自然な文章を自動作成!今話題のAIチャットボット、ChatGPTとは

接客の自動化や問い合わせ対応の負担軽減のために、「チャットボット」が活用されるケースが増えています。中にはAIチャットボットを使って、業務効率化・自動化をさらに進めようという事例まであります。

AIチャットボットの進化は目覚ましく、最近では人間が書いたような文章で回答を行ってくれるようなツールまで登場しているのがポイントです。しかし普及には問題点も潜んでいます。

今回はAIチャットボット業界で今話題になっている高性能ツール、「ChatGPT」の特徴や問題点などをご紹介していきます。

1.そもそもAIチャットボットとは何?

AIチャットボットとは、そもそも「AIを活用してチャットボットの機能を自動化できるツール」を指すワードです。

通常チャットボットには2種類が存在しています。

  • 人間の書いたプログラム(シナリオ)通りの処理を行うタイプ
  • シナリオだけでなくAIが回答を考えて対応してくれるタイプ

シナリオ通りに処理を行うタイプでは、すでに自社で蓄積されている接客や問い合わせなどに関するデータベースを登録して回答パターンを作成することで対応が可能となります。ユーザーが選択肢をチェックしたりキーワードを入力したりすると、それに基づいて回答が実行されるのがポイントです。

ただしシナリオタイプだと、あいまいな質問だったりパターン外のキーワードが入力されたりすると回答が難しくなります。ですからチャットボットによる業務効率化やコスト削減のメリットを受けるのには限界があります。

そこでよりチャットボットのメリットを受けられるように、AIを搭載したタイプも提供され始めました。このタイプではAIの機械学習を用いて、登録されたデータベースや実際の回答履歴などを用いて学習を実行できるのがメリットです。データが少ないうちはまともな回答をするのが難しいですが、蓄積されるデータが増加すると回答精度も上昇してシナリオタイプでは対応できない箇所でも対応できるようになります。導入コストが高いケースもありますが、あらかじめすぐ使えるように機械学習を済ませているサービスもあり、注目されているのがポイントです。

2.ChatGPTが話題になっているのはなぜ?人間が書いたような文章を作成可能

AIチャットボットは国内外でさまざまな企業が注目されていますが、現在世界で注目を浴びているのが「Chat GPT」です。

ChatGPTはサンフランシスコへ本拠地を置いている「OpenAI社」が開発したAIチャットボットです。ユーザーの入力内容に基づいて回答をしてくれる点は通常のAIチャットボットと変わりません。ただしその精度や文章の自然性などが現在注目されるポイントとなっています。

ここからはChatGPTの特徴を解説していきます。

簡単に登録して利用が可能

ChatGPTは無料から利用できるので、誰でもすぐ使うことができます。利用手順は次の通りです。

  1. ChatGPTの詳細ページへアクセス
  2. ボットでないか確認されるのでチェック
  3. OpenAIのアカウント作成を行いログイン

OpenAIのアカウントさえ作成すれば、すぐ利用が可能です。

ただしアカウント作成時に電話番号を入力してSMSを受け取ったりする手間が掛かるので、事前に必要なものを準備してから登録を始めるようにしてみてください。Googleアカウントなど提携しているアカウントがあれば、連携して登録することも可能です。

プロンプトを入力すると自然な回答が得られる

ChatGPTの最大の特徴が、「命令(プロンプト)を入力すると自然な回答が得られる」という点です。

現在のAIチャットボットは、

  • 決まった回答が存在しない内容へ対応する
  • 小説といった創作物を書く

といった作業を苦手としています。

また質問の仕方によっては変な文章が作成されることもあり、柔軟な対応を確実にしたい方にとってはネックとなります。

ChatGPTはそういった問題を解決する仕組みが採用されており、AIチャットボットの進化を感じさせてくれるのがポイントです。

たとえば「詩のタイトルや内容を考えて」というプロンプトを入力すると、指示された内容を基に人間が考えたような文章を回答として返してくれます。また回答の精度は

  • キャッチーな内容にしてほしい
  • 3つほど考えてほしい
  • バズるような表現を入れてほしい

といった希望を複数入力することで、より上がっていくのもポイントです。

柔軟な対応ができるので、今までAIチャットボットを活用するのが難しかった箇所でも使われるようになっています。

さまざまな回答内容へ対応している

ChatGPTは、その対応している回答内容の広さにも特徴があります。

  • 単純な疑問への回答
  • プログラミングコードのデバッグ
  • プログラミングコードの自動作成
  • 文章要約・添削
  • スケジュールの作成
  • 歌詞作成
  • 論点洗い出し

通常のAIチャットボットでは対応が難しいようなクリエイティブなジャンルにも対応しており、Web接客や問い合わせ対応だけでなくプログラミング作業の補助・論文作成などにも活用可能です。自分で使い方を考えて業務へ導入することで、活用できる範囲が広がっていくでしょう。

有料の契約サービスもある

ChatGPTにはサブスクリプションサービスとして、「ChatGPT Plus」も提供されています。1か月20米ドルという料金プランで、クレジットカードなどを使って登録が可能です。

有料サービスへアップグレードすると

  • 混雑時にもアクセスがしやすくなる
  • 回答スピードが向上する
  • 新機能や改善点などへ優先的にアクセスができる

といった、ChatGPTを普段使いしている方にメリットのあるサービスを受けられるようになります。

まだ目立ったサービスは提供されていないですが、今後機能拡大も考えられるので気になる方はお試しで登録を検討してみてください。

3.よいところだけではない?ChatGPTで問題になっていることとは

ChatGPTを提供しているOpenAI社はマイクロソフトから支援を受けたりと、大企業からも注目されており成長性は高いと言えるでしょう。ChatGPTのユーザーも注目の高さに応じて、今後さらに増えていくものと予想されます。

ただしChatGPTには、利用に関して現在次のような問題が発生しているのも覚えておいてください。

回答される内容の正確性や適切性などに問題がある

ChatGPTの回答内容は人間が書いたように自然なニュアンスとなりますが、それが正しい情報か、あるいはソースが信頼できるかどうかは分かりません。ですから引用して使う際などは事前に内容のチェックを行い、問題にならないか確認しておく必要性があります。回答精度に関しては今後学習データが蓄積されていけば改善はされるでしょう。ただし100%いつでも正確に回答が得られるとは限らないので注意してみてください。

また入力内容に応じては、公序良俗に反する内容が作成される危険もあります。不適切な内容作成が起こった場合は、文章を外部で使ってしまわないように注意して管理を行いましょう。

将来的に人間の業務をすべて代行してしまうのではないか、という懸念

ChatGPTは利用価値が高まっているがゆえに、問題視されるケースも増えました。たとえば宿題をChatGPTに代行してもらう事件が起こっており、学校では使用が禁止になったりと騒ぎになっています。

ChatGPTが論文へ使用されたり、詩の作成へ活用されたりと今後用途が増加すれば、精度の高い文章を作成して本人が書いたように自演したりといったことが起こってもだれも気付かない可能性まであります。そしてChatGPTでは一部ではなくすべての文章作成へ対応しているので、人間が判断を求められない場面が増えていくのではないかと懸念されているのもポイントです。

人間の業務がChatGPTといったAIにすべて置き換えられるようになれば、労働問題にもつながりかねません。ChatGPTだけでなくAI全体において、活用に関する制限等を今後どう実行すればよいかは継続して考える必要があるでしょう。

4.まとめ

今回はAIチャットボット業界で今話題になっている高性能ツール、「ChatGPT」の特徴や問題点などをご紹介してきました。

AIチャットボットは便利であるがゆえに、進化し過ぎると労働面といった点で扱いをどうするのかといった問題が出てきます。ChatGPTの文章作成における自然性や柔軟性などは、議論すべき内容と言えるでしょう。

もしChatGPTを導入する際は、その正確性をチェックした上で問題が起こらないように加工して活用するといった工夫が必要です。注意しながら活用範囲を検討してみてください。