ビッグデータの解析はさまざまな企業で必要事項になりつつあります。多種多様な大量にあるデータを効率よく調査・解析するためには、プラットフォームの活用が欠かせません。
プラットフォームとして有力な選択肢となってくるのが、「Google BigQuery」です。今回はGoogle BigQueryの概要や特徴、料金体系などをご紹介していきます。
1.そもそもビッグデータとは何か?Google BigQueryを理解する際に最低限必要な知識
そもそもビッグデータとは、「インターネット等で蓄積された巨大なデータの総称」です。
- 自社内で顧客データなどを収集して得たもの
- 外部業者が誰でも利用できるようにデータを提供しているもの
など、さまざまなタイプがあります。
- Volume:量が確保されているか
- Variety:データに多様性があるか
- Velocity:処理等の速度が速くすぐ利用できるか
- Veracity:正確性は確保されているか
- Value:利用価値は高いものか
といった頭文字がVで始まる単語の要素を含んでいると、ビッグデータと認められます。
ビッグデータの活用メリット
ビッグデータを活用すると、次のようなメリットを得られます。
正確な分析による企業運営最適化などが図れる
データというのは量や種類が確保されていればいるほど、活用価値が高まります。より正確な予測をするためには大量のデータが必要です。インターネット社会はこういったデータの活用価値を高めてきました。
インターネット社会でできあがったビッグデータは、活用できれば大きな価値をもたらしてくれます。たとえば正確な分析をすることにより潜在的な企業運営の問題・課題を可視化して対応する、といったことができるようになるでしょう。
直感的な意思決定にはリスクがありますが、直感性ではなくデータで決定がしやすくなるのはメリットです。
リアルタイムで活用することでさらなるサービスを創造可能
ビッグデータはリアルタイムでの活用にも注目が集まっています。
たとえば自動運転には周囲の環境や予測ルートといったさまざまな判断データが必要です。少しでもデータが間違っていると運転事故の基になったり、運転行動を効率化できないからです。
ビッグデータをリアルタイムでインターネット収集したりセンサーで検知・取得することによって、最適な自動運転が実現します。仕組みの構築はまだこれからですが、今後データが増えればさらにさまざまな自動運転の技術が開発・提供されていく可能性があります。
パーソナライズされたサービス体験を実現しやすくなる
ビッグデータによって集められたデータ群は1人1人のユーザーニーズを高解像度化する役割も果たしてくれます。ECサイトのレコメンド紹介といった行為にも、ビッグデータは活用されています。
違和感のないスムーズな顧客体験は、パーソナライズされたサービス体験を作って満足度を向上させるのに役立つでしょう。今後は中小企業のビッグデータ活用によるパーソナライズ体験提供も活発になる可能性があります。
ビッグデータの課題
ビッグデータを活用するには次のような課題があります。
- 保守・運用に関して負担がまだ大きい
- セキュリティ対策に不安がある
- 活用できる人材の不足
いずれもすぐに解決する課題ではなく、解決へ取り組む動きはありますが時間が掛かるでしょう。
2.Google BigQueryの特徴!
Google BigQueryは、先ほど説明したビッグデータを活用するためのプラットフォームです。主に
- ビッグデータを保管する
- ビッグデータを言語で処理して呼び出す
の2つに重点が置かれているプラットフォームです。
クラウドで運用するため自社ではサーバーが必要ありません。またスケーラビリティやコスト面でも柔軟な対応ができる機能が搭載されており、ビジネスの拡大などに合わせて利用規模を拡大する、といった操作も簡単にできます。
BigQueryの特徴は次の通りです。
PB(ペタバイト)といったデータにも対応可能
ビッグデータで扱うデータは、単位で表現するとKBやGBといった個人PCで扱うレベルには収まらないでしょう。少なくてもTB、多い場合だとPBといった容量が発生するはずです。
Google BigQueryはそういったデータの保管にも対応しています。インターネット上へいつでもデータを取り出せる保管庫を置いておくことで、作業環境といった条件によらずいつでもデータを呼び出すことが可能です。
多様・大量のデータの高速処理が可能
Google BigQueryで扱えるデータはさまざまです。
- Google Analytics 4(GA4)
- SNS
- ゲームアプリ
- 各種業務関連システム
こういった多様・大量のデータをログ情報として保管・分析できるのがGoogle BigQueryです。アクセス・システム・アプリケーションといった各種ログを高速解析することでPDCAサイクルが高速化します。
リアルタイム分析にも対応
- ルートの最適化
- スケジュールの管理
といったリアルタイム処理が必要なサービスを提供している企業も存在しています。
そういったリアルタイム性が必要な業務にも、Google BigQueryは対応可能です。急にデータ処理規模が大きくなったといった場合でもすぐに容量拡張ができるので、安心して使えるのもメリットになっています。自社でサーバーを用意してビッグデータ解析システムを構築する場合は、リアルタイムでの容量拡張といった作業は難しいです。
3.Google BigQueryの料金体系!分析とストレージ保存で料金が変わる
Google BigQueryは、分析とストレージ保管の2つで料金体系がそれぞれ用意されています。以下で詳しくご紹介していきます。
分析料金
まず分析料金については、
- オンデマンド料金:バイトの利用量に応じて従量課金を行う
- 定額料金:あらかじめ利用が想定される分を低額で購入する
の2つの料金プランがあります。
オンデマンドでは言語操作を行い呼び出したデータの分だけ料金が請求されます。たとえば合計2PB分データを呼び出した場合、2PBに応じた料金を後ほど支払う必要があるのがポイントです。料金事例は「1TBごとに5米ドル、毎月1TBまでは無料」です。
定額料金では固定料金を支払うことで、専用のクエリ処理容量を購入します。一例としては「100スロット購入で2,000米ドル」が発生します。
使う容量が少量といった場合はオンデマンド、対して容量が多い、使う量がある程度決まっているといった場合は定額料金の利用がおすすめです。
ストレージ料金
BigQueryに保管するデータに掛かる料金です。
- アクティブ ストレージ:90日以内に変更があったデータ
- 長期保存:90日以降も変更のないデータ
のどちらに判断されるかで料金が変わります。
料金事例としては「アクティブ ストレージが1GBごとに0.02米ドル、長期保存が1GBごとに0.01米ドル」です。長期保存扱いデータは、アクティブストレージの2分の1でコスト運用可能です。毎月10GBの利用までは無料になっています。
4.まとめ
今回はGoogle BigQueryについてご紹介してきました。
今後のビッグデータの利活用には、いつでもデータ呼び出し・分析のできるクラウド系サービスの活用が欠かせません。Google BigQueryはクラウド系サービスの中でも最も有力なビッグデータ運用ツールの選択肢になってくれます。
ぜひGoogle BigQueryを活用して、ビッグデータを扱う新時代を迎えてみてください。