーワード出稿を停止することができます。そして解消されたら検知した上で再び出稿することが可能です。キーワードの停止調整は面倒な作業なので、自動化できると他の作業への時間が確保できて便利です。

MCCアカウント全体に変更を適用

Google広告スクリプトを使えば、MCCアカウント内の複数のアカウントに対して、1つのコードで処理を実行できます。

  • 入札単位の最適化
  • レポートの作成
  • 除外キーワードの競合調査

といったさまざまな作業をMCC内で一本化できるので便利です。

こういった点を考えると、MCCを複数所有・管理している企業では、よりGoogle広告スクリプトを活用したほうが効率化を狙えると言ってよいでしょう。ただしコードエラーが起きた際の被害も大きくなるので、検証はじっくり行ったほうがよいです。

スクリプトのテンプレートを使う

たとえばこのページのような画面でコードをコピーして、自社の広告運用自動化に使うことが可能です。

  • 概要レポートの取得
  • 無効なリンクのチェック
  • 掲載順位を最適化する

といったことがテンプレートのコードでは可能になっています。コード同士を組み合わせたり独自のコードを追加したりすることで簡単にオリジナルのスクリプトを作成・実行できるのもメリットです。

3.Google 広告スクリプトの使い方!初心者向けにわかりやすく解説

Google広告スクリプトは、次の手順で導入して使っていきます。

  1. Google 広告にログインする
  2. ツールアイコンをクリック後、「スクリプト」をクリック
  3. プラスボタンをクリック後、新しいスクリプトを作成
  4. スクリプト名の欄に入力を行う
  5. スクリプト エディタ ボックスへJavaScriptを入力
  6. 「保存」をクリック、あるいは「プレビュー」で実行内容を検証する
  7. 「今すぐ承認」→「アクセスを許可」でプレビューや実行時の許可を与える

JavaScriptを直接入力する際は、補助としてオートコンプリートや構文のヒントなどを参照可能です。また実行内容や構文エラーについては実行中に「ログ」の欄を確認すれば検証可能になっています。

ちなみに時間を設定してコードを実行する場合は、

  1. 「スクリプト」の「頻度」列で、スクリプトの頻度の値を選択
  2. 鉛筆アイコンをクリックして編集モードに入る
  3. 特定の日付や時間を選択する
  4. 「保存」をクリックする

で設定可能です。上記の手順を繰り返せば変更も可能になっています。

  • 1 回限り
  • 毎日
  • 毎週
  • 毎月

といったタイミングで実行日時を決めて予約することができます。

ちなみにスクリプト実行に関して悩みがある場合は「デベロッパー向けコミュニティフォーラム」を確認しててみてください。幅広い広告主が専門家のアドバイスや実践方法などを確認できる便利なフォーラムです。

4.まとめ

今回はGoogle広告スクリプトの活用事例、使い方などをご紹介してきました。

Google広告スクリプトを使うとJavaScriptベースでさまざまな作業を自動化できます。MCCアカウントにもまとめて実行ができるコードを作成可能なGoogle広告スクリプトは、使えば使うほど効率化を達成してくれるでしょう。

ただしエラーには十分注意しながら、検証まで行いコードに危険がないか確認してから利用するのを忘れないで見てください。