GDPRや個人情報保護法改正などの影響で、Cookieの注目度は高まっています。Cookieから脱却するためのターゲティング手法の発見・導入も必要ですが、法律対応へのためCookie同意バナー表示の準備を行う必要性もあります。
効率よく手っ取り早くCookie同意バナーを用意・管理するにはCMPが適切です。さまざまなCMPがあるので、基本的な選び方を覚えておきましょう。
今回はCMPの選び方やおすすめのCMPなどをご紹介していきます。まだCMPを準備できていない方は参考にしてみてください。
1.Cookieを適切に取り扱えるツール!CMPとは
CMPとはCookieを適切に取り扱うためのツールです。「Consent Management Platform(Cookieに関する情報取得の同意を管理するためのプラットフォーム)」の略称になっています。
CMPを使うと次のようなことができます。
- 同意管理バナーの作成や導入
- 同意情報を基に各種タグやCookieを発行
- ユーザー同意状況の管理や分析
- マーケティングツールへの取得データ連携
まず同意管理バナーを画面上から素早く作成・実装が可能です。手作業でやると面倒なバナー作成作業を簡略化できます。
また同意情報を反映してリアルタイムでタグやCookieを出し分けることができるのもポイントです。CMPから管理したほうがミスやエラーが減るのでリスク低減につながるでしょう。
さらにユーザーの同意状況をその場で管理・分析できるのもポイントです。問題がある個所を見つけてWebサイトのユーザビリティを改善するのにもCMPが役立ちます。
収集されたデータは、提携先のマーケティングツールにも反映させて分析が可能です。マーケティングの幅が広がるので、ぜひCMPをCookie同意バナーを用意する手段以外でも活用してみてください。
CMPの導入は義務付けられていませんが、法律面でも適切にCookieを取扱うために実質必要になりつつあります。探してみると複数の関連サービスがあり、機能やプラン、価格も異なります。
2.CMPの選び方!カスタマイズ性も要チェック
ここからは実際に、CMPを選ぶ方法を解説していきます。
各国の法律に適切な対応ができるか
現在Cookie規制に関する法律としては、
- EUのGDPR
- アメリカカルフォルニア州のCCPA
- 日本の個人情報保護法(改正版)
などがあります。
CCPAは他2つと比較すると若干緩い法律ですが、Cookie取扱いに関して注意しないといけないのはいずれの法律も変わりません。
- オプトイン方式で必要な情報の開示・取得の停止ができるか
- 有事の際すぐに情報の取り消しなどがオプトアウトで可能か
といった点を確認しながら適切なCMPを選んでいく必要性があるでしょう。
また将来的に法律改正にも柔軟な対応をしてくれそうなサービスを選ぶとより安心して使えます。機能の更新頻度などで考えてみてもよいでしょう。
同意を取得する際のカスタマイズ性は十分か
同意取得を求めるバナーを制作する際は、
- 表示位置
- 表示タイミング
- 枠や大きさなどのデザイン
- 表示項目
といった点を考える必要があります。しかしそもそも各項目をカスタマイズできないと、データの取得確認漏れなどが起きるかもしれません。
特に「A、B、Cといったように各項目ごとにデータ取得の拒否・許可を設定できるようにしたい」という場合は、対応していないケースもあるのでカスタマイズが可能か、デフォルトで複数項目を設定できるのかなどをよく確認する必要性があるでしょう。
どれだけの外部システムと連携ができるのか
Cookie取得の同意バナーから収集したデータについては、対象となるすべてのコンテンツに配置する必要があります。この作業は1つでも導入のエラーや漏れがあると法律上違反になる恐れがあるので気を付けないといけません。そこで外部システムとの連携性を確認する必要があります。
- マーケティングツール
- 顧客管理システム
といったシステムとCMPデータの連携ができるのかは、CMPの仕組みや許可範囲にもよります。サービスを導入する前に、提携しているツールを確認して自社のシステムと互換性があるのかチェックしておくと安心です。
連携できない場合はマーケティング施策を変更しないといけないリスクもあるので注意していきましょう。
サポート体制は万全か
CMP導入においては
- 各国法律の確認
- 技術的な対応方法立案
- バナーの作成
- 連携ツールの確認
などを行う必要があります。
すべての分野に関するスキルを持っていれば作業ははかどるでしょうが、実際にはそうはいきません。
- 導入するCMPについて事前質問ができるか
- 法律的なコンサルティングサポートを受けられるか
- アフターフォローは万全なのか
といった点まで確認できると安心して導入や活用ができるでしょう。
ただしCMPは海外発の場合も多く、場合によっては日本語でのサポートが受けられない恐れがある点には注意する必要があります。問い合わせを利用したい際は
- 担当者
- サポートしている言語
- 対応時間帯
などをチェックしておきましょう。
3.おすすめのCMP3選!価格やコンプライアンス面を比較してみよう
ここからはおすすめのCMPを3つほどご紹介していきます。
webtru
DataSign株式会社のCMPです。自社のWebサイトがどの外部サービスと通信しているのかを感知、リストを生成して不正にデータ取得が行われていないかをチェック可能です。
またユーザーの同意状況はユーザー側のWebブラウザーへ保存され、webtruではAPI連携によって保存中のデータを取得することが可能になっています。CRMと連携することでユーザー属性などを分析することが可能です。
プランはいずれも月額で
- ウェブサイト診断:0円(現状確認のみ)
- 同意管理ライト:5,500円(電気通信事業法対策に対応)
- 同意管理プロ:11,000円(電気通信事業法対策・GDPR対策にも対応)
から選択可能です。
Trust 360
Priv Tech株式会社のCMPです。CMP JSというJavaScriptタグを提供しており、これをWebサイトへ埋め込むことでサービスを使えるようになります。
- CDP機能
- BI機能
- セグメンテーション機能
といったさまざまな分析に関する機能を搭載しており、外部ソフトとの連携・分析・整理などをまとめて実現可能です。コンサルティングやレンタルCPOの提供といった運用サポートも提供されているので安心して継続利用できます。
支払いは月額で
- SMBプラン:1万780円(国内法へ対応)
- Enterpriseプラン:5万5,000円~(各国法へ対応、同意バナーカスタマイズも可能)
の2プランから選択可能です。
OneTrust
株式会社インターネットイニシアティブのCMPです。
同社の実績から得られた、Cookieツールに関する導入マニュアルや運用ガイドなどを提供しています。プライバシー保護規制対応ガイドといった法律関連の書類も参照できるので、導入前にじっくり確認して安心感を得られるでしょう。
また各国のCookie規制に対応可能であり、法律改正にも対応してくれるので柔軟性が高いのも特徴です。Cookie同意バナーのカスタマイズも可能で、テンプレートやCSSを使いながら簡単に目的通りのバナーを用意できます。
プランは年額で6万3,360円(1ドメイン)となっています。
4.まとめ
今回はCMPの選び方やおすすめのCMPなどをご紹介してきました。
CMPを導入すれば、Cookie同意バナーをマーケティングにまで有効活用できます。バナー導入に関するエラーやミスを減らすためにも必要なツールです。
選び方を参考にしながら、ぜひツールを導入してみてください。今回ご紹介したツールはいずれも日本製なのでサポート面でも安心です。