Xcodeでアプリを制作しよう
「Apple機器用のソフトウェアや、アプリを制作したい」と思った場合、必須となるのが「Xcode」です。XcodeはAppleの公式ツールであり、さまざまなApple機器に対応したソフトウェアやアプリを制作できます。
Xcodeを実際に利用する前に、何ができるのかを事前に理解しておくと操作がスムーズにいくかと思います。今回はXcode利用を検討している方向けに、できることや最新状況などをお伝えしていきます。
1.Xcodeとは？
Xcodeとは、Appleが2003年から提供を開始した「IDE（統合開発環境）」ツールです。
Apple機器のソフトウェアやアプリ開発に特化しているのが特徴で、
・iPhone
・iPad
・Mac
・AppleWatch
といった機器に対応したコンテンツを1つで作れるのが特徴です。
現在Xcodeは、「macOS」専用のツールとなっています。「Mac App Storeアプリ」からツールをインストールして、「プロジェクト」を作成しながらソフトウェアやアプリを開発していきます。Xcodeを使えば、アプリの開発からリリースまでを一気通貫して実行可能です。
ちなみにXcodeでは
・Swift
・C言語
・Java
といったさまざまな言語が使えますが、プログラミング初心者におすすめなのは「Swift」です。SwiftもApple公式の言語であり、少ない記述でいろいろな機能を実装できる便利な言語です。
Apple公式IDEのXcodeと公式言語のSwiftを組み合わせれば、さらにスムーズなソフトウェア・アプリ開発が実現します。
2.Xcodeでできること
Xcodeを使うと、次のようなことができます。
直感的な開発ができる
現在プログラミング関係のツールでは、「ソースを直接扱わずにプログラミングができる」機能を搭載するのがトレンドになっています。たとえばRPAツール（ソフトウェアをロボットプログラムで自動化するツール）の中には、ドラッグ＆ドロップで直感的にロボットを制作できる機能を持つものが複数あります。
Xcodeにおいても、コードを触らずにソフトウェアやアプリの開発が可能です。
・アプリのレイアウトを作る
・ボタンといったパーツを配置する
・指の動作を読み取る機能を追加する
といったことをドラッグ&ドロップで部品を配置しながら実現できるので、プログラミング初心者でも安心できます。
コードの編集サポートも便利
実際にプログラミングを行う際も、Xcodeを使うと開発時間を短縮できます。
Xcodeでは
・コードを途中まで打つと、自動で補完する
・コードを検索して表示する
といった機能で、コードの編集をサポートしてくれるからです。細かいところにまで手が届くのも、Xcodeの魅力です。
ソフトウェアやアプリのソースを簡単に管理できる
ソフトウェアやアプリ開発においては、ソースコードの管理も重要です。上手く開発チーム内でソースコードを共有しながら管理できなければ、開発の遅れにもつながってしまいます。
Xcodeでは、「Git」を活用して簡単にアプリのソースを管理できるようになっているのもメリットです。
・ソースコードをいつ、誰が変更したか調べたい
・ファイル内容を過去のものに戻したい
・編集された内容を比較したい
といったときには、Gitを使えば簡単に希望がかないます。
アプリのテストが可能
現在のアプリ開発では「アジャイル開発」が主流で、素早く新機能のテストを行って実際の提供まで移せるかがカギになります。バグを把握せずにそのままアプリを出してしまうと、ユーザーの不満を買ってパブリッシャー側のダメージにつながるかもしれません。
Xcodeでは、その場ですぐプログラムの読み込みテストを実行できる機能も搭載されています。リアルタイムでプログラムが正しいか確認できるので、テスト作業が効率化します。
コードとテストは常にリンクしているので、品質の確保につながるでしょう。
エディタを自分の好きなようにカスタマイズ可能
プログラミング作業においては、自分の適した環境に開発ツールをカスタマイズするのもポイントです。適した環境に変更することで、作業能率はアップするでしょう。
Xcodeでは、
・行番号を表示させる
・コードを強調して表示する
・コードのフォントサイズを変更する
といったように自由なカスタマイズが可能です。いろいろなカスタマイズを試して、自分が一番作業しやすい環境を整えてみましょう。
3.今後Xcodeが提供されれば、iPhoneでアプリ開発ができる時代がくる
従来のXcodeはMacでしか操作ができませんでしたが、最近流れが変わりつつあります。
2020年4月に有名なリーカーが、iOS 14と iPadOS 14でXcodeが使えるようになる という情報を流しました。そこから2020年9月にリリース予定のiOS 14から、iPhoneでもXcodeが提供されるのではないかと噂されていたのです。
この予想は、残念ながら外れています。2020年6月に行われたアップルの開発者向け発表会「WWDC」では、「iOS 14」や｢iPadOS 14｣の正式発表が行われました。しかし肝心のXcodeは「Xcode 12」という最新バージョンこそ発表されましたが、iOS 14やiPadOS 14に対応する仕様にはなっていませんでした。
ただしAppleのXcode 12公式説明ページでは、「Xcode 12はユニバーサルアプリとして設計されている」と記載されています。今後のXcodeの仕様変更次第では、iPhoneでもアプリ開発ができるようになるかもしれません。
4.まとめ
今回はXcodeでできることや、最新状況などをお伝えしてきました。XcodeはApple機器に関するソフトウェアやアプリ開発を行う場合、マストになります。ドラッグ＆ドロップによる直感的な開発やコード編集サポート機能などは、役立つ機能です。
今後Xcodeが、iPhoneでも使えるようになるかもしれません。Appleの最新動向をチェックして、時代に追いつきましょう。
