Cookie規制の動きが強まる中、各企業が対応を迫られています。今では日本国内でもCookieの同意バナーが表示されたりして、オプトイン形式で前もって情報取得に同意を得る仕組みが増えています。
そもそも同意バナーなどを表示・管理などを行うためには、CMPが必要です。Cookie関連の対策を行う方は必ずポイントをチェックして導入の参考にしてみてください。
今回はCMPとは何か、そして注目される要因やメリット・デメリットなどをご紹介していきます。
1.Cookie規制に対応するためのツール!CMPとは、をわかりやすく解説
CMPとはConsent Management Platform、つまり「同意管理プラットフォーム」の略です。Cookieといった情報の取得に関して同意をもらってデータ管理を行う際に使われるプラットフォームになっています。
CMPによって表示される同意バナーには、
- 単にCookie取得に同意するか同意しないかをシンプルに選択するもの
- あらかじめ複数のデータ項目を表示して、同意するもの、しないものに個別にチェックしてもらう
といったさまざまなタイプがあります。自社のサイト訪問状況や取得中のデータを把握した上で、適切なバナーで同意を求められるCMPを導入することが重要です。
Cookieの取得設定のオプトイン方式導入に関しては、自力でも作業は可能です。しかしHTMLやCSS、JavaScriptといった各言語を活用しながら、無駄のないわかりやすいバナーを作りデータを取得するのは意外と難しいです。またバナーの作成自体にデザイン性を求められることは特になく、時間を無駄に掛けるのもよくありません。
CMPによって無駄なバナー作成時間を省きながら、効率よく制限されたデータや許可されたデータについて確認ができるようになります。
ちなみにCMPからCookieの同意バナーを導入する際は以下のような流れで作業を行っていきます。
- CMPからWebサイトをスキャンする
- サービスタグを可視化
- サービスタグの分類・通信ON、OFFなどの設定を行う
- CMPタグの発行を行う
- 動作検証を行う
- 公開する
2.CMPが注目される要因!個人情報保護法改正についてもわかりやすく説明します
CMPが注目されるのは、次のような要因があるからです。いずれもCookieの規制に関係のある内容になっています。
GDPRの制定
アドテクノロジーの進化は自動化によって支えられてきました。ユーザーは入札や広告枠の確保といった面倒な作業を各プラットフォームで自動化、他の作業に取り掛かれるようにするのが一般的な広告運用体制になっています。しかしその中で
- 広告表示に関する内容のブラックボックス化
- 趣味・行動といったデータの乱用
などが起きてしまい、ユーザーがプライバシー面で心配するようになりました。
そんな状況を背景に、EUは「GDPR(一般データ保護規則)」を施行しました。2018年5月施行ということですでに4年以上経過しており、今では知らない方が少ないほど有名な情報保護に関する規則になっています。
GDPRではCookieを始めとする個人データについて
- 個人データとは識別された自然人または識別可能な自然人に関する情報のこと
- 氏名、識別番号、位置データなどは直接的・間接的に個人を特定する手段になる
といった内容を説明しており、個人データを取得する際は必要な情報を明示した上でオプトインで同意を得るように義務化を行いました。
対象はEU圏内に限りません。EUユーザーが訪問していれば、アメリカであろうと日本であろうとあらゆる企業のWebコンテンツが対象となります。制裁金は最高2,000万ユーロといったように厳しくなっているのもポイントであり、各国の企業は対応を急いでいます。
GDPRが制定された前後から、日本企業もちらほらCookie同意のバナーを設置するようになってきました。
CCPAの制定
CCPAはカリフォルニア州で2020年1月に施行された法律です。日本語では「カリフォルニア州消費者プライバシー法」と呼ばれるのも覚えておきましょう。
CCPAでは消費者がCookieを始めとする情報の開示を求めた際、企業が情報開示・削除などの対応を真摯に行うことを義務付けています。消費者がデータを収集された際、不当にデータを扱われないようにルールを決めたものだと言えます。
CCPAではデータの取得方式を特に定めていません。ですからオプトアウトでデータ取得の同意が事後方式になっても、データの開示や削除に対応すればよいので比較的緩い法律だと言えるでしょう。ただしGDPRといった法律が普及して当たり前になれば、今後より厳しく変更される可能性はあります。
個人情報保護法の改正が行われる
日本でも大手企業のサービスがCookieなどを利用して個人を細かく特定できるようにした上で、外部に提供していたことが明らかになったりして騒ぎが起こりました。こういった状況下で、日本政府は個人情報保護法の改正を行っています。施行は2022年4月です。
Cookieは新定義である「個人関連情報」という分類にくくられるようになりました。個人関連情報とは
- 生存する個人に関する情報
- 個人情報、仮名加工情報や匿名加工情報のいずれにも該当しないもの
に該当する情報です。
そして個人関連情報を「関連情報取扱事業者が個人データとして取得することが想定される」場合、本人の同意をオプトインで得る必要があるというのがポイントです。従来のようにオプトアウトで事後確認ができなくなりました。
今後日本でもCookieに関するユーザーからの開示請求などが増加する可能性があるでしょう。個人情報保護法改正によって、CMPを使いCookieの同意バナーを表示する企業がさらに増えた印象があります。
3.CMPを導入するメリット・デメリットとは?一括でCookie等を管理するのに必要
CMPを導入すると、次のようなメリットやデメリットがあります。
メリット
- ユーザーがデータの取り扱いに納得した上でWebサイトを利用できる
- 企業はサービスタグを可視化して整理ができる
- 企業は必要なタグのONや不必要なタグのOFFが簡単に実行できる
まずユーザーはデータの取り扱いを確認した上で、安全にWebサイトを利用できます。
企業としてはサービスで使っているタグをすべて管理画面から一覧で確認、整理できます。必要なタグは自動でON、いらないタグはOFFにすることで簡単にタグの管理ができるのもポイントです。
デメリット
- 機能がWebサイトと合っていないと上手く活用できない
- 導入に関してコストが掛かる
CMPの機能はサービスによって多少異なります。デザインのカスタマイズ性や表示設定の柔軟性などを比較してから導入しないと活用が難しくなるでしょう。
また導入に関して多少コストが掛かるのもポイントです。Webサイト規模が大きいと安いCMPでは対応できない可能性もあるので注意していきましょう。
4.まとめ
今回はCMPとは何か、そして注目される要因やメリット・デメリットなどをわかりやすくご紹介してきました。
CMPによって日本も含めたCookie規制の動きへ適切な対応ができます。Webサイトのタグ整理や管理などを行う際にも便利なので、カスタマイズ性なども考えながら適切なCMPを導入しておきましょう。
またCookieから脱却できるターゲティング広告を導入するのも忘れないでおいてください。