今までWebでは、特定の企業が提供しているツールを利用するのが普通でした。しかしそういった中央集権型のツールでは
- サービスがいつ終了するか不透明
- 企業のサービス仕様変更にユーザーが合わせるしかない
といった弱点もありました。
そういった弱点を解消してくれるのが、分散型プラットフォームです。今回は分散型メールプラットフォームである「Dmail」の概要や特徴などをご紹介していきます。
1.Dmailとは?新世代のメールプラットフォーム
Dmailとは新世代のメールプラットフォームです。公式では「DmailはWeb3.0をベースとしたプラットフォームであり、メッセージといった機能を統合しているサービス」としています。またWeb2.0を利用しているユーザーが、簡単にブロックチェーンサービスを利用できるようにするための橋渡しとなるようなプラットフォームにもなっているのがポイントです。
Web2.0とは、従来の特定の企業・団体サーバーが中央集権的にサービスを管理するようなインターネット環境を指します。しかしWeb2.0の体制は特定の企業・団体が権力を大きく持ちうるものであり、さまざまな弊害が出ていました。
こういった問題を解決できるのが、Web3.0のプラットフォームです。Web3.0ではユーザー自体が主体的に負担を分散しながらサーバーを運用したりする体制を確立することによって、特定の企業や団体が大きな権力を持たないようにできるのがポイントになっています。Web3.0の確立にはブロックチェーンといった技術が必要であり、今回ご紹介するDmailにもブロックチェーンが使われています。
ちなみに日本企業であるNTTグループにも同じ名称のサービスがありますが、こちらはつづりが「D-MAIL」であり電報サービスであるため、まったく違うものです。混同しないように注意しておきましょう。
2.メールアドレスを購入して利用する!Dmailの特徴とは
Dmailはメールプラットフォームとして次のような特徴を備えています。
メールアドレスは購入式
Dmailでは、基本的にメールアドレスは購入式となっています。フリーメールのように無料でメールアドレスを発行できるわけではありません。その代わり一度買い切りで購入を行えば、ずっと同じメールアドレスを使用可能です。サブスクリプションサービスのように継続的にコストが発生するわけではないため、負担はそんなに発生しないでしょう。
短い文字列ほど料金が高くなるので、コストを抑えたい方は長い文字列にするのを前提にメールアドレスを検索してみるとよいでしょう。$USDTか$ICPでの支払いが可能になっています。
分散型コンピューティングを使用
Dmailで利用されている分散型コンピューティング技術である「Dfinity」では、特定のサーバーに依存することなくサービスの提供が可能です。これによって
- 一部サーバーがダウンしても利用を停止しなくて済む
- 不当にサービスが終了したり、仕様変更されることがない
- 自由度の高い機能利用が可能である
といったメリットを得ています。
これから分散型プラットフォームの技術が成熟すれば、さらに信頼性の高いメールプラットフォームとなっていくでしょう。
無断盗聴の排除
特定の企業や団体が中央集権的にサーバーでデータ管理していると、知らないうちに情報を盗聴されているリスクが出てきます。最近ではプライバシーに関するユーザーの危機感が高まっており、無断盗聴を嫌がる方も増えています。サービス改良・改善のためとは言え個人情報等を知られるのによい気持ちはしないでしょう。
Dmailではウォレットを利用することでのみメールへアクセスできます。これによって第三者に無断盗聴されてプライバシー侵害されてしまうリスクを減らせるのがポイントです。
またメールをやり取りしたユーザー同士でトークンを使用してデータを暗号化・復号化することで、高いセキュリティ性を確保しています。このように仮想通貨でも使われている仕組みを活用することで、Dmailではメールセキュリティを高品質にしているのがポイントです。
仮想通貨の取引が可能
メールアドレスかウォレットアドレスがDmail上にあれば、仮想通貨の取引も可能です。銀行機関を介さなくても取引ができるので便利です。
メール上で取引記録等もできるので、手間が掛かりません。仮想通貨の取引をメールで行いたい方は、Dmailを利用してみてください。
メールアドレスがNFT扱い
Dmailでは、メールアドレスが複製不可のNFT、つまり資産扱いとなります。
NFTはデジタル上でデータの価値を確保するための技術であり、すでに美術品やアート作品の取引等に使われています。DmailではNFTとしてメールアドレスが扱えるので、メールアドレスが必要でなくなった場合などに取引することが可能です。
ちなみにメールアドレスを取引しても、それに紐づいた個人データは外部に漏れないようになっています。ユーザーの識別は
- ID
- エイリアスアカウント
の2種類がそろうことによって可能となりますが、メールアドレスの取引ではエイリアスアカウントしか移動しないからです。
メール以外の機能も使える
Dmailでは従来のクラウドメールサービスと同じように、メール通信以外の機能も使えるようになっています。
たとえば用意されているクラウドストレージを利用することで、ファイルを保存・保管することが可能です。他にも
- メッセージの購読機能
- メールアドレスを分散型IDとして活用可能
といった機能が利用可能であり、活用することでより便利な生活ができるようになっています。
3.Dmail等で注目されている、分散型プラットフォームとは何?
分散型プラットフォームとは、「企業・団体ではなく、複数のユーザーがサーバーやサービスを主体的に管理していく体制」を指しています。
たとえば仮想通貨も分散型プラットフォームを採用しています。取引を行うユーザー同士が内容を記録して保管・やり取りを行うことで通貨の交換等を成立させているのがポイントです。取引所自体は企業・団体が運営してはいますが、運営側が大きくユーザー同士の仮想通貨取引に関与することはありません。
従来の中央集権の仕組みで発行された通貨・貨幣は、国の状況等によって価値が変動しやすい弱点がありました。それに対して分散型の仕組みで発行された仮想通貨では、特定の管理者が存在しないため価値が国の政治状況等によって左右されにくい利点があります。現在ではまだ不安定な値上がり・値下げを続けていますが、取引規模が大きくなりノウハウが蓄積されれば価値は安定してくるはずです。
中央集権型のプラットフォームの問題が増えるにつれ、分散型プラットフォームの注目度合いは増しています。分散型プラットフォームが広まることによって、従来のビジネスモデルが通用しなくなり新しい基盤が確立する可能性もあります。分散型プラットフォームは、社会全体の進化・変化にこれからもかかわってくるでしょう。
4.まとめ
今回は分散型メールプラットフォームであるDmailをご紹介してきました。
Dmailでは仮想通貨と同じく分散型プラットフォームを採用しており、特定の企業や団体が権力を持たない構造を取っています。仮想通貨の取引といったこともできるDmailは汎用性が高く、分散型プラットフォームを代表するサービスになってくる可能性があります。
気になる方は初期コストが掛かりますがDmailを利用して、分散型プラットフォームの仕組みをいち早く体感してみてください。