なぜ成功したのか?GACの成功事例から運用のコツを学ぼう

「GAC(Googleアプリキャンペーン、旧略称UAC)」は、「Google広告」内のアプリ広告配信機能です。アプリをGoogleコンテンツを使ってアピールしたい際に有効な手段となっています。

GAC活用ですでに成功している企業からの情報を参考にすれば、スムーズにコツをつかみながらGACでの広告運用ができるでしょう。

今回はGACの成功事例、そしてなぜ事例で紹介されている企業がアプリ広告運用で成功できたのか、そのコツを探っていきます。

1.GACとは?Google広告内のアプリ広告サービス

GACとは

  • 検索広告キャンペーン
  • ディスプレイ広告 キャンペーン
  • 動画広告キャンペーン
  • ショッピングキャンペーン

といった各Google広告機能の1つに分類されます。自社アプリを外部へ宣伝したい企業向けの機能であり、

  • テキスト、画像、動画、HTML5データ、アプリストア内掲載情報などを組み合わせて
  • 指定した目標を基に配信設定が自動最適化される

といった機能が魅力的です。

  • Google検索
  • YouTube
  • Google Play
  • Google Display Network

といったコンテンツを配信面としてアプリを適切に宣伝できます。

またGACではAndroidアプリだけでなく、iOSアプリの宣伝も可能になっています。

ですからアプリを提供するプラットフォームに限定されず、広告を打ちやすいと言えるでしょう。

2.ウイルスアプリやゲームアプリなど!GACの成功事例をご紹介

GACの成功事例は次の通りです。

男女マッチングサービス:新規ユーザー数増加や獲得単価(CPI)の改善に成功

某男女のマッチングを促進するサービスでは、既存の検索広告やディスプレイ広告などのパフォーマンスに限界が来ていました。長期間配信を行っていた分、新規の会員登録数の成長が止まってしまったのです。

そこでサービスとしてアプリという提供形態を追加した上で、アプリのユーザー獲得などを実現するためGACを導入しています。

結果としては

  • CPI:74%減少
  • インストール数 :2.6倍に増加
  • CTR :2.3倍に増加

といった成果が出ました。

  • 長期的に配信データを蓄積していたので、それを活用してGACの機械学習を促進できた
  • 認知目的で検索・ディスプレイ広告を並行して配信し、GACとのシナジーを得ることができた
  • アセットの画像、動画、テキストの追加と精査を繰り返すことで、効果の広告クリエイティブに消化を寄せることができた
  • GACのリリース当初からいち早く配信に取り組むことで、他の媒体とは異なる新しいユーザーへアプローチすることができた

といった点が成功点として挙げられています。

セキュリティアプリ:CPI約70%削減などを実現

某大手セキュリティアプリサービスでは、CPIが目標値より高くなっているのが課題となっていました。無料体験版を提供の上で購入に結び付ける過程において、コスト削減が上手くできていなかったのです。

そこでCPIを減少させるために

  • コンバージョン率の高い新規端末ユーザーを狙い撃ちする
  • コンバージョン率を高める機能(コンバージョン オプティマイザー)を導入

といった手法をGACを活用して実施しています。

新規端末ユーザーとして「セキュリティ対策の必要性が高くかつアプリダウンロードにアクティブな、端末利用90日以内の新規ユーザー」を設定しました。またコンバージョンオプティマイザーは入札調整における自動化・最適化を実現できる機能です。

結果としてはまず、ターゲットを新規端末ユーザーに絞り込んだことで、見込み顧客へのリーチが増えました。具体的には端末利用から90日内のユーザーにターゲティング、CPI を69%に減少させました。

また入札の完全自動化によって、目標CPI以内でのCVR最大化を実現しています。端末利用が91日以上になっているユーザーのCPIも70% 低下しました。

「長期的なキャンペーンを安定した状態で配信できるのがGACの強み」だと担当者の方は語っています。

3.GACで成功するためのコツ!自動化機能活用は重要

ここからは事例を参考にしながら、GACで成功するためのコツをご紹介していきます。

長期的に運用を行いデータを蓄積する

アプリ広告運用では、データの量や質がモノを言います。運用していれば自然とよいデータは集まるので、GACでもいかにして長期的に運用を行いアプリ関連のデータを蓄積できるかがポイントです。

もちろんGACを配信開始していなくても、すでにアプリに関するデータが蓄積されていればそれを活用してかまいません。とにかくアプリに関係するデータを資産として自社で蓄積、誰でも活用できる体制を整えておけると安心です。

GACだけに必ずしも絞る必要はない

「広告に掛けるコストを少しでも減らしたいから、GACに絞って広告配信してみよう」という考えは広告の可能性を狭めてしまいます。Google広告内にはGACだけでなく検索エンジンやYoutubeなどでタッチポイントを持てるキャンペーンも用意されており、性質もそれぞれの配信方法で異なります。

  • 検索エンジンでアプリに関することを詳しく調査しているユーザーへリーチしたい
  • Youtubeでリンクを入れて、分かりやすくアプリ機能や魅力を解説したい

といった希望があれば、複数の広告をアプリ配信へ活用してデータを蓄積してみましょう。

機械学習による自動化機能を活用する

「ある程度ノウハウがあるから配信設定は細かく自社で行いたい」というケースもあるかもしれません。しかし年を経るにつれてGoogle広告の機械学習機能は優秀になっており、基本設定は返って広告に任せてしまったほうが上手くいく可能性もあります。

GACでも機械学習を通じてコンバージョン数、CPIなどを最適化してくれます。たとえば機能を活用して広告配信コストに基準値を設け、高いパフォーマンスが見込めるようであれば自動でコストを増やし露出度を上げて配信する、といった融通を利かせることも可能です。

アプリ広告運用が初めての場合も、機械学習がサポートしてくれるので安心して広告を打てます。ただしすぐに広告配信効果が出るとは限りません。1年や2年といったようにある程度の期間運用を行いデータを集めることで、機械学習は最適化されてよりよいパフォーマンスを獲得できるでしょう。

4.まとめ

今回はGACの成功事例、そして運用で成功するコツなどを解説してきました。

GACは機械学習が活用されており、目的に合わせて広告配信が自動化されるといった機能があります。またGoogle広告内の他広告配信機能との相乗効果も見込めるのがポイントです。複数の企業がGACの特性を活かしてCPI低下、コンバージョン数向上といったよい効果を挙げています。

ぜひ事例も参考にしながら成功ポイントを確認して、スムーズに広告運用できるように準備してみてください。