AndroidやiPhone上で動くアプリを開発した後、どうやってそれをマネタイズの手段で利用していくのかは人それぞれです。アプリ開発・運用初心者にはアプリ広告収入を得る方法をおすすめします。
アプリ広告収入を得る方法だと課金形式より導入が手軽で済みますし、成功事例もたくさんあるので参考にすればマネタイズの際活用できるでしょう。
今回はアプリ広告収入の特徴や成功事例、そして成功するためのコツなどをご紹介していきます。
1.アプリ広告収入とは?他の収益化方法と比較するとよい?悪い?
アプリ内広告収入とは、アプリ内で広告を表示することで収入を得る仕組みを指します。コンバージョンの内容によって
- インプレッション型:広告表示だけで収入を得られる
- クリック型:広告がクリックされると収入が入る
- 成功報酬型:広告に関して商品購入といったコンバージョンが達成されると収入が得られる
といった種類に分類することが可能です。
アプリ内通貨を用意して課金を促す方法などと違い、気軽に導入できるのがメリットです。専用の広告ネットワークサービスへ登録して広告枠を用意すればすぐに広告配信で収入を得られるようになります。
他のアプリ収益化方法と比較すると、次のような違いがあります。
アプリの有料化
アプリ自体に200円といった価格を付けてインストールを促すタイプです。インストールの際、アプリストア決済を通してお金を支払わないと利用できません。
クオリティが高いアプリであれば、多少価格が高くても受け入れられやすいでしょう。また価格は自由に設定できるので、インストール数に応じて大きく稼ぐことも可能です。インストール数×単価で簡単に収益を計算できるのもメリットになっています。
アプリ広告収入と比較すると、大きく稼ぎやすいのはメリットでしょう。ただしそもそもインストールにお金を必要とするアプリ自体が少なく、宣伝を上手くしないと見向きもされないリスクがある点はデメリットです。アプリ広告収入を導入すると、アプリ制作にお金が掛かっても広告からの収入でまかなうことが可能になっています。
アプリ内課金
- 漫画を読むためのコインを買ってもらう
- ゲーム攻略を簡単にするアイテムを有料にする
といった方法で課金タイミングを設けて、収入を得る仕組みです。基本無料だけどさらに楽めるようにするために、課金するタイミングを相手に提示しながら稼いでいきます。
アプリに固定ユーザーが多く付けば、それだけコイン購入やアイテム課金などの回数が増えて収益が増えていくでしょう。課金タイミングは限定されていないので、適切なタイミングで提示ができれば何度でも収入が得られるのもメリットです。
アプリ広告収入と比較すると、やはり大きく稼げるのがメリットです。ただしアプリ内でどう独自の通貨・アイテムを普及させるかが課題となってきます。実際普及の施策に失敗して早期終了してしまうアプリもあるので、注意が必要です。アプリ広告収入の場合は独自の課金制度を構築しなくても稼ぐことができるでしょう。
2.アプリ 広告収入の成功事例!具体例を交えながら解説
続いてはアプリ広告収入で成功した事例を、具体例を交えて解説していきます。
aruku&(あるくと)
歩くといったミッションをクリアすることでTポイントや商品応募などができるアプリです。健康系アプリとして人気があります。
- キャラ収集の機能を搭載
- 歩くだけでTポイントや商品がもらえる
といった特徴を活かして、継続率84%を達成したりといった成果を得ています。アプリ起動回数が平均12回といった高めの数値になっているのもポイントです。
またaruku&ではアプリ内課金と広告収入、2つのモデルをハイブリッドで採用しています。広告収入ではさまざまな広告を出し分けており、
- アプリ内通貨をインセンティブにしてオファーウォール広告を表示する
- 懸賞の応募後に動画インタースティシャル広告を表示してユーザビリティを維持する
- アプリで報酬を得た際に、2倍になる代わりに動画リワード広告を表示する
といった導線の工夫で収益を拡大させているのがポイントです。
ちなみにアプリ内課金でも「歩くといったアクションに悪い影響がないように、キャラ集めの効率などをインセンティブとして提供する」といった工夫で成功を収めています。
Touch the Numbers
「株式会社テクノード」初のシンプルなゲームアプリです。2010年の App Store年間ダウンロード数ランキングも獲得している有名なアプリになっています。
リリースから10年以上も経過しているのに、いまだにプレイされ続けています。その秘密はシンプルな中に奥深さのあるゲーム構造、そして広告の出し方にあります。
もともとはリリース前後でアプリの値下げ競争が激しくなり、アプリ自体のインストールに値段を付けるのではなく広告でコストを低減しようという考えから広告収入モデルが採用されました。App Storeでは無料・有料別にダウンロードのランキングを簡単に確認できるのもあり、アピールがしやすいという背景もあります。
広告を最初から表示する前提で作られているので、配信タイミングなどに無理がなくプレイしやすいのが特徴です。またプラットフォームAdMobの利用によって、広告運用の負担を上手く減らしているのもポイントになっています。
3.アプリ広告収入を得るためのコツ!広告の収益率なども把握しよう
ここからはアプリ広告収入を得るためのコツをご紹介していきます。
適切なタイミングで対価も考えて広告を表示する
今回ご紹介したアプリの中でもaruku&は、複数の広告を特性に応じて上手く出し分けることで成功を収めています。
- 懸賞応募という一息つきたいタイミングで、時間を多少取られる動画広告を表示する
- 報酬をもらったタイミングでさらにインセンティブをもらえる対価として広告を表示する
タイミングやインセンティブ内容などを上手く使い分けることで、広告を見せるというユーザーの負担になる可能性がある行為を違和感なく実行できるように工夫しているのがポイントです。
単に広告を出すのと見たいタイミングで表示するのとでは、ユーザビリティも収入効率も変わってきます。広告の特性を理解しながら表示タイミングや支払う対価を考えられるかがポイントです。
広告プラットフォームを上手く利用する
いずれのアプリも、広告プラットフォームを利用しています。そしてサポートも受けながら効率よく収益を伸ばすことに成功しているのがポイントです。
広告プラットフォームは単に広告を出す機能を提供するだけでなく、コンサルやノウハウの提供といったサポートまで行ってくれるケースがあります。そういったサポートを上手く活用しながら運用の手間を減らしてアプリを提供できるかが成功のカギとなるでしょう。
広告の収益率把握など分析も怠らない
今回ご紹介したアプリは、いずれも自アプリの構成やアプリの置かれた状況などを適切に分析、対応できる施策を取ったことで成功しています。つまり分析や施策の立案が成功しないと上手くアプリ広告で収入は得られません。
- 収益率がどのくらいになっているか
- 広告の出し方で違和感のあるポイントはないか
- 追加できそうな広告枠やタイミングはあるか
といった点を確認して施策へ落とし込むスキルが必要です。運用していく中で独自の分析方法や施策の立案方法などを見つけていきましょう。
4.まとめ
今回はアプリ広告収入の特徴や成功事例、そして成功するためのコツなどをご紹介してきました。
アプリ広告収入で成功するには、
- 広告プラットフォームのサポートを利用する
- 広告の表示タイミングやインセンティブなどを使い分ける
といった工夫が必要です。今回ご紹介したアプリ以外にも成功事例はあるので、ぜひ今後も事例を参考に成功するマネタイズ方法を考えてみてください。