Cookieと広告の関係性って何?初心者でもわかりやすく解説!

Cookieって結局なに?

広告配信において重要なのは、興味のある方に向けて配信できるように工夫することです。広告を配信するためのターゲットユーザー情報収集にはいろいろな手法が使われていますが、その中でも歴史が長いのが「Cookie(クッキー)」です。

Cookieは私たちがこうしてWebサイトを見ているうちにすでに発行されており、消去などをしていない場合は大量のCookieが知らず知らずの内に保存されています。こう聞くと気持ち悪く思う場合もあるかもしれませんが、Cookieは広告業界において重要な役割を果たしてきました

今回は初心者にも分かりやすいようにCookieとは何か、そして仕組みや広告との関係、将来どういう扱いになるのかなどを解説していきます。

広告業界において重要な役割を果たすCookieとは

1.Cookieとは?

Cookieとは分かりやすく説明すると「Webブラウザーにデータを保存する仕組み」を指します。

Cookieは、「Java Script」などのWeb技術を普及させた「ネットスケープ」社のエンジニアが開発しました。最初はユーザーの自社サイト訪問可否を判断するために使われていましたが、今ではさまざまな企業がWebサイト上でユーザー情報を取得するためにCookieを利用しています。

Cookieのデータには、以下などがあります。

  • ユーザーの閲覧回数
  • ユーザーのアカウントID
  • 閲覧している商品やサービスに紐づくID

たとえばユーザーのアカウントIDがCookieとして保存されていれば、ユーザーは会員制サイトに再訪したときいちいち同じID情報を入力せずにすぐログインが可能になります。またECサイトではユーザーが閲覧した商品やサービスページに紐づくIDをセットしておけば、閲覧済みの商品やサービスを履歴としてユーザーの次回サイト閲覧時に表示できます。

このようにCookieは企業だけでなく、Webブラウザーを使っているユーザーにもメリットがある仕組みだと言えます。

CookieはWebブラウザーにデータを保存する仕組み

2.Cookieの仕組みは?

Cookieは主に、次のような仕組みで動いています。

  1. WebサーバーやアドサーバーがWebブラウザーにCookieを送信
  2. Webブラウザー内部にCookieが格納される
  3. 閲覧済みのWebサイトに再訪したり別Webサイトに訪問したときCookieが読み出される
  4. 読み出されたCookieを元に各サーバーが処理を行う

最近ではCookie保存前に同意を求める画面を表示するWebサイトも増えてきましたが、日本に限って言うならばまだバックグラウンドでCookieを保存するWebコンテンツが多い印象です。

Cookieでは個人を直接特定できるようなデータの保存はされず、匿名性が確保されています。そして基本的にはユーザーと企業、それぞれの利益のために使われています。

ユーザーと企業、それぞれの利益のために利用されているCookie

3.Cookieと広告の関係とは?

先ほど言ったように、Cookieは閲覧中Webサイトから送信されるもの(ファーストパーティーCookie)と、そうでないもの(サードパーティーCookie)の2種類が主に存在します。
そしてそれぞれのCookieは、

  • ファーストパーティーCookie:訪問しているサイトのドメインから発行され、
    保存したWebサイト内でしか利用できず外部からのアクセスは認められていない。
  • サードパーティーCookie:ユーザーが訪問しているサイトのドメイン以外から
    発行され、ドメイン間で共有することができる。

と区別されています。

前述したとおりサードパーティーCookieは、別ドメインのWebサイトからも参照できるため、広告配信会社などが利用しています。

広告配信会社は取得したサードパーティーCookieをもとに、各ユーザーがどのようなことに興味があるかなどを把握可能です。こういった性質からサードパーティーCookieを、「トラッキングCookie(後追いが可能なCookie)」とも言います。

そして各Webサイトに、ユーザーに合った広告を配信します。何かしらのWebサイトを見た後にそのページに関係するような広告が表示されるケースがあるのは、このためです。

ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookie

4.Cookieは規制トレンド

EUのデータ保護規則「GDPR」

たとえば個人情報保護に世界で最も積極的ともいえるEUでは、「GDPR」と呼ばれる個人情報保護の仕組みなどを定めた規則を施行しています。GDPRではCookieを含めたトラッキング手法で集めた各インターネット上のデータも個人情報として扱い、ユーザーに同意を求めずに利用する行為を原則禁止しています。

これによりEU圏をターゲットユーザーとするWebサイトを運営する企業は、Cookie利用同意画面の表示を行うように仕様を変更するなどの対応に追われました。

「Safari」に「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」を実装

 Appleでは、iPhoneなど自社端末で使われているブラウザ、SafariにITP(Intelligent Tracking Prevention)を実装しています。ITPではトラッキングを行うためのCookie利用を制限しており、Cookieだけを利用してリタゲーティング広告などを配信していた企業はiPhoneなどで上手く広告を表示できないようになってしまいました。

Appleは個人情報保護については積極的な姿勢を以前から見せており、今後もユーザーのプライバシーを保護するための施策を打ってくる可能性があります。

Cookieに代わるトラッキング方法

日本政府もCookieを規制する方針で動いていますし、最近の情勢から考えるとCookieに頼った広告配信は最善とは言えません。今後はスマホ識別子を使ったトラッキングなど、Cookieに代わるトラッキング手法が登場しています。前述したような規制を踏まえると、Cookieに頼らない方法を検討してリマーケティグを行ったほうが得策かもしれません。

5.まとめ

今回はCookieとは何か、そして仕組みや広告との関係性、現状などを解説してきました。

これまで自動ログインや広告トラッキングなどで有効な役割を果たしてきたCookieですが、最近は個人情報保護などの観点から厳しい目が向けられています

これからアプリ広告など各広告を配信する際は、様々な規制や規約を考慮しながら、より良い手法を検討しましょう。