Twitterにおいて、投稿のリプライ欄はよく確認される部分です。興味のある投稿にどんなコメントが寄せられているのか確認することで、共感したりしてより内容を楽しめます。
そしてよく見られる場所は、広告を表示する絶好の場所でもあるのがポイントです。今回はTwitter広告の新機能、リプライの間への広告自動挿入について解説していきます。
1.Twitter広告、リプライの間に広告を表示可能に!
Twitter広告のリプライ間に広告を表示可能にする機能は、最初はベータ版として一部のユーザーへ提供されました。レベニュープロダクト責任者の「Bruce Falck」氏がツイートにて報告した際は、
- 私たちは今日から(投稿日は2021年10月14日)Twitter会話内で新広告フォーマットをテストする
- テストは世界規模で行う
- iOS端末とAndroidスマートフォンユーザーに対してリプライで広告を表示する
- リプライの1番目と3番目、8番目に広告を表示する
となっていました。
このテストは「クリエイター・広告主間のメリットを合致させる広告商品を開発したい」という思惑から始まっています。テストでは
- 広告フリークエンシー
- レイアウト
- 文脈
- 挿入のポイント
などを基準に検証を行い、正式導入を判断しました。
そして2022年5月には、正式にサービスの提供が開始されました。アプリインストールキャンペーンに限定して特定のツイート返信画面のリプライ欄に広告を表示可能です。1番目の返信ツイート下部に広告が表示されます。
従来の
- ホームタイムライン
- プロフィール
- 検索結果
に追加してツイート返信画面が広告枠に追加されたことで、さらに多様的な広告配信ができるようになりました。
ちなみにこういった動きに関連する取組として
- スーパーフォロー機能の提供が開始される
- 投げ銭機能を追加
といったアップデートも行われています。
スーパーフォロー機能ではサブスクリプション形式でユーザーからお金をもらうことで、登録ユーザーに限定の投稿コンテンツを閲覧できる権利を追加します。2.99ドル、4.99ドルといった形式から選択ができるようになっており、ゆくゆくはニュースレターといったサービス機能を追加したいと発表しているのもポイントです。
投げ銭機能では対象のアカウントにチップとして送金ができる機能であり、熱心なフォロワーとしてサポートをしたいアカウントがある際に活用したい機能です。こういった機能はリプライ広告挿入といった他の機能と併せて、Twitterでのマネタイズ手段を強化してくれるでしょう。
2.Twitter広告、リプライの間に広告を表示するメリットとは?注意点もある
Twitter広告のリプライの間に広告を表示するようにすると、広告主としては次のようなメリットがあります。
目立つのでアピールしやすい
特に返信数の多いツイートでは、多くのリプライが表示されて目立ちます。こういったリプライは確認されやすく、最初に広告が表示できればインプレッション数だけでも稼ぐことができるでしょう。
影響の大きいツイートに自社の広告が表示されれば、それだけ配信効果も上がるはずです。
CPIといった指標によい影響を与えてくれる可能性がある
Twitter公式ではリプライの間に広告を表示することで、
- CPIが7%減少する
- インストール数が11%上がる
- インプレッション数が13%増加する
といったことを検証で得られたとしています。
数値通りに効果が出るわけではありませんが、「リプライ欄を上手く使えば獲得コストを下げながら効率よくインストール・インプレッション数を上げられる」というのは頭に入れておきましょう。
チェックボックスにチェックを入れるだけでよい
リプライの間に広告を入れたい場合は、キャンペーン作成時に「プレースメント」の画面でチェックを入れるだけでOKです。
- ホームタイムライン
- プロフィール
- 検索結果
- 返信
の4つから「返信」にチェックを入れれば、リプライ欄に返信が表示されるようになります。
一方Twitter広告のリプライに広告を表示するには注意点もあります。
アプリインストールキャンペーンのときだけ使える
現在Twitter広告でリプライの間に広告を挿入する機能は、アプリインストールキャンペーン作成時のみ利用できます。ちなみに検証時はリプライの3番目や8番目にも広告表示されていましたが、現在は1番目にのみ広告を表示する設定になっています。
今後リプライへ挿入できるキャンペーンが拡大したり、リプライの挿入ガイドラインが変更になったりする可能性もあるので、公式の最新情報をチェックして対応してみてください。
アプリインストールキャンペーン選択時自動でチェックが入ってしまう
もし「リプライの間に広告を入れるのがはばかられる」という場合は、アプリインストールキャンペーン作成時チェックボックスをOFFにしておく必要があります。デフォルトではアプリインストールキャンペーン作成時、「返信」の欄にチェックが入る設定になっているからです。
検証時には多くのTwitterユーザーから、
- 会話の流れが遮られる
- リプライを見落とす可能性がある
といった要因で批判も起こりました。
こういった要因がブランド毀損につながるかもしれない、と感じる方は、返信欄以外で広告枠を掲載する運用体制も検討してみましょう。
今のところ利用している企業が少ない
Twitterを実際に見てみると、まだリプライ数が多いツイートに広告が表示される事例をあまり見かけません。これはまだ実際に運用している企業がそこまで多くないことを示していると言えます。
実際インターネットを検索しても、そこまでまだノウハウに関する情報は紹介されていません。具体的な効果は自社で運用、あるいは広告代理店に代行してもらう際に確認する必要があるでしょう。
ノウハウが業界全体で蓄積される前に自社の体制を確立できれば、競合他社より宣伝で優位に立てる可能性はあります。
3.自動広告表示オプションも提供開始!最近のTwitter広告のアップデート内容まとめ
今回のリプライの間に広告を表示する機能の他にも、Twitter広告にはアップデートが入っています。
自動広告表示オプションの提供が開始される
Twitter広告では、「自動広告表示オプション(自動ターゲティング)」が提供開始されました。
設定済みのターゲティング設定を自動で調整して、ユーザーにより効果的に広くリーチできる機能として注目されています。ただし性別、年齢といった属性は当初の設定どおり拡大されず配信されるので、事前設定の配信範囲が狭過ぎると効果を発揮しません。自動調整でどのくらい効果が得られるのか計測するためには、設定を緩くしてから検証へ臨むことも重要です。
動画再生キャンペーンでCPM課金が提供開始
動画再生数を目的として動画広告を配信する場合、新たに課金形式として「CPM」が追加されました。今後はインプレッション単位でも課金額を調整することができます。
動画再生あたりの課金と併用しながら調整を行うことで、より効果的な配信パターンを編み出せるようになっています。ブランドの初期認知度向上といった場面では、表示数重視のCPMが活用できそうです。
4.まとめ
今回はTwitter広告の新機能、リプライの間への広告自動挿入について解説してきました。
Twitter広告において新たにリプライへ広告を自動挿入できるようになったことで、広告枠の多様性が上がりました。今後は4つの広告プレースメントを上手く併用しながら運用することで、より効果的な広告宣伝ができるようになるでしょう。
ただし始まったばかりの分、まだ変更が入ったりする可能性はあります。最新情報をチェックしながら柔軟に対応できるようにしておきましょう。