検索に関係するサービスには、必ず「アルゴリズム」があります。これはユーザーに有益なコンテンツを優先的に表示して、掲載されているコンテンツの全体的な質を向上させるためです。
アプリストアにおいても一定のアルゴリズムが設定されており、理解することで効率よく自社のアプリを上位へ表示させる準備を行うことが可能となっています。今回はアルゴリズムの概要やアプリストアの場合はどうなっているのかなどをご紹介していきます。
※ASO対策における注意点を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
1.そもそもアルゴリズムとは
アルゴリズムとは「検索サービスにおけるコンテンツの表示順位を決めるための基準・ルール」です。アルゴリズムを知ることで今コンテンツに何が求められているのか、そしてどうやって表示順位を上昇させることができるのか、などが分かりやすくなるのがポイントです。
Googleのアルゴリズム
アルゴリズムの事例として代表的なのがGoogleです。Googleの検索エンジンのアルゴリズムは規模に違いはあっても高い頻度で変更されており、詳しい仕様については明らかになっていませんがGoogle公式からアルゴリズム変更への対応方法に関する情報が発信されています。こういった情報は、SEO対策の参考情報としてWebサイト運営者などに活用されているのがポイントです。
たとえば基本的なアルゴリズムへの対応方法として、
- ユーザーの検索意図に合ったキーワードを設定する
- コンテンツ自体の品質を確保する
- 使いやすさや読み込みが速いといったユーザビリティを確保する
といった方法があります。
アプリストアのアルゴリズムとは
アプリストアには「ASO」という考え方があります。これはユーザーの検索意図に応じて適切なキーワードを設定して、アプリのプロダクトページを上位表示させるために行う一連の対策の基になっている考えです。
ASOにもSEOと同じくアルゴリズムがかかわっており、参考にすることでスムーズなアプリ上位表示やプロダクトページの品質改善などへつなげることができます。アプリストアの詳しいアルゴリズムの仕様についても明らかになっていませんが、App Storeと Google Play公式からの情報を基にどんな対策をすればよいのかはある程度分かるようになっています。
2.アプリストアのアルゴリズムへの対応ポイントとは?App StoreとGoogle Playで分けて解説
ここからはApp StoreとGoogle Play、それぞれのアルゴリズムへの対応ポイントを記載していきます。
App Storeの場合
App Storeの場合は次のような点を意識すると、アルゴリズムへ対応しやすくなります。
キーワードを正確に選択する
App Storeでのキーワード上限は100文字です。ですからアプリを簡潔に説明するスキルが求められます。
公式ではアプリに関する特徴や機能を具体的に説明すると、関連性の高い検索において自社のアプリがヒットする可能性が検索アルゴリズムによって上がる、と解説しています。また
- 検索ボリュームが少ない分上位表示されやすい
- 検索ボリュームが多い分上位表示されにくい
という2つのキーワードのバランスを考えて、設定に入れ込むのも重要です。
ちなみにプロモーション用テキストについてはアルゴリズムに関係なく、検索順位と連動しない点にも注意しておきましょう。
アプリ名やアプリの説明などを適正化する
アプリ名やアプリの説明を適正化することも重要です。
アプリ名は30文字なので、シンプルで分かりやすい、それでいて表記がしやすい機能が把握できるものにする必要があります。ありきたりなキーワードを使ったり、競合アプリと似ている名前は避けることが推奨されています。
またアプリの魅力の解説については、サブタイトルを使用してみてください。こちらもアプリについて分かりやすい説明が求められます。また説明に関する独自性も求められるので注意しましょう。
適切にカテゴリを選択する
プライマリカテゴリは、ユーザーが自分に合ったアプリを探す際にかかわってくる重要な要素です。また「App」タブと「ゲーム」タブ、どちらに自社のアプリが表示されるかを決める要素でもあるので開発者側は設定に注意する必要があります。さらにアルゴリズムに基づいてアプリの表示されやすさを上げるためには、セカンダリカテゴリの設定も重要です。
関連性がないとそもそもApp Storeの審査に通らないので、最も適したカテゴリを選択して設定してみましょう。
その他
その他、以下のような対策が有効です。
- ポジティブな評価を増やす
- アプリ内イベントを活用する
- 課金アイテムの情報を充実させる
はっきりアルゴリズムに影響するとは書いてありませんが、ユーザビリティの観点から結果的にダウンロード数上昇といった指標に関係してくる対策です。
Google Playの場合
続いては、Google Playの場合アルゴリズムへ対応するポイントがどうなっているのか解説していきます。
高品質で魅力的なアプリを作る
コンテンツの質が最初から確保されていないと、いくらアルゴリズム対策をしても上位表示は達成されません。
Googleでは
- ターゲットユーザーのニーズと合うように設計する
- アプリの操作性に影響が出ることを避ける
といった工夫で、ユーザー体験を改善して品質を向上できると解説しています。
アプリの質を上げる対策としては具体的に
- 直感的でレスポンシブな操作ができるメニューオプションなどを設定する
- 権限やデータ利用について詳しく説明する
- 広告が邪魔にならないよう適切に配置する
- 国に合わせたローカライズも実施する
- 独自性を確保しながら継続的に価値を提供できるように分析を行う
- レビューの確認や返信などを行う
といった方法が挙げられているのもポイントです。
リリースへの準備を怠らない
ユーザー体験確保のためリリースの準備や指標の操作、データの確認などを行う際に以下のポイントが重要になってきます。
- 本格リリースの前に、最も利用されているAndroidデバイスでアプリの動作検証を行う
- リリース前レポートを有効にして問題を事前に特定する
- Android Vitals のダッシュボードでトラブル内容や競合とのパフォーマンス比較などを行う
リリースが始まってから問題が山積みにならないよう、事前準備を怠らないでください。
ストア掲載情報を最適化する
ストアのプロダクトページにおいて、効果的で正確な説明をするとスムーズなダウンロードを促進できます。プロダクトページを最適化するためには
- 説得力のある素材を最初に用意する
- 正確な分類やレーティングなどを設定する
- プロダクトページのレイアウトパターンをABテストする
- 提供国によってメッセージなどをローカライズして変更する
- 開発者のWebサイトや連絡先情報などを正確に設定する
といった対応が有効です。
詳しい内容を知りたい方は、Google Playのe-ラーニングコースを受講してみるとよいでしょう。
3.アプリストアの検索順位に関係している、アルゴリズムは変更されているのか?
アプリストアのアルゴリズムの変更については、Googleの検索エンジンと比較するとそこまで大規模な発表が高い頻度で行われているわけではありません。ただし時代によって、少しずつ変更を加えているという情報は残っています。
たとえば2015年11月には、App Storeで初めての変更が行われました。この変更ではキーワードへ関連したアプリが上位表示されるという、今となってはどの検索サービスでも当たり前となった仕様が搭載されました。ただしAppleは変更について、回答自体は避けています。
このようにアルゴリズムが変更されていても、公式から正式に発表がないケースもあります。アプリ関連メディアの情報も参考にして、どんな変更が発生しているのかいち早く把握できると安心です。
4.まとめ
今回はアプリストアの検索順位に関係する、アルゴリズムについて解説してきました。
Googleの検索エンジンでもアプリストアでも、必ずアルゴリズムが検索順位を決めています。アプリストアの場合はプロダクトページのキーワード設定や素材などを改善することで、検索順位が上昇する可能性があるでしょう。
また変更があった際にいち早く対応できるよう、アプリストア全体の最新ニュースを定期的に仕入れておくと安心です。