iOS14がついにリリース!
2020年9月17日、Appleより「iOS14」が正式にリリースされました。
iOS14ではアプリが管理しやすくなったりと、従来のiOSと比較してユーザーファーストにより軸を置いた変更がされています。ただし広告業界に悪い影響が出るのではないかと懸念されている機能も搭載されているので、注意が必要です。
今回はiOS14の広告業界への影響を知りたい方向けに、iOS14のプライバシー機能や今後広告業界に起こりうる影響などを解説していきます。
1.iOS14ではプライバシー機能がさらに強化!
iOS14ではプライバシーに関する機能がさらに強化されました。Appleの街中の人々がクレジットカードの番号や自分の検索履歴を大きな声で話すCM、最近よく目にしますよね。プライバシー機能の強化はiOS14においてとても重要視されているポイントになっています。
元々Appleはトラッキングを好ましいものと思っておらず、ユーザーの個人情報を保護するスタンスをとっていました。iOS13にはその姿勢が濃く表れているといって良いでしょう。
2.iOS14に搭載されたプライバシー強化機能とは?
ここからは実際に、iOS14に搭載されるプライバシー機能をご紹介していきます。
位置情報を大まかに送信できる
iOS14では、位置情報の設定が変わりました。従来はアプリに位置情報を提供する、提供しないのどちらかを選ぶ必要がありましたが、これに大まかな位置情報のみを提供するという選択肢が増えます。
ユーザーが位置情報を大まかにのみ送信する設定にした場合、アプリ側からは地域ベースでしかユーザーのいる位置が把握できなくなります。これによりユーザーは、「どこで買い物をしてどこで外食をした」といった細かい情報をアプリにトラッキングされなくて済むのがポイントです。
また完全に位置情報を取得できないわけではないため、天気アプリやニュースアプリなどは問題なく動作します。「アプリ側へ正確な位置をトラッキングされたくないけど、位置情報を使うアプリは利用したい」と思う方は、新しい選択肢を選ぶかもしれません。
カメラやマイクの使用がランプではっきり分かる
iOS14では内蔵のカメラやマイクがアプリによって作動している場合、その履歴データを簡単に追うことができるようになっています。
画面上部にマイクが作動しているときにはオレンジのランプアイコン、カメラが作動しているときにはグリーンのランプアイコンが表示され、起動中なのを明示してくれます。「アプリがユーザーに知らせないで、勝手に情報をマイクやカメラなどから収集していないか」をランプ表示でチェックできるのがポイントです。
アプリのダウンロード前に、収集される情報の確認が可能に
iOS14では、アプリに収集されるデータを簡単に確認できます。アプリのダウンロード時に、
・金融機関情報
・連絡先
・個人を識別可能な情報
・位置情報
といったデータを取得するかどうかを画面で事前に確認可能です。機能に対して一見必要のないデータを収集しているアプリは、ユーザーに疑惑の目を向けられるでしょう。
3.プライバシー機能が強化されると広告業界にどんな変化がある?
iOS14のリリース前、広告業界で特に問題になっているのは、「アプリにデータトラッキングされる際、事前に許可するかしないか選べる」プライバシー機能です。
この機能は元々iOS14リリース時から適用される予定でしたが、Appleがリリース直前に2021年に延期することを正式に発表しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
iPhoneでは「IDFA」と呼ばれる端末識別子が使われており、精度の高いターゲティング広告を提供するため多くの企業が利用していました。上記の機能が適用され類と、IDFAの使用を許可しないユーザーが増えると予想されます。
これにより、「ユーザーに適した広告を出したくても、表示できずに広告パフォーマンスが大きく下がる」事態に陥る危険性があります。
「Facebook」は、iOS14により大きな悪影響を受けると発表しました。アプリ開発者といったクライアント向けに提供している広告ネットワーク、「Audience Network」の精度が大きく落ちるとしています。Facebookでは広告の配信テストを行い、結果的に広告主の収益が50%以上ダウンしたとしてAppleを批判しています。
またIT大手の「Google」も、ターゲティング広告により収益を挙げているのでFacebookと近い立場です。他にもヨーロッパの広告グループがAppleを批判しており、今後も企業間の対立が深まる可能性があります。
今後広告業界では、IDFAに頼らない新しいトラッキング方式を考える必要があるでしょう。
4.まとめ
今回はiOS14のプライバシー機能や、今後広告業界に起こりうる影響などを解説してきました。広告業界の方は2021年のIDFAのオプトイン化に向けてきちんと準備を進めておくことが重要になるでしょう。
iOS14についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。