ECを制作する際に使うプラットフォームには、
- 大手モールのブランド力を利用できるタイプ
- 自店舗ECを制作して自分のブランドを醸成できるタイプ
などがあります。
近年「DtoC」の広まりで自店舗ECを制作できるプラットフォームが人気を博しており、その中でも「Shopify」は精力的に活用されているプラットフォームです。そして最近、ShopifyがYoutubeと提携してショッピング機能を提供開始したのも話題になっています。
今回はShopifyとYoutubeが提携したことによる影響や、Shopifyの今後の展望などを解説していきます。
1.ShopifyとYoutubeが連携!シームレスな商品購入が簡単に
Shopifyは2022年7月20日に、Youtubeとパートナーシップを締結したことを公表しました。動画に関するEC施策をサポートするためです。この提携は主にYoutubeでのライブ配信に関するEC機能強化につながっています。
具体的にはShopifyを使っているEC運営者がYoutube上でライブ配信を行いライブコマースを行う際、スムーズにShopifyの商品ページへユーザーを誘導できるようになりました。また在庫管理の点で、オムニチャネルを推進できるようになったのもポイントです。
Shopify導入企業は「Shopifyアプリストア」から「Googleチャネル」をインストールすることで、ショッピング機能を利用できるようになります。利用は無料であり、気軽にインストールしてEC施策を強化できる点もメリットです。チャンネル登録者1000人以上である、といったGoogleのガイドラインをクリアする必要はありますが、すでにライブコマースに力を入れておりさらに強化したいといった方などは積極的にアプリを利用してみましょう。
今回ShopifyとYoutubeの提携によって新規提供開始になった機能としては、次のようなものが挙げられます。
ライブストリーミング機能
ライブ配信中に商品のタグ付けを行い、購入を促進できる機能です。
たとえば
- 商品の紹介中
- 購入の意欲が高まった状態(エンゲージメントが高い状態)
といったタイミングで、商品を強調表示できます。ユーザーは強調表示された商品のタグから購入ページへ飛んで直接商品を購入可能です。
また購入ページ表示中にも動画を閲覧して内容を確認したい、といったニーズもクリアできます。商品ページ表示中もピクチャ・イン・ピクチャ(動画を小さく表示しながら他のことができる機能)によって、商品を購入する準備をしながらライブ配信をチェックできるのがポイントです。
商品欄の表示機能
ライブ配信中に、店舗がおすすめしたい複数の商品を一覧表示できる機能です。
具体的には動画の右側あるいは下側に商品欄を用意、そこへ複数商品を表示してスムーズに確認できるように配置できます。ライブ配信中にストア自体に興味を持った方へ、厳選した商品を見せてスムーズな購入へつなげられるのがポイントです。
商品については小さな画像と、価格情報などがセットになって表示されます。
ストアタブ機能
Shopifyの出店者が、Youtubeチャンネルページへストアタブを新規に追加・利用できるようにする機能です。
通常のYoutubeチャンネルページには
- ホーム
- 動画
- 再生リスト
- チャンネル
- 概要
などが並んでいますが、ここへストアというタブを新規で追加して商品を掲載できるようになります。
商品購入や検討などが目的で自店舗のYoutubeチャンネルへ訪れたユーザーへ対して、Shopify上の商品をスムーズに提示できるのがポイントです。わざわざShopifyのページへ飛んでから商品を確認する手間がなくなるので、ユーザーの購入までの動線がシンプルになり購入の確率が上がるでしょう。
在庫データの自動同期機能
従来Shopifyで商品を購入してもらうためにYoutubeのライブ配信を利用していた方は、在庫管理の面でネックを抱えていました。ShopifyとYoutubeの在庫データが同期しておらず、在庫切れや入荷といったステータスの反映がYoutube上で送れるリスクがあったからです。オムニチャネルを推進するためには在庫を自動反映できるようにしないといけません。
今回の提携によって、
- 商品名
- 画像
- 価格
- 在庫
といったデータがShopifyとYoutubeで同期されるようになりました。Shopifyのデータに変更があればすぐYoutubeチャンネル上でも反映されるため、一括管理によってEC運営効率が上がったのがポイントです。
2.Shopifyとは?Youtubeが連携で何を目指しているのかも解説
Shopifyとは、自店舗専用のECサイトを制作できるサービスです。カナダ発のサービスではありますが日本国内でも利用者が多く、Shopifyの認定を受けてECサイト制作等を代行している企業も存在しています。
Shopifyは
- 無料から利用できる
- サイト制作初心者でも気軽に制作ができる
- アプリという形で機能を簡単に増やせる
といった点でメリットがあるプラットフォームです。
メールアドレス登録などをすれば即日利用が可能な他、サイト制作初心者でもテンプレートを使いながらすぐにサイトを用意できます。そしてアプリを追加でインストールすることで、決済や他サービスとの連携などが簡単に実現するのもポイントです。1から自店舗ECサイトを制作する際に発生するデメリットを解消してくれるのがShopifyです。
Youtube側としてはShopifyと提携を行うことで、月間20億人以上いるアクティブユーザーへ効率よく販促ができる場をEC運営者へ提供できます。またShopifyでECを運営している方をよりスムーズへYoutubeに誘導・積極的に利用してもらえるきっかけ作りが可能です。
Youtubeでは将来的に決済までをYoutube上で完結できるようにもっていきたいようです。そういった仕組みを構築するには、すでにEC関連のノウハウが豊富なShopifyの力を借りたい、といった思惑もあるでしょう。
3.Shopifyはすでに他SNSプラットフォームとも連携済!Youtubeとの連携後は何が起こるのか
Shopifyは今回の提携が完了する前に、
- TikTok
といった大手SNSとの提携を完了させています。
これにYoutubeが追加されることによってSNSを使ったEC販促がより簡単になり、Shopifyの利用者数を成長させているのがポイントです。
Shopifyでは「越境EC事業者が今回のショッピング機能を有効活用できる余地は多い」という見解を示しており、越境ECでの利用も見越して今回の提携が行われたのがうかがえます。
SNSを使った販促は一般的になりましたが、ECと連携する場合どうやってその負担を減らすかが問題となっています。Shopifyは大手SNSと簡単に連携できるプラットフォームとして最前線を行っています。今後もさらなる連携強化によって便利になる可能性があるので、気になる方はShopifyの公式情報やプレスリリースなどを定期的に確認してみましょう。
4.まとめ
今回はShopifyとYoutube提携による影響やポイント、今後の展開などをご紹介してきました。
Shopify・Youtubeはどちらも一大プラットフォームとして知名度・利用者を獲得していますが、今回の提携によってさらに便利な機能をEC運営者に提供できるようになりました。ライブコマースをフルに販促へ活用できるように、早めにライブ配信のノウハウを積み重ねておくと安心です。
またこれからどんな機能が新規で提供されるのか確認が遅れないよう、最新情報をチェックするのも忘れないでおいてください。