iOSではAppStore、AndroidではGooglePlayといったように、アプリストアはOSごとに決まっています。しかしアプリストアレビューの重要性はどこでも変わりません。よい評価がよい成長へとつながります。
よいアプリストアレビューの集め方にはコツがあり、すでに成功している事例から参考情報を吸収できると役に立ちます。ただし1から成功事例を集めようとすると面倒なので、良質な事例をすぐ参考にできればすぐに役立てることができるでしょう。
そこで今回はアプリストレビューの成功事例をすぐ見たい方向けに、実際の事例を厳選してご紹介、そこから見えるレビュー収集のポイントまで解説していきます。
1.アプリストアレビューの影響とは?データをもとに解説
アプリストアレビューがどれだけアプリの成長に影響するかを、リサーチ会社大手であるアメリカの企業「Apptentive」が調査しています。
Apptentiveによると
- 70%のユーザーがアプリをダウンロードする前にレビューを確認
- 星1だと12%、星5だと100%といったように、星評価とダウンロードを検討する割合には相関関係がある
- レビューを星2から星4といったように改善すると、改善率が高いほどダウンロード率が上昇する
といった結果になっています。
ストアレビューは「UGC(ユーザー発信のコンテンツ)」であり、アプリを問わずECといった業界でも重要度が高まっている情報です。企業のよいように加工された情報よりも、ざっくばらんに正直な利用感想を書いたレビューのほうが役立つ、と考えているユーザーも相当数いるからです。ダウンロード前にレビューを確認して判断する方もかなりいます。
また星1評価を仮に星5まで引き上げられると、ダウンロード検討するユーザーの割合が12%→100%で88%増える、といった劇的な数値になります。ダウンロードをためらわせないためには、それなりの高評価を平均で稼いでおく必要があるでしょう。
さらに星1→星2よりも星1→星3のほうがダウンロード率上昇割合が高い、といったように、評価の星が劇的に増えるとダウンロード率も爆発的に伸びる、という結果も出ています。レビューを放置して評判が悪くなっている場合は、体制を改めることでアプリ成長率を高められます。
アプリストアレビューの重要性については、以下の記事も参考になるので確認してみてください。
2.アプリストアレビューを集められる成功事例!ジャンル別に解説
ここからはジャンル別に、アプリストアレビューを集められる施策を行った成功事例を解説していきます。
ニュースアプリ
とあるニュースアプリでは、よいレビュアーを探すための工夫を行いました。
具体的にはまず分析によって判明した、「アプリを3日以内に10回ほど起動している」ユーザーをヘビーユーザーとして設定。ヘビーユーザーへ「アプリを楽しんでるかい?」といった問いかけで始まるレビュー誘導を行って評価を獲得しました。
結果としては約90%のユーザーが星5を付ける、という非常によい効果が得られています。
他にもニュース一覧の一枠に絞って問いかけを設置して邪魔にならないように工夫するといった施策で、UIを損ねないでレビュー獲得に成功しているのもポイントです。プッシュし過ぎると嫌われる可能性もあるので注意してみてください。またクオリティが高いアプリでないと星5の評価が一気に獲得できる、という状況を作るのは難しいでしょう。
音楽アプリ
某音楽アプリでも、ニュースアプリと同じような施策でよいレビュー獲得へ成功しています。
具体的には音楽視聴中といった楽しんでいるタイミングでレビューを依頼。ターゲットを「ライブラリへ好きな曲を8曲以上登録しているヘビーなユーザー」へ絞って依頼を配信することで高い評価獲得へつなげています。
この事例では「アプリの不満」に関するフィードバックも寄せられました。音楽アプリ開発側は不満もおろそかにせず、アプリの修正や機能追加等を行っています。
全ユーザーへポップアップしたときよりも10倍以上レビュー回収効率が上がったということもあり、ヘビーユーザーへターゲティングしたレビュー依頼がいかに重要かを認識できる事例となっています。また悪いレビューも上手く活用してさらによいアプリへアップデートしたのもポイントです。
決済アプリ
日本の某大手QRコード決済アプリでは、支払い回数が3回目に達したユーザーへ評価を依頼する施策を実施しています。まず「このアプリを気に入ってもらえたか?」を問い、その後「はい」を選択したユーザーへアプリストアに飛ぶポップアップを表示してレビューを促す仕組みです。
3回目という区切りでレビュー意欲が高いユーザーを選定、スムーズにレビューできる仕組みを整えているのがポイントになっています。
ちなみにこの決済アプリを配信している大手企業グループでは「地図アプリにて新機能を起動時に紹介、「使いやすい」という回答をしたユーザーへレビュー依頼する」といったように、アプリごとに適した方法でレビュー獲得をしようと工夫しています。もしアプリを複数所有している場合は、アプリごとに適したレビュー依頼を行ってみましょう。
3.成功事例から分かる、アプリストアレビューを集めるポイント
ここからは成功事例から確認できる、アプリストアレビューを上手く集めるポイントを解説していきます。
アプリにとって最適なヘビーユーザーを設定・選定する
よいレビューを書いてくれる人は当然アプリによい感情を抱いているユーザーです。しかしアプリごとに、どのようなユーザーがよい感情を抱いているヘビーユーザーなのか変わってくるのもポイントになります。
事例では
- 指定日数に指定回数以上起動を行っている:ニュースアプリ
- ライブラリへ曲を指定以上保存している:音楽アプリ
といった設定がされており、数値もばらばらです。
つまりアプリごとに分析を行い、何をもってロイヤリティの高いユーザーと定義するのかルール付けしておく必要があります。当然定義付けを施策の成功可否によって適宜調整する工夫も必要です。
そしてヘビーユーザーへピンポイントな依頼を行うことが、よいレビュー獲得を効率化する結果へとつながります。
邪魔にならないよう、スムーズなUIで依頼をするよう心掛ける
ヘビーユーザーへ依頼をできる状態になっても、ユーザーが依頼を邪魔と思っては意味がありません。ロイヤリティ低下といった悪い方向へつながる可能性もあるでしょう。
そこで邪魔にならないよう、すぐレビューができる体制をアプリ内で作っておくというのも重要です。成功事例では邪魔にならない位置で依頼する、ポップアップからすぐ選択でレビューへ飛べる、といった工夫でスムーズなレビュー獲得を実現しています。
レビュー依頼のUIは実際に提示を挟みながら、より分かりやすいスムーズな内容になるよう改善を続けることも必要です。分析ツールを使いながらスムーズにレビューが行われているか確認してみましょう。
低いレビューが来たときもフィードバックとして参考になることへ注意する
もしレビュー依頼で低いレビューが複数集まったときも、活用できるというのを意識してみてください。
- アカウント登録が若干面倒
- たまにフリーズして再起動する必要がある
といったレビューはアプリ機能自体の改善へ活かせます。開発者側では気付けなかった改善点もたくさん見つかるでしょう。
これ以上悪いレビューを増やしたくない場合は改善を行うとともに、並行してレビュー返信も行ってみてください。テンプレートに頼らない適した謝罪や改善策提案などを行うことで、ロイヤリティ醸成にもつなげやすくなります。
もしアプリ利用に関して致命的な点がレビュー洗い出しで見つかった場合は、最優先で対応して改善へつなげる必要があります。
4.まとめ
今回はアプリストアレビューの成功事例を厳選、さらにそこから見えるレビュー収集のポイントまで解説してきました。
アプリストアレビューを獲得するにはヘビーユーザーを設定する、スムーズな依頼フォームを設置して書き込みを依頼するといった工夫が必要です。他にも参考事例は見つかりますが、まずは今回の記事の事例をじっくり考えてどう活かせるかシミュレーションしてみてください。
ぜひレビュー収集を成功させて気持ちよいアプリ成長へつなげてみてください。