新時代の音楽プラットフォーム!AudiusとSpotifyの違いなどを解説

音楽サービスと聞くと、「AppleMusic」や「Spofity」などを思い浮かべる方が多いと思います。しかしこういったサービスはいずれも1企業が実権を握っており、ユーザーはその姿勢に左右されてしまうデメリットがありました。

そこで権力集中のデメリットを防げる「音楽サービス×ブロックチェーン」が登場しています。今回は音楽サービスの提供形式としてブロックチェーンを採用している新興サービス、「Audius」を解説していきます。

1.ブロックチェーン技術をフルに活用!Audiusとは

Audiusは音楽配信サービスです。Webサイトで音楽を聴けるほかに、アプリでも楽曲を配信しています。

楽曲を配信するという点ではSpofityなどと同じですが、Audiusは仮想通貨にも使われているブロックチェーンを採用しているのがポイントです。またアーティストへの利益分配や課金等にも仮想通貨を使っており、そこがAudiusの強みを担っています。

Audiusで楽曲を提供しているアーティストはSpofityといった大手とはまた違うので、利用すると新しい発見があるかもしれません。また大手音楽サービスに、将来的にAudiusが肩を並べるかもしれないという声も出ています。たとえば音楽大手メディアで、Audiusが「Spotify キラーになるかもしれない」といった意見が掲載されました。それだけAudiusの提供方式が画期的だということです。

2.AudiusとSpotifyなどの既存音楽プラットフォームの違い!仮想通貨制度も独特

AudiusとSpofityなどの従来の音楽プラットフォームには、次のような違いがあります。

利益の90%をアーティストへ還元

たとえばSpofityでは、楽曲の再生数がアーティストの収益分配の基準となります。つまり楽曲の再生数が少なくなる弱小アーティストや新人アーティストなどは、利益を受け取りにくいのが問題になっています。他の音楽サービスでも似たような点が問題になっており、音楽業界全体でサービスの利益分配の在り方が疑問視されているのがポイントです。

Audiusは利益分配の問題を解決できる仕組みを採用しています。利益の90%をすべてのアーティストへ還元すると謳っており、メジャーではないアーティストも活動しやすくなっています。実際Spofityで聞かないようなアーティストもAudiusへ楽曲を提供しており、新しい音楽を発見できる場として人気がある点がポイントです。

$AUDIOを独自通貨として採用

Audiusがすべてのアーティストへ90%利益を還元できるのは、独自仮想通貨の「$AUDIO」をベースとしてブロックチェーンを構築しているからです。アーティストへの利益分配等に$AUDIOは使われており、

  • リスナーの再生アクション
  • ヒットチャートへの掲載

といういくつかの条件に合わせて分配されることとなっています。

独自通貨なので複数のステークホルダーを通すことで起きる利益の目減りがありません。スムーズに$AUDIOで利益分配する仕組みを作ることによって、Audiusは存在感を音楽業界で発揮しつつあります。

広告が流れない

Audiusでは現在広告が流れません。たとえばAudiusには$AUDIOを獲得したトップランキングの楽曲が毎週特集ページとして掲載されます。1位の楽曲を再生すると後は広告挿入なしで2位、3位と自動再生されます。

楽曲を聴いている際広告が入ると邪魔に思う方が多いです。「動画広告よりも煩わしいとは思わない」という方はいらっしゃいますが、長い再生時間の音楽広告だと次の楽曲を聴くまで待つ際に不満を感じる方もいらっしゃるでしょう。

Audiusでは広告が再生されないため、スムーズにいろいろな楽曲を楽しめます。広告での利益分配を必要としていないのも、やはり$AUDIOを基準としたブロックチェーンでビジネスモデルを構築できているからです。

$AUDIOを経営に関する投票権として利用している

$AUDIOは単なる利益分配のための独自通貨ではありません。$AUDIOの保有量がそのまま今後の経営に関する会議等の参加・投票権として機能します。$AUDIOを多く利用している方ほど経営に大きくかかわることができるのは魅力的です。

ただし$AUDIOを保有している一部の初期投資を行った投資家が、そのまま経営権を握っていてはSpofityといった従来のサービスと変わりありません。そこでAudiusでは権力集中を抑えるため、「スマートコントラクト」を活用して権力を希薄化、アーティスト・リスナーへ投票権が推移するようにプログラミングされています。

TikTokと連携している

動画プラットフォームとしては、TikTokが人気です。TikTokは短尺動画の広め役として注目を集めていますが、Audiusと連携を開始したことでも話題になっています。

アーティストはAudiusで配信している楽曲を、そのままTikTokで共有可能です。他の方法で共有するよりも手軽であり、アーティストは気軽にTikTokをマーケティングの場として自分の楽曲をユーザーへ広められるのがポイントになっています。

TikTokが音楽プラットフォームと連携するのは、これが初めてのことです。そこで連携開始のニュースが流れた直後には、$AUDIOの価値自体も高騰しました。こういった明るいニュースが増えれば、将来的にAudiusや$AUDIOの価値はさらに上がるでしょう。

3.今後Audiusはどうなる?Spotifyなどにとって代わる大型音楽プラットフォームになれるか

Audiusのユーザーは着々と増えており、2021年9月には600万人を超えるといった快挙を達成しています。Spofityの4億人突破といった数値にはまだ届いていませんが、短期間でかなりのユーザーを獲得していることから注目が集まっています。

また約52億円といった大規模な資金調達に成功しており、有名なアーティストも経営をサポートしている点もポイントです。

今後も$AUDIOの価値を上げられる施策を取りながら従来の音楽サブスクリプションの利益分配方式・経営方針に反発している有志の数を増やせれば、さらに一大プラットフォームとして名を挙げる可能性があります。また日本国内のプラットフォームでは$AUDIOの取引がまだできませんが、将来的に解禁されればさらにAudiusの動きが活発になると考えられます。

そして広告掲載が開始すれば、ユーザーへリーチができるメディアとしても注目が集まるでしょう。広告に依存すると従来のプラットフォームと変わらなくなる恐れもありますが、広告業界に関係している方にとっては広告掲載が開始すれば大きなメリットとなります。

ちなみに現在AudiusではNFT(デジタルコピーできない資産)を展示できる機能も提供されています。こういった作品に関しても取引ができるようになれば、さらにAudiusの利用価値が上がってくるかもしれません。

ぜひこれからもAudiusの最新情報をチェックしてみてください。

4.まとめ

今回はAudiusの特徴や将来性などを解説してきました。

AppMusicやSpotifyといったプラットフォームに対して、Audiusは独自通貨を採用したブロックチェーンを経営・サービス提供に取り入れているのが特徴となっています。権力分散、利益大幅還元型のAudiusへの注目は高まっており、$AUDIOの取引拡大などによってさらに勢いをつける可能性があります。

ぜひAudiusを実際に使いながら、その価値を確かめてみてください。