Google Chromeは今や定番のブラウザーとしてトップシェアを獲得しています。しかしGoogleが運営を握っている点からさまざまな課題も出てきており、不満を持っている方も少なからずいらっしゃいます。
そこで最近ではGoogle Chromeに対抗するブラウザーも増えました。今回ご紹介する「Brave」も、そんなサービスの1つです。今回は定番であるGoogle Chromeと新機軸のBrave、この2ブラウザーを比較して解説していきます。
1.ChromeとBrave!それぞれのブラウザーの概要
まずはGoogle ChromeとBrave、それぞれのブラウザーに関する概要を解説していきます。
Google Chromeとは
Google Chromeとは、Googleが公式提供しているブラウザーです。「Chromium」というツールがベースとなって開発されており、今ではMicrosoft社の開発した「Edge」もChromiumをベースとして作られています(以前は独自ツールをベースに構築されていた)。それほどGoogle Chromeに使われているは有用なツールだということです。
Google ChromeではそんなChromiumの特徴を生かしながら、
- 高速動作
- 便利な拡張機能の提供
- GmailといったGoogle他サービスとの連携
といった機能をポイントとして訴求を行っています。
ブラウザーのシェアは国内、国外ともにトップクラスです。その証拠に今や政府のサービスもGoogle Chromeベースで動作するように仕様が変わっています。以前は「Internet Explorer」が基準でしたから、大きな変化です。
Braveとは
Braveとは、Brave社が提供しているブラウザーです。認知度はGoogle Chromeと比較して小さいかもしれませんが、テレビCMが放映されるといった実績もあり少しずつ勢力を拡大させています。
Google Chromeといったビッグテックを意識しているようで、公式サイトでも「Google Chromeより3倍速く動く。またGoogleをはじめとするビッグテックと比較して強固にプライバシーを保護」をアピールしているのがポイントです。Google Chromeと同じくデスクトップアプリだけでなく、アプリ版も配布されています。
主に
- ページの高速表示
- プライバシーに関するデータの保護
といった点を基軸として開発されており、仮想通貨の仕組みも組み込まれている画期的なブラウザーです。
またビジネスモデルについても、Google Chromeとは大きく異なります。詳しくは次の章から解説を行っていきます。
2.ChromeとBraveを比較!コンセプトや機能にどんな違いがあるのか
ここからはGoogle ChromeとBrave、それぞれのコンセプトや機能を比較していきます。
広告表示が前提のGoogle Chrome、非表示が前提のBrave
Googleは広告管理や配信によって売上を獲得している企業です。よってGoogle Chromeの仕様に関しても、広告主側に優しい仕組みが構築されています。ブラウザーを立ち上げてデフォルトの状態でWebサイトを確認したり、Youtubeを見たりするといくつもの広告が目に入ってくるのがポイントです。
しかしこういった姿勢がよく思われないケースもあります。特に最近は質の悪い広告を目にする機会が増えており、広告に不満を持つ方が増えているのが注目されています。事例として「株式会社ネオマーケティング」のデータを参考にすると、動画広告において64.2%もの方が動画広告を嫌いと回答しました。動画広告といった広告フォーマットが好意的に受け取られるようになるためには広告主側の工夫も必要ですが、基本として嫌われる可能性は高そうです。
対してBraveは、広告を表示するビジネスモデルをメインで採用していません。広告を表示できるように設定を変更することはできますが、基本は最初からブロックして表示しないようになっています。これはわざわざブロック用の拡張機能を入れないとブロックが難しいGoogle Chromeと比較すると、メリットと言えるでしょう。
また広告がデフォルトで非表示なることで、動作が高速になっている点もポイントです。広告表示は場合にもよりますがブラウザーに負担を掛けます。Braveだと余計な広告をブロックして表示しない分他の要素を素早く読み込んで表示させられます。スムーズにブラウザーを動かしたい方にはおすすめです。
ただし広告をブロックすると表示が崩れるWebサイトもあります。Braveだけをブラウザーとして利用すると不便に思う点があるかもしれません。ケースによっては広告を表示する設定にするとよさそうです。
Google Chromeには収益獲得モデルなし、Braveでは広告表示で仮想通貨獲得可能のモデルが搭載
Google Chrome自体には、何かをすることで収益を獲得できるモデルが搭載されていません。と言ってもこれは他の大手ブラウザーでも同じことであり、ユーザーが収益を獲得できるようになるとはどういうことか、理解できない方もいらっしゃるかもしれません。
Braveでは「BAT」という独自通貨を使って、収益をユーザーへ還元する仕組みを搭載しています。具体的にはプライバシー保護のできるファーストパーティー広告を表示するオプションを設定します。すると広告を閲覧することでユーザーへ収益がBATで還元されるようになるのがポイントです。広告は「Braveプライベート広告ネットワーク」という安全なネットワークから選択して配信されます。
Braveではこの収益還元の仕組みを「Brave Rewardsプログラム」として説明しています。BATは保管するだけでなく、対象コンテンツの支払いに利用することも可能です。ユーザーデータを提示する対価として利益が還元されるのは当然、という考えをBraveは持っています。
その他Google ChromeとBraveの機能違いについて
Braveは、他にも
- クッキーを使用しないトラッカーのブロック
- バウンス追跡に関する保護
といったGoogle Chromeにはない機能を備えています。
ただしシェアが低い分、対応しているサイトが少ない点には注意しましょう。
プライバシー保護といった観点を重視する場合はBraveをメインで利用するとよいです。
3.ChromeとBrave、今後シェアはどうなっていくのか
Google Chromeのシェアは依然としてトップクラスですが、広告表示が結局高速動作の邪魔をしたり、メモリ消費量が多いといった点が問題になっています。今後アップデートでユーザー利便性を考えなければ、シェアが落ちる可能性も0ではありません。
そしてよりユーザーに根付いたサービスを提供しているBraveが、トップとはいきませんがシェアをより獲得して成長する可能性は十分にあります。今後も両ブラウザーの最新情報をチェックしてみましょう。
4.まとめ
今回はGoogle ChromeとBrave、両ブラウザーを比較してきました。
Google Chromeは安心感や機能の拡張性などが評価を得ています。対してBraveは仮想通貨での利益還元といった斬新な仕組みが人気獲得の要因となっているようです。
どちらのブラウザーにもメリット・デメリットがあるので、併用してみるのもよいでしょう。ブラウザーを漫然と使わずに意識して使い分けることでスキル向上にもつながるはずです。