GACでも使われているGoogleの機械学習技術とは?事例も解説

「Googleアプリキャンペーン(GAC、旧UAC)」は、アプリ広告を配信できるGoogle広告の1メニューです。Google Playなどへ簡単にアプリ広告を配信してインストール数やエンゲージメント数を伸ばすことができます。

Googleアプリキャンペーンのパフォーマンスは、Google独自の機械学習技術と強い関係があります。Googleの機械学習技術は優秀であり、Googleアプリキャンペーンの精度も高いのがポイントです。

今回はGoogleアプリキャンペーンやGoogleでの機械学習技術の活用事例、そして将来機械学習技術によってGoogleアプリキャンペーンの運用方法がどう変化していくのかなどを解説していきます。

1.GACでは機械学習技術が活用されている!

Googleアプリキャンペーンを始めとしたGoogle広告の各サービスは、「AI(人工知能)」と機械学習技術が活用されており自動化されている部分があります。

たとえばGoogleアプリキャンペーンでは

  • 広告文
  • 入札の単価
  • 必要なクリエイティブ

といった基本項目を用意してアップロードすれば、後はターゲットに合わせ掲載面などの配信設定が最適化されます。

広告運用によって蓄積されたデータが機械学習へ活用されるので、質の高いデータが大量に蓄積されるほど機械学習の精度も上がり、1人1人が最適な広告を自動で打てるようになるのがポイントです。つまりGoogleアプリキャンペーンを長期間運用して必要なデータが集まるようにすると、運用の成功確率が上がります。

ちなみに「Apple Search Ads(ASA)」といった競合サービスも、AIを活用した機械学習技術を導入しています。今後はますますAIを搭載した広告出稿サービスが増えていくでしょう。

2.Googleの機械学習技術の事例!世界をリードする高いレベルへ

ここからはGoogle全般のサービスにおける、機械学習技術の活用事例をご紹介していきます。

AIを活用したレスポンシブ検索広告を導入

1人1人に合わせた広告を配信する「パーソナライズド広告」を実現するには、人の手だけでは力不足です。適切な設定を行うだけで膨大な時間が掛かってしまいますし、正確性にも課題が出てきます。しかしAIを活用することで、パーソナライズ広告を簡単に打てる手法をGoogleは実現しサービスとして提供しています。

代表事例の1つが「レスポンシブ検索広告」です。レスポンシブ検索広告では広告主の基本設定とGoogleの機械学習技術を組み合わせることで、見出しや本文をAIが自在に変更してテスト、さまざまな検索ワードに最適化した広告を作成してくれます。実際Googleの報告では、機械学習技術を使ってクリエイティブを組み合わせながら検証を行ったところ、15%クリック数が増加したといった効果が出ています。

クリエイティブのABテストを、人の手だけでやるのは効率的ではありません。あらかじめ必要なクリエイティブパターンを想定した上で素材を用意して、後は組み合わせをAIに任せることで効率よくパーソナライズな広告が配信できるようになります。

AIによってショッピング キャンペーンの出稿を最適化

Google広告にはオンラインショッピングの商品などを訴求、コンバージョンへ結びつけられる「スマートショッピングキャンペーン」が用意されています。

  • 商品やキーワード管理
  • 入札単価の設定

といった項目はAIが自動で最適化してくれます。

また

  • コンバージョンの最適化
  • 来店数
  • 新規の顧客数

といった指標も自由に設定することが可能であり、機械学習によって入札単価が目的達成できるように自動調整される点もポイントです。

さらに宣伝する商品の指定や掲載コンテンツ選定に関しても機械学習が活用されており、季節といった限定的な要素も含めて広告運用を合理化してくれます。

機械学習を活用したアプリ制作をサポートするプラットフォームを提供

近年ではアプリ開発者が、制作アプリに機械学習技術を搭載して機能の最適化へつなげるケースも出ています。ただし1から機械学習技術に関するプログラムを組んでアプリ構築を行うのは大変です。そもそも機械学習のデータをそのままローカルへ入れ込んでアプリを作ってしまうと、データ容量が多くなって使いづらいアプリになってしまいます。

しかしGoogleでは、Androidアプリ開発者向けに機械学習プラットフォームを提供すると発表しています。具体的には

  • Google Playを搭載した全デバイスで利用可能
  • APIがOSとは別に定期更新される
  • アプリに機械学習関連のデータを含めず制作が可能

といった機能によって開発者をサポートするのが特徴です。

Androidデバイスごとに機械学習のパフォーマンスを最適化できる機能まで搭載されており、動作検証のサポートまで対応する予定です。

このプラットフォームが普及すれば、Androidアプリでの機械学習技術活用がより広まるでしょう。

3.機械学習でさらに自動化される可能性も!将来GACの広告運用はどうなる?

AIは「ディープ ラーニング(人間の脳構造と思考を模した機械学習技術)」によって、より賢くなりました。従来はデータを選り分けて加工した上で学習に使う必要がありましたが、ディープラーニングによってその手間がなくなり学習効率が上昇したからです。実際Googleはディープラーニングを活用して囲碁の世界チャンピオンを負かすAIを開発しています。

ディープラーニングといった技術によってGoogleのAIが今よりさらに賢くなれば、将来的にはどんな広告出稿でもほとんどの作業が自動化されるかもしれません。クリエイティブ素材の作成といった作業まで自動化されたりとさらに便利になるメリットはあります。

ただし人間の創造性をAIが再現するのにはまだ時間が掛かりそうです。そのためしばらくはクリエイティブ素材作成や戦略立案などを人の手で行う必要があるでしょう。

4.まとめ

今回はGoogleアプリキャンペーンを始めとした広告での機械学習技術活用事例、そして将来などをご紹介してきました。

AIは機械学習によって賢さを増しており、広告分野でも人の手が介在する場面が今後さらに減っていく可能性があります。AIに振り回されずに活用できるように、AIに関する最新トレンドや活用手法などを日ごろから集めておくと安心できます。

ぜひAIを活用して競合にも差を付けられる広告配信を行ってみてください。